第404話 車イスの女性
「ウェーイ! ユキマっさんとクレハちゃんじゃないっスか! え、何々? お二人も銀雪祭でテンアゲマックスって感じっスか?」
あー、この金髪に褐色のチャラ男は──
「チャッチャラーか、よく会うなぁ……」
と、俺が振り向くと、チャッチャラーは車椅子を押していた。乗っているのは30半ばぐらいの薄い栗毛色の長い髪の美人の女性。そして一目で分かった。
この女性は目が見えてない。両目ともだ。
「あら、チャッチャラー君のお友達? 一人はとても魔力が高いのね。私はアリシア。こんなお見苦しい姿でごめんなさいね」
優しく儚げにアリシアは微笑んだ。
「ユキマサだ。折角の祭りなんだ見苦しい何て不粋な話は無しにしようぜ」
「私はクレハです。よろしくお願いします」
軽い自己紹介も終わった所でチャッチャラーが手をあげる。
「あ、俺、何か温かいもの買ってくるっス」
「俺も行こう。クレハ、何がいい?」
「え、あ、じゃあ、オレンジジュースで」
ん。っと短く返事をし俺はチャッチャラーと共に飲み物を買いに行く。
オレンジジュースは温かいものじゃないけど。
「にしても、さかま、ユキマっさんが飲み物の買い出しに付き合ってくれるなんて、俺うれしっスよ!」
さかま? ああ『まさか』か。分かりづれぇな。
さかまなんて言葉初めて聞いたぞ。
「回りくどいのは苦手だ。だから単刀直入に聞く気づいているんだろ? チャッチャラー・グットクール」
沈黙。少しばかり空気が止まる。
「はて、なんのコトっスか? ……まあ、少しだけ俺の仕事の話をすると、俺が今追ってる指名手配犯らしき人物は残念ながら毛程も見当たらないっスね」
やれやれと手を広げるチャッチャラーはどうやら俺の存在には知らぬ存ぜぬを貫いてくれるらしい。
言葉はチャラけたトーンだったが目は本気だ。
「ふーん、お前その職種向いてないんじゃないか?」
「ちょ、直球ストレート過ぎっしょ!? もうちょいラートに包んでくださいっスよ。つーか、ならユキマっさんがここは一つ何かいい職紹介してくださいよ」
「仕事の紹介は他の奴についこないだしたばかりだから当分はネタ切れになるから無理だな」
自分の分とクレハのオレンジジュースを買う。
チャッチャラーは温かいコーヒーを2つ買った。
「なあ、お前の連れのアリシアだったか? 目は生まれつき見えないのか?」
「アリシアさんの目は〝7年前の魔王戦争〟で魔王から受けた呪いっス。俺がもっとしっかりしていれば……」
また〝7年前の魔王戦争〟か。この戦争は人類はかなりの被害を受けたときいている。
それに比べれば先日の〝魔王戦争〟での被害は奇跡と言っていいレベルの最小被害だったんじゃないか?
「……そうか。嫌なこと聞いたな、悪い」
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