第266話 エルフレストラン
*
──エルフの店員が注文した料理を運んでくる。
俺が頼んだのはエルフ米と玉子と漬物のセットメニューである、コヌフラッチョスだ。
フォルタニアはソルディミッソナパタなるサラダと、トーストを頼んだ。
ちなみにトーストの方の詳しい料理名は知らない。
多分だが、これも呪文みたいな名前だろう。
「いただきます!」
運ばれてくるなり、腹ペコ度MAXの俺は直ぐ様いただきますを言う。
「ユキマサ様は礼儀正しいのですね? 少し驚きました」
「いただきますの話か? よく言われる」
「ふふ、失礼しました。私もいただきます」
卵を割り、醤油を入れ、よくかき混ぜる。
TKGだ。実に美味そうである。
もぐ。
「美味い!」
これがエルフ米か、米が立ってるし、好みな味だ。
ヒョイ、モグ、パクと箸を進める。
あっと言う間に平らげた俺は──
「すまない、コヌフラッチョスのおかわりを貰えるか? 大盛で頼む」
「ユキマサ様、宜しければ〝極楽鳥の卵〟を注文してはどうですか? ごはんにとっても合いますよ」
「〝極楽鳥〟? 何だそれ、美味そうだな? 是非に頼む」
エルフの店員は「かしこまりました」と言うと、せっせと店の奥にパタパタと駆け足で走っていく。
待ち時間に漬物を食べる。きゅうりと、ナスと……何だこれ? 丸い緑……? ちょっとシワってるうずらの卵ぐらいの緑の丸い物だ。
異世界独自の代物だろうか? まあ、食べられるんなら残すのも悪いな──と思い、何となく不気味だが、思いのままに口に運ぶ。
ッ!? いや、普通にキャベツだ──。
食感、味、色、どう考えてもキャベツだ。違うとすれば漬物だからか、ヤケにシワシワだったのと、サイズが〝うずらの卵〟ぐらいだったことぐらいしか違いがない……いや、十分違うって言っちゃ、違うか。
「ど、どうしました? リトルキャベツの漬物、口に合いませんでしたか?」
「リトルキャベツ……そのまんまの名前か。あ、いや、元いた世界には、こんなキュートなキャベツは無くてな? 少し驚いてた所だ。味はよかったぞ?」
と、話してると、コヌフラッチョスのおかわりが到着する。
「うわぉ」
俺が驚いたのは勿論コヌフラッチョスにではない──〝極楽鳥の卵〟だ。
これがいかんせん大きかった。ダチョウの卵ぐらいあるぞ? ……つーか、よく考えたら、さっき普通に食べてた卵も見た目は鶏の卵だったが、本当は何の卵なのか分かってないんだよな……恐ろしや。
米も超大盛だ。
さっきの量の20倍ぐらいあるぞ!?
通常盛りと大盛りの差おかしいだろ!
「ユキマサ様、すいません。食べきれますか?」
〝極楽鳥の卵〟を勧めてしまい、予想外の量が出てきたのに焦ったフォルタニアが小さく聞いてくる。
「ん、余裕、ホント今俺腹空いてんだよ──」
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