第286話 方針
「で、聖教会の方針は決まったか?」
「うん、私はユキマサ君が間違ってるとは思わない。結果〝シルフディート〟が壊滅状態になってたとしてもね。それが一人の女の子を助ける為なら尚更だよ」
「そりゃよかった。お前とは敵対したく無いからな」
いや、ホントに。この世界で会った奴の中でもノアは頭1つ抜けて強い。1、2位を争うレベルだ。
「ふふ、正直だね♪ ここに宣言するよ。私たち〝聖教会〟は稗月倖真君を支持する。手配書の撤回も求めるつもりだよ」
「俺が言うのも何だが、いいのか? 〝シルフディート〟に真っ正面から喧嘩売るようなものだぞ?」
「ふふ、それは本当にユキマサ君には言われたくないね♪ それに大丈夫だよ〝聖教会〟は〝シルフディート〟どころか〝中央連合王国アルカディア〟にも発言力があるから、少なくとも無視はできない筈」
「破格過ぎるな。つーか、大聖女ってのは〝聖教会〟だと、どこら辺の地位なんだ? 随分と融通が利くみたいだが」
「うーん、一応は上から2番目かな? 私の上には私のおじいちゃんというか──〝聖教会〟の〝教皇〟しかいないから」
2番目か、そりゃ発言力もある筈だ。
「てか、お前のじいちゃん教皇なのかよ?」
「この世界じゃ有名な話しだけどね。何かユキマサ君は反応が新鮮で私的には楽しいよ♪」
「そうかい。話を戻すが、ノア、無茶はするなよ? 俺の味方をしてくれるのは嬉しいしありがたいが、事実上は犯罪者を擁護する形になるんだからな?」
「お姫様を助けて国を敵に回すだなんて、お伽噺の勇者様みたいな犯罪者もいたもんだね。それに私はその犯罪者にされていることから、ひっくり返すつもりだよ。だってユキマサ君は全然悪くないもん。そもそも魔王ガリアペストを葬って、ウルスラを倒した人物を敵に回すような行動に出るのが不思議でならないよ──シアナさんは何を考えてるのかな?」
「あー、すまん。話してなかったな。女王にはフォルタニアの解放か、俺の罪の揉み消しかどちらかを選べって言われて。俺は前者を選んでる」
「なるほどね。でも、だからユキマサ君の罪ってのが私は気に入らないの。悪いのはエルフの国だもの」
「理由はどうあれ、国家襲撃は重罪だろ?」
「不思議な話しだよね。間違ってるのはあっちなのに国だからって正しい人が悪くなるんだからね。私は嫌いかな。折角、異世界から私たちの世界を救いに来てくれてるユキマサ君をあまり幻滅させないでほしいな。私達の主神のアルテナ様にも失礼だと思うし」
「幻滅か、まあ言い方は違うがガッカリはしたな」
エルフの国──楽しみだったんだけどな。思わぬ形での訪問と出会いだったからな。
まあ、フォルタニアとの帰り道は楽しかったが。
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