第434話 鵬剣vs仙極
──〝スノーワイトの街〟東門前──
その日〝スノーワイトの街〟の雪降る空が割れた。
比喩ではない。空が割れたのだ。
それは二人の人類がぶつかった余波である。
「何故、皆は奴を庇う? 〝国狩り〟で〝黒い変態〟──魔王にも負けず劣らずの世界の害悪であろう?」
ばしんッ! グローブみたいなゴッツイ手を合わせ衝撃波を繰り出す〝仙極〟は手を抜かずチャッチャラーを攻撃する。
「変わり者って意味なら変態ってのも的を得ちゃってるかもしんねぇスね。まあ、害悪は全否定スけど」
チャッチャラーは迫り来る衝撃波を魔力を纏った双剣で受け止める。重い一撃だ。流石の威力にチャッチャラーも少し顔をしかめる。
「ふむ、まだやるかの?」
「まだ始まったばかりっしょ? 言っときやすけど、俺の〝魔力〟は少しばかり強力で厄介っスよ?」
バッと距離を詰め〝仙極〟の懐に双剣の刃を忍ばせる。
「腹、カッ捌きますけど、死なないでくださいね」
魔力を込めた刃が〝仙極〟の腹部を捉える。
✕の字に剣で斬り裂いた。
「うぐっ……」
瞬時に腹部に魔力を纏い防御をした〝仙極〟だが、腹部に痛みが走る。内蔵までは届いてないが〝仙極〟は久しぶりにダメージと言うダメージを受けた。
「あの人に自分の命よりも大切な物を救われやした」
「?」
「もう俺はあの人に刃を向けられねぇンス、そんな恩を仇で返す真似は例え上の命令であっても無理っス」
「そうか、ならば奴と共に倒れるがいい」
紗欄。錫杖の鐶の音が辺りに響く。
ヒュン、と、凄まじい速度でチャッチャラーの背後に移動した〝仙極〟が錫杖に強く魔力を込め、首もとを狙い斜めに振りかざす。
「っべ!!」
避けられない判断したチャッチャラーは首もとに魔力を集中し攻撃を受ける。
ド──バッ──ン!!!!
強者の魔力と魔力の衝突は強いエネルギーを生む。爆弾なんて可愛い物ではない、空間を震わせ、周囲のありとあらゆる物を破壊し、大気にヒビを入れんばかりの衝撃を生む。
「はぁ……はぁ……流石にヤバたんっスね……ぐふ」
不意に二人の内ポケットから、プルル……プルル……と、音がなった。
つい先日その作成方法が〝聖女〟ジューリア・クーローによって解明され、今や大量生産間近の通信石──その複製品ではなく〝天聖時代〟に〝天聖〟によって作られた粉うことなき本物の〝天聖の遺産〟だ。
10個に割られたそれの欠片は今は〝三王〟と〝六魔導士〟と〝人類最大級のギルドのギルドマスター英雄ロキ〟が持っている。
今現在、通信石が鳴ると言うのは緊急を要する事態と言うことだ。チャッチャラーと〝仙極〟は目だけで一時休戦の合図を出し、通信石の連絡を取る──
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