表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
284/859

第283話 理想のシナリオ



 ──大都市エルクステン

     ギルド・ギルドマスター室──


「フォルタニアさん! フォルタニアさんっ! よくぞご無事で! ああ、よかった、本当によかった!」


 ギュッと、帰ってきたフォルタニアを抱き締めるロキの目頭(めがしら)には涙が浮かんでいる。


「全てユキマサ様のおかげです」

「ユキマサさんには感謝しきれませんね、彼はどこですか? 直ぐにでもお礼を言いたい──」


「……ロキ、これはご存じですか?」

「何です? その紙は?」


 フォルタニアはサーっと、血の気が引く。

 知らない? ロキが? この手の話しには目ざとい筈だ──なのにロキがこの事をなぜ知らない。


 手配書を手に取ったロキは明らかに動揺し、目を見開いて驚く。


「ど、どういうことですか……これは──」


 ロキは懐から〝通信石〟を取り出す。

 連絡先は〝三王〟の一人であり、現シルフディートの最大権力者である──シアナ・シルフディートだ。


『ロキね、連絡が来る頃だと思ったわ』


 呼び掛けに直ぐに返事が来る。

 女王の声は淡々としたものだ。


「それは話が早いですね。単刀直入に言います。全ては私の差し金です。今すぐにユキマサ様の手配書を破棄し、私の手配書を発行してください」


 ロキが告げる。元よりそのつもりかのように。


『それはできないわ。貴方の目論見ではフォルタニアを救出して貰い最後は罪の全てを貴方が庇う。そして何処へなりとも逃げて、ひっそりと二人で暮らす。そんな手筈だったんでしょ? ──悪いけど、稗月倖真(ひえづきゆきまさ)の指名手配は〝シルフディート〟では、もう可決されたことなの。それじゃあね、()()()()()()()


「ま、待ってください! ユキマサさんを指名手配──? 上は彼を敵に回すつもりですか? 何をバカなことを!? 彼は人類の存亡を左右する人物です! 彼無き未来に人類の存続は無い! シアナ女王、貴方は〝三王〟でしょう!? 一体何を考えているんですか!!」


 ロキは声を荒げるが、通信はそこで途絶える。


「何てことに……」

「らしくないですね。ロキ、貴方にしては考えが甘すぎる。ユキマサ様が指名手配されるリスクはかなり高かった筈です。相手は国家ですよ?」


「そう上手くはいきませんね。私の脚本(シナリオ)では世界は動かないみたいだ。もうユキマサさんには(つぐな)っても償いきれない──ハッキリいいましょう。私はユキマサさんを、あの方の強さと人の良さを完全に利用した。そうまでしても私はフォルタニアさんを助けたかった」


 ガクリと膝を尽くロキ。


「どうして、どうして、いつも権力は()()()()()()()! どんな時も、いつだってそうだ、この世界では善人が損をする! どうして、何でですか……」


 懺悔のように泣き叫ぶロキ。

 そんなロキをフォルタニアはそっと抱き締める。


「ロキ、私は救われましたよ。そして私は諦めません。今度は私が必ずユキマサ様を救って見せます」



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ