第463話 老体
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ゴライアスの〝最悪種〟を足止めしていたのはリーゼスだった。
「老体には、ちと堪えるわい」
拳に魔力を纏わせ。ゴライアスの拳に正面から合わせ、相殺する──
──つもりだった。
相殺に持っていけると踏んでいたリーゼスだが、ここに一つ大きな誤算があった。
相殺に持っていけるのはゴライアスが魔力を纏ってない時の話だ。それが今、ゴライアスは凄まじい量の魔力の一部を拳に乗せて来た。
「ぐふっ」
数十m後方へ弾き飛ばされるリーゼス、食らう瞬間、全身に魔力を纏い、後方に飛び、上手く受け身を取り、ダメージを最小限にしたのは経験の差だろう。年の功と言ってもいいかもしれない。
「く、効くのう」
図体の割りにゴライアスの動きは速い。
ドン、ドン、と拳を振るうゴライアスの攻撃を軽やかなステップでリーゼスは避ける。
地面を強く蹴り、ゴライアスの懐に入ったリーゼスはゴライアスの胴体に正拳を繰り出す。
「〝剛力石火〟!」
今度は強い魔法を纏った音速の拳だ。ドクン、とゴライアスの身体が揺れるがダメージは少ない。
「硬いの、せめて転んでほしかったんじゃが」
「リーゼス殿!」
「リーゼスさん!」
「おおぅ、システィアちゃんにルド坊、助かったわい。怪我はもういいのかの?」
「お陰さまで、回復いたしました」
「僕もです。ありがとうございました」
「よいよい、さて話してる場合じゃないぞ。ゴライアス、かなりの強敵じゃ。今一度腹をくくるんじゃ」
システィアとルドルフは頷き、剣を、大クナイを握る。
左右にシスティアとルドルフは動き出す。
左からシスティア、右からルドルフ、正面からはリーゼスがゴライアスに向かった。
「その腕落とさせて貰うぞ! 《我が名に賭け・彼の者を討ち滅ぼせ・響け》──〝偉大なる覇風〟」
システィアのレイピアに強い風魔法が纏われ、そのまま下から上に刃を振るう。
刺さりはしたが、腕を切り落とすまではいかない、三分の一程度の所で止まった。
「くっ、何て固さ、いや質量だ!」
あの腕の大きさに対し質量が可笑しい。通常の倍はあるんじゃないかと言う程の質量が詰まっていた。
「攻撃を止めてはなりません! 〝裂身千〟!」
魔法で作られた千のクナイがゴライアスを襲う。
「〝荒土・虎正拳〟」
腹に風穴を空けんばかりの正拳がゴライアスに命中する。ぐるりと時計回りに一回転半ほど回転しゴライアスが吹き飛んでいく。
「しまった、街の外に飛ばすべきじゃったの!」
これでは街中に更に魔獣を侵入させてしまったような物だとリーゼスは深く反省する。
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