第426話 銀雪祭17
「チャッチャラー君は昔は黒髪で真面目君だったのよ。目が見えなくなった頃かしら、ふと──私がチャッチャラー君が金髪になったら可笑しくて笑っちゃいそうって、言ったのよね」
──
────
『アリシアさん、目、どうですか?』
『相変わらずね。お医者さんの話だと、もう目が見えるようになることは無いみたい』
『そんな、諦めないでくださいよ! 俺にできることなら何でもしますから』
『ありがとう。真面目ねぇ、少しは息抜きでもしたら、それこそハアトみたいに金髪にでも……ふふふ、チャッチャラー君が金髪になったら私可笑しくて笑っちゃいそう』
アリシアは笑った。この時、目が見えなくなってからアリシアは初めて笑ったのだ。
それを見逃すチャッチャラーではなかった。翌日、髪を金に染め、アリシアに会いに行った。
『アリシアさん、俺、金髪にしましたよ。俺待ってますんで、見てくださいよ。大丈夫、絶対によくなりますから!』
『チャッチャラー君……それは頑張らなくちゃね』
アリシアは嬉しかった。
自分を励ましてくれるチャッチャラーの行動が。
『アリシアさん、今度は言葉使いも姉ちゃんぽくチャラくしてみようと思うんです。あ、思うんス』
『ふふ、何それ? どんどんハアトみたいになってくわね。早く治さなくちゃ、早く治るといいなぁ──』
*
「それでチャラ男が生まれたワケか。つーか、たまに言うよく分からない言葉も何処で学んだんだか?」
「素敵な話だと私は思うな。チャッチャラーさん、アリシアさんが大好きなんですね──」
「ウィス! 大好きっスよ。7年片想いでしたがね」
「7年……凄いです! あ、でも裏を返せば7年越しに実る恋もあるんだ……」
「そうよ。クレハちゃん、頑張ってね!」
「う、あ……はい……///」
な、何だ……!?
クレハ……好きな人でもいるのか?
いや、まさかな。
それなら俺の旅に付いてくるワケ無いよな。
いや、でも、クレハも年頃だし。
好きな異性がいても、まあ可笑しくは無い。
ズキン。
(う……またこれだ。何なんだ……この痛み──)
しかも全身から血の気がサーっと引くような嫌な感覚まで出てきた。頭の奥が痛い。
クソ飲みすぎたか? いや、そんなに飲んでない。
ノアとロキと飲んだ時のが倍ぐらい飲んでた。
「ユキマサ君、どうしたの?」
「いや、何でもない……」
──このままクレハを抱き締めてしまいたい。
そんな感情に駆られる。
……って、馬鹿か俺は。落ち着け俺。
そんなことしたら全科二犯で懸賞金が上がっちまう。
「どどど、どしたんスか!? 顔色悪いっスよ!」
「大丈夫だ。すまん、酒を貰えるか? 少し酔いたい」
あー、ダメな大人になる。
「いいスけど、ホント大丈夫スか?」
てか、ンなことより、クソ頭と胸と間接が痛い。
冷えか? なら酒を飲んで血行をよくすれば少しはマシになる筈だ。酒~、酒~。あー、沼に落ちる。
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