第257話 黒vs黒5
美味しい所を取るようだとは思ったが、逃げるシリュウにトドメを刺す為、大鴉を追う。
エルルカは追ってこないな? 追ってこないのか、追ってこれないのかは定かでは無いが──
俺がシリュウの方へ向かおうとした、その時──〝世界樹〟に刺さってたウルスラが大きく動く。
300m近くある体を真っ直ぐに伸ばし、尻尾の先に魔力が集まる。つーか、あれ、もう二回ぐらい撃ってきてる口から吐いてた極炎魔法じゃん!
え? 尻尾からでも撃てるの!? ズルい!
まあ、ドラゴンボーイの孫悟海も、足で〝かめかめ波〟撃ってたしな、あんまり場所は関係ないのか?
てか、狙い先、また王宮じゃねぇかッ!!
なんつー偶然だ、いや偶然? 偶然なのか!?
仕方ない、シリュウは一度諦めて王宮への極炎魔法を防ぐのを優先するぞ。シリュウは手負いだ、すぐどうこうはできないだろう。
対して、極炎魔法は放っておけば直ぐに死傷者がでる。優先度は火を見るよりも明らかだ。
攻撃線上に入り、剣を構え、強く魔力を纏う。
タイミングを合わせ、極炎魔法を斬る!!
(くっそ、結構、持ってかれるな?)
──で、シリュウだ。どこいきやがった!!
あちらこちらを見るが、見当たらない。
クソッ、しくった。見失った、逃げられた!
(もし今後シリュウの手で、誰かが怪我したり、死んだり、何か取り返しの付かないことが行われれば、確実に今ここでシリュウを取り逃がした俺の責任だ)
…………
ダメだ。一度、頭を切り替えよう。
まずはウルスラだ。
あの龍を暴れさせれば、この国どころか隣国、下手したら〝中央連合王国アルカディア〟や〝大都市エルクステン〟にも強い影響を及ぼしかねん。
俺はウルスラが刺さっている〝世界樹〟の場所の貫通してない、丁度反対側に移動する。
「ここら辺か?」
コンコン、と〝世界樹〟の幹を叩く。
右腕に強くたっぷりと魔力を込める。
そして魔法を使う──
俺の拳に合わせて、魔法陣が展開される。
その数は10.20.50.80.100と、どんどんと魔法陣が増えていく。魔法陣で威力アップだ!
ウルスラの頭が刺さっている線に狙いを絞る。刺さってる反対側から殴り飛ばし、叩き出す作戦だ。
──ここだッ!!
〝世界樹〟の幹を、魔力と魔法陣を纏った第三宇宙速度の拳で幹を殴り飛ばす。空襲や落雷のような大気が震えるような爆音を轟かし、
──ドガガガガガガガガガガガガンッ!!
と、幹に穴を開け、穴の空いた先に、逆側から刺さってたウルスラを巻き込み〝世界樹〟を破壊しながら、ウルスラを〝世界樹〟の外まで吹き飛ばす──!
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