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第249話 剣斎vs屍6



「〝樹霊(ドライアド)守護者(チュトラリー)〟!? この方が!?」


 フォルタニアが驚くのも無理は無い。火澄(ひすみ)は、先祖代々〝世界樹の番人〟として世界樹を守っている守人(もりと)である。

 彼女が世界樹から離れられるのは数年に一度ある〝神霊祭〟の時だけだ。

 勿論、今日は()()()では無い。


 忌々し気に火澄を睨むシリュウは、全身に更に魔力を込める。


「調子に乗るなぁァ!!」


 破裂音を立て、シリュウを絡めとっていた樹木の根が爆発する。隙を見てオックボックが意識の無いヴォロンを回収するが、今のシリュウにはヴォロンの生死はどうでもよかった。


「簡単に逃がしはしないわ」


 (てのひら)を下に向け火澄は無詠唱で魔法を使う。現れたのは、またしても()()。だが先程の根だけの物より遥かに大きい。火澄の魔力を帯びた、枝、根、がシリュウを束縛し、襲いかかる。


 シリュウは双剣で()を斬るが、キリがない。どんどんと伸びてくる。


「小賢しいィ!! 術者を殺せばこの木屑も消えますでしょう!!」


 シリュウは火澄に向かい、魔法を使う。


「〝大震爪(だいしんそう)月影(つきかげ)〟!!」


 シリュウの背後から黒い鉤爪が現れる、火澄どころか、その後ろにいる女王やフォルタニアも優に吹き飛ばし、尚、まだあまる威力だろう。


「私がいるの、忘れないでもらえるかしら?」


 刹那、ヒュンと言う小さな音と共に、シリュウの魔法で作られた、人の身長の何倍もある大きな鉤爪(かきづめ)が見事なまでに綺麗にバラバラになる。


「え、エルルカ・アーレヤスト……この死に損ないがァァ!! ──〝獄龍覇(ごくりゅうは)天塵(てんじん)〟!!」


 シリュウは強力な魔法を使う、いつもの冷静さを忘れて。


 球体の大きな黒い大闇魔法がエルルカ達に迫る。辺り一帯を押し潰さんばかりの黒い常闇(とこやみ)のシリュウの大魔法に対し、逆に心底冷静なエルルカも魔法を使う。


「──〝大炎戒(だいえんかい)永夜緋天空(えいやひてんくう)〟!!」


 シリュウと戦い初めてからは、比べ物にならないぐらいの大魔法だ。常人なら当たれば焼き付くすどころか、骨一つ残らないであろう業火(ごうか)がシリュウの魔法を呑み込み打ち消す。


「貴方の樹も焼いちゃうわね、ごめんなさい」

「気にしなくていいわ。また出せばいいしね」


 シリュウの魔法を打ち消し、尚まだ余力の残るエルルカの魔法の業火がシリュウに命中する。

 今までにない悲鳴にも似た声をあげながら、シリュウが膝をつく。


「エルルカ、まだよ。行きなさい。こっちの守りは火澄に頼むから、こちらを気にせず戦いなさい!」


 エルルカは本気を出してはいたが、女王たちを庇いながら戦っていた。

 シリュウ相手に誰かを庇いながら戦うのは至難の技だ。結果、エルルカですら大怪我を負った。


「……分かったわ」


 エルルカの表情には悔しさも見れる、女王たちを守りながらでも互角近くには持ち込もうと思っていた。

 だが結果は敗北と言っても差し支えないダメージを受けた、フォルタニアやオックボック、そしてヴォロンに回復や時間稼ぎをしてもらわなければ本当に危なかったかもしれない。


 エルルカは刃に魔法を込めると、刀身が潰したトマトのように真っ赤になる。炎属性の魔法だ。刃を構え、刃を振るう、動きを止められたシリュウに刃を当てることなど、今のエルルカには造作もなかった。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


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 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


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