第410話 銀雪祭
──異世界雪祭り・銀雪祭
いいねぇ。実にいい。風のない夜の凍るような冷たい空気がお焚きあげの火で辺り一帯が暖められてく。
異世界チックな音楽と踊り。そして屋台。
降り積もった雪は多いが、キチンと整備されており歩くのに困ることは全くと言っていいほど無かった。
「タレと塩で全部1本ずつくれ」
焼き鳥の店に俺は注文する。
にしても肉が大きいな。普通の2、3倍はある。
「ん、クレハ、シェアして食おうぜ?」
「うん、ありがとう。焼き鳥、美味しいよね!」
鼻唄交じりに焼き鳥を「♪」と待つクレハ。
「ケバブ食ったから鳥の後に鳥だけどな?」
「美味しい物はいくら食べても美味しいんだよ」
「否定はしない。よし、沢山食おうぜ。制覇だ!」
「制覇は私は胃袋的に難しいかも。あ、でも食べたい。一回お祭りの屋台制覇してみたかったんだよね」
「じゃあ、俺の買ったやつそれぞれ一口食うか?」
「え……いいの? あ、でも、それって、間接キ……」
「どうした?」
「ううん、何でもない/// それでお願いします!」
顔を赤くするクレハ。
「お、来たな!」
もも、むね、ネギマ、せせり、つくねのタレと塩各1本ずつを銀貨1枚を払い受けとる。
これで1本100円は安いな。肉も大きいし。
「大鶏の焼き鳥だね。美味しそう!」
「なあ、興味本位で聞くんだが、大鶏ってのはどれぐらいのサイズなんだ?」
ネギマを口に運び、歩き進めながらクレハに問う。にしてもネギマのネギって美味いよな。もぐもぐ。
「えーとね、羊ぐらい?」
「そりゃ大きいな。てか鶏なのかそれ?」
「見た目はまんま鶏だよ。本当にサイズが違うだけ。でも、卵のサイズは普通の鶏と変わらないんだ」
「見てみたいような、見てみたくないようなだな」
……と、次の屋台だ。これは豚肉──
「ポルケッタのパニーノか」
「あ、正解。よく知ってるね」
ポルケッタとは豚の丸焼きを香草等を詰めスライスした物だ。パニーノとは楕円形のパンで挟んだサンドウィッチだ。分かりやすく簡単に言えばポルケッタのパニーノとは焼き豚のサンドウィッチだ。
隠す気は全くないみたいだから言うが、丸焼きの大きな豚が頭つきで焼かれたのが店の少し奥に置いてある。日本じゃあまり見ない光景だ。少し衝撃的な絵面だしな、豚の丸焼きって……
(てか、待て、あの豚──翼があるぞ!)
翼を持つ豚といえば、俺は1つしか知らない。空豚だ。あれはきっと空を飛ぶ豚──空豚に違いない。
空を飛ぶ豚ってのは中々にメルヘンだと思う。そんなメルヘンな豚が雪祭りで丸焼きで売られてるんだもんな。ツチノコの丸焼きと言い、現実は残酷だぜ。
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