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第329話 鈴蛍の池2



 *


「──わわ、ユキマサ君、ど、どうして此処に!?」


 凄く焦るクレハ、何の話をしてたんだ?


「ああ、エメレアにクレハがいるって聞いてな?」


 この世界に来てクレハには一番に世話になった。

 家にまで住まわせて貰った。


 だが、指名手配までされちゃ、もう家に住まわせて貰う所か、この都市にもいられないしな。


「俺は今日これから少し長い旅に出る。多分、エルクステンへは長く帰らないと思う」


「私も行く」

「一緒に来ちゃくれねぇか?」


「「え?」」


「わわっ」


 ハモる俺とクレハと驚くミリア。

 数秒の沈黙の中、蛍がやけに明るく辺りを舞う。


「あー、えっと? クレハ、言葉の意味、分かってるか?」

「分かってる。私もユキマサ君の旅に付いてく」


 クレハの(まぶた)が赤い、泣いてたのか?


「来てくれるのか?」

「違うよ、私が行きたいの」


「そうか。本当ならそれでいいんだが、悪いが、今回は建前上は俺が連れ去ったことにさせて貰いたい」


 じゃないと、クレハの婆さん、システィア、エメレア、ミリアに迷惑が掛かる。


「てことで、ミリア、お前には証人になってもらうぞ?」

「証人ですか?」


 目をパチクリとさせるミリアを横に、俺はクレハをお姫様抱っこする。


「俺はクレハを拐わせて貰う、以上だ」


 俺の言葉に「??」と、言う表情のミリア。


「フォルタニアに伝えろ──俺にクレハが拐われたとな。多分、それで大まかには話が通る。クレハの婆さんへの迷惑は最小限になるだろう。ノアも手回しをしてくれると言ってたしな?」

「わ、分かりました!」


「──で、クレハ、俺の落ち度でなんだが、ガーロックと憲兵が近くまで追ってきてる。悪いが直ぐに出発したい。できるか?」


 婆さん達に挨拶なしにと言うことになる。

 まあ、連れ去られたってんだから、挨拶も何も本当は無いんだが……一応な。


「それなら大丈夫だよ。お婆ちゃんにも、エメレアちゃんにも、システィアお姉ちゃんにも、ある程度の話はしてきたから、あ、リュック取ってもいい?」


「は……マジかよ!?」


 てか、待て、リュックッ!?

 クレハ付いてきてくれる気満々だったのか!


(感謝しきれねぇな、クレハには──)


 手配書が出て、この都市を離れて指名手配犯として旅に出るって決めて、異世界で初めて一人になるのか……と、少し沈んでいた自分がバカらしくなる。


 そんなことを考えてる間に、クレハのリュックをミリアが「はい、クレハ!」と、取ってあげていた。


「ミリアありがとう。本当の本当にありがとう!」

「うん、どういたしまして。よかったね、クレハ!」


 花が咲くような笑顔とはこのことだろう。自分のことのようにミリアは心から嬉しそうに笑う。


「ミリア、またな。色々助かったよ。一段落したら、また〝大猪(おおしし)の肉〟でも腹一杯、皆で食べよう!」


 大猪と聞き、分かりやすくミリアが「!」と、反応するのが分かる。


「まだ〝アイテムストレージ〟に沢山あるんだ。俺の〝アイテムストレージ〟の食材は腐らないから、次会う時まで取っておくからよ?」


 そう告げると──


「はい、楽しみに待ってます!」


 と、笑ってくれた。

 お、つーか、噛まなかったな? 進歩だ進歩。


 じゃあ、行くか? と、俺がクレハに言うと、


「ミリア、それじゃあ、またね! ありがとう!」


 手を握り、ミリアとの少しばかりの別れの挨拶をクレハは済ませる。

 ミリアも何度も「またね」「旅の話し聞かせてね」とか、話している。

 そして本当に名残惜しそうに手を離した。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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