表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
298/860

第297話 ノアの部屋8



 *


「それで、イイ機会だから聞いとくけど、ユキマサ君とクレハさんはどこまでいってるのかな?」


 変に酔った風でも無く、いつもと殆ど同じペースの、強いて言うなら少し普段より楽しげな様子のノアが突然そんな質問をする。


「な、なんだその質問は……」

「そのまんまの意味かな? 付き合ってるの?」


 興味津々と言った目で俺を見るノア。ちなみに本日三杯目を突破したスイーツレモンを刺した果実酒をノアは、それこそスイーツでも食べるかのような笑顔でそれをくぴくぴと飲んでいる。


「付き合ってねぇよ」

「ふむふむ、もしかしてちゅーぐらいした?」


 からかってるのか、そうでないのか微妙なトーンだ。質問の度に果実酒を口に運ぶノアは、三杯目の果実酒を飲み干す。


「いや、してねぇよ。つーか、どんな質問だよ?」

「気になる男の子の異性関係の情報は女の子にとっては重要なんだよ? 一応、私も女の子だし♪」


 クスクスと微笑むノアは〝エルフ酒〟に並ぶ、珍しい酒である〝万祭(ばんさい)〟をコップに注ぐ。

 そしてトテっと、俺の肩に頭を傾け預けてくるノアは(すこぶ)るご機嫌だ。


「絵になりますね、ユキマサさんと大聖女様が並ぶと。今この都市のツートップのツーショットです」

「褒めてもなんにもでないぞ?」


 変な(おだ)てを言うロキに俺はクイっと(はい)に注いだ酒を飲みながら、そっけなく返事をする。


「これ以上、私はユキマサさんに何かを貰うわけにはいきませんけどね。──っと、そうだ。忘れる所でした、これをユキマサさんに」


 スッとロキが懐から、取り出したのは透明なアクリル版のような物に入った星の形をした二枚のメダル?


「あ、星金貨(せいきんか)だ。流石はギルドマスターだね♪」

「星金貨?」


 聞いたこと無い。多分、金貨の上位互換か?


「うん。金貨1000枚分の価値があるよ」


 うわぉ、日本円換算で1億円……!

 2枚で2億かよ? サラっと出すな。大金を。


「私は2枚しか持ち合わせていませんが、よろしければ──というか、絶対に受け取ってください」


 ロキの目は真剣だ。さっき迄の酔っぱらいの目とは全く違う。強いて言うならギルドマスターの目だ。


「分かった、ありがたく、いただくよ」


 俺がそう言うと、ロキは満足そうに笑い、また一口酒を煽る。


 てか、使いづらいな。どうやって使うんだ。

 家とか買えるぞ? いや、それでも釣りがくる。


 〝アイテムストレージ〟に星金貨を仕舞うと、俺は残りの〝エルフ酒〟を(はい)に注ぎ、口へ運ぶ。

  

 その後も俺達は酒を()み交わした。

 そんな夜が段々と深くなっていく──


 ロキが「では、私はそろそろ」と、席を立ったのは、時計の針がとうに天辺(てっぺん)を越えて長い針が数回、回った辺りだった。


 ノアもロキも本当に酒豪らしく、あんだけ飲んだのに、まだまだ余裕とばかりの様子だった。


「今日は楽しかったよ、ロキさん♪ また皆で飲もうね♪」

「ええ、是非に。私もこんなに楽しい日は久々です」


「──ロキ、()()()


 短く俺は告げる。するとロキが唇を噛みしめ──


「ユキマサさん……本当に本当にありがとうございました! ──この恩は一生忘れません! そしていつか必ず倍にして返します!」


 また頭を深々と下げ、深夜にしては少し大きすぎる声で礼を言う。


「ん、期待しとく。フォルタニアによろしくな」


 涙を流し、何度も何度も頭を下げてから帰宅するロキを最後まで見送った俺とノアは「もう少しだけ飲むか」と言う話になり、深夜に二人、まだ飲み続けた。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ