第420話 銀雪祭11
再再度並ぶイカ焼き屋は変わらず大行列だった。
異世界でイカ焼きを1日に3つも食うとは夢にも思わなかったな。普通に美味いし、このイカ──
「──あ、ユキマサ君、戻ってきた」
イカ焼きを買って戻るとクレハがイカ焼きを食べずに待ってくれていた。
(うおっ、先に食った罪悪感が……買い足してきてよかったぜ)
「ユキマっさん、何処行ってたんですか?」
「おい、チャッチャラー、少し耳貸せ」
俺は憲兵に精通してるチャッチャラーに魔王信仰の出現と討伐、そして今は会場の外に気絶した魔王信仰が放置されていることを伝える。
「はっ!? マジっすか!? っべーわ、ちょっと俺席外します! す、すぐ戻ってくるんで!!」
ぴゅー、と、走り去るチャッチャラーを見送る。
「いってらー」
「え、チャッチャラーさん!?」
「チャッチャラー君!?」
全力ダッシュのチャッチャラーに驚くクレハとアリシアを横に俺は三人がいた野外テーブルと椅子に腰を下ろし──
「イカ焼き食うか」
と、クレハに笑いかける。クレハは「うん、食べよ」と言ってくれた。
「クレハちゃん、ユキマサ君と食べるんだって待ってたのよ。ふふ、仲がいいのね」
「何だ、アリシアとチャッチャラーは待っててくれなかったのか? 寂しいじゃねぇか」
「う、それを言われると返す言葉も無いわね。ごめんなさい」
「まあ、別にいいけどよ。気にすんな」
乾杯。じゃないけど、イカ焼きを俺とクレハは軽く上にあげ「いただきます」をする。
「ユキマサ君、本当にどこいってたの?」
「祭りを邪魔する悪い奴を懲らしめに少々──」
「え? 本当に何してきたの?」
──昔、盆踊りでスリが出た時、出張〝和菓子屋・稗月〟で饅頭やどら焼や栗モナカを売っていた親父は「掃除だ」と言って店を俺に任せ、何処かへ言ってしまった。
後から話を聞くと親父は祭りを狙ったスリの常習犯グループを悪鬼羅刹の如くの所業で根こそぎ(ボコボコ)に捕まえたらしい。警察署から感謝状を貰ってたよ。
だが、親父は祭りの組合や関係者からは、その日から、祭りの神──妖怪・祭囃子と呼ばれるようになったのはまた別の話だ。
──「イカ焼き美味し♪」っと、ご機嫌なクレハの顔を見て俺は何だか嬉しくなってきてしまう。
祭りの熱に当てられたかね。やけに楽しい。
イカ焼きを待っていてくれたのが更に嬉しかった。人から見ればちょっとしたこと何だけど、そういうのが本当に嬉しかったりする。
人間なんてそんな生き物さ。単純なんだよ。
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