第395話 ブリ鍋
「──部屋で鍋やってもいいか?」
俺は宿屋の娘、ランに問いかける。
え、最近鍋ばっかじゃないかって?
いいんだよ。鍋ばかりでも。鍋は美味いから。
つーか、食ってばかりだよ。異世界生活。
「火事に気を付けて貰えれば別に構いませんよ」
すんなり許可を貰えた。
よし、今日はブリ鍋だ。
──と、言うことで、異世界クッキング。
シナノの家で多めに取っておいた、昆布と鰹出汁をベースに切った野菜やブリを入れていく。
醤油味にするか味噌味にするか悩んだが──
今日は味噌にするぞ! 味噌のが温まるしな。
「あ、お味噌にするの?」
「ああ、味噌でいいか?」
「私は大歓迎だよ。お魚メインの食事は久しぶりかな」
クレハも味噌に賛同してくれる。
よかったよかった。
──灰汁を取りながら、最後に味噌を入れて煮れば完成だ。ワンポイントは長ネギと白菜を多めにいれた。味噌にネギと白菜は最高なんだ。
「「いただきます!」」
早速、ブリを食べると──うん、美味い!
やっぱ、冬ってか、雪の日には鍋だよな。
「美味しいね。身体の芯から温まる感じだよ」
これもクレハは気に入ってくれたようだ。
「何か、ユキマサ君と旅をはじめてから私の食生活が豪華になった気がする」
贅沢だねと少し遠慮気味のクレハ。
「昔のエメレアとか今のシナノとかの話を聞いた後だと余計に何か悪いことでもしてる気分だ」
「うん、でも、残したらもっと悪いね!」
ズズっと、スープまで飲み干すクレハ。
「そうだな『出された飯を残すんじゃねぇぞ』って親父にも言われてたしな。魔王討伐何て大言壮語の前に目の前の飯を残すなバカって怒られちまいそうだ」
「う……後、私の体重が心配だよ。ミリアいいなぁ……どんなに食べても太らないんだもん……」
ズルいよと、乙女らしい悩みの種のクレハは一瞬だけ手が止まる。
理沙もカロリー気にしてたな。ミリアと同じく食べても太らない体質の俺はえらく妬まれたものだ。
ちなみに親父も同じ体質だった親父譲りなのかね。
──大満足の食事を終えると、今日のドロップアイテムを広げてみる。
魔力結晶が大半だったが、ミノタウロスの角やロックスパイダーの甲殻などのアイテムもあった。
「で、気になるのはこれか──」
俺が〝アイテムストレージ〟から取り出したのはピンポン玉ぐらいのサイズの黒い玉だ。
「バジリスクからドロップした奴だね。ギルドでは〝魔力玉〟って呼ばれてるよ。魔物や魔獣の魔力が集まった玉だね。これは危険な代物なんだよ?」
「爆発でもすんのか?」
「違うよ。これはね魔物や魔獣が食べると、その魔物や魔獣の力が強化されるんだ──」
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