第204話 勧誘
*
ギルドに着くと、エメレアとミリアが先に着いて待っていた。
「クレハ!」
「クレハぁ!」
エメレアとミリアが駆け寄って来る。
そしてそのまま、はぎゅりと二人して抱きつく。
この光景、何度目だろう。
「クレハよかった、もう体調はいいの!?」
「クレハぁ、元気になってよかった!」
「もう、二人共、大げさだよ、ただの風邪だよ?」
「だって、魔王戦争の直後だし……」
「でも、心配してくれてありがとう!」
「「どういたしまして!」」
きゃっきゃ、きゃっきゃ、と嬉しそうなエメレアとミリアは両手を繋いで喜んでいる。
クレハはと言うと、何だかんだ、やっぱ嬉しいのか、少し顔を赤らめながら微笑んでる。
「それとユキマサ、ギルドマスターが探してたわよ。ギルドマスター室に来てくれって」
クレハとの話が一段落し、エメレアが俺に話しかけて来る。
「ロキが?」
「あ、お、おはようございます!」
ミリアが挨拶をしてくるので「ああ、おはよう」とも返しておく。
「ギルドマスターが? 何の用事だろ?」
「さあな、まあ、行ってみれば分かるさ」
「私も行きたいけど、そろそろ騎士隊の方に集まらなきゃ……」
時計を見て、うぅ~と、項垂れるクレハ。
「まあ、ちょっと行って来る」
「うん、何かあったら教えてね」
「了解だ」
そういい俺はその場を後にし、ギルドマスター室へと向かうのだった──
*
コンコンコン。
「──ロキいるか? 入るぞ?」
ギルドマスター室をノックし、俺はギルドマスター室へと入室する。
「やあ、ユキマサさん! 探しましたよ! ご足労願って申し訳ありません。ささ、腰をかけて下さい」
「お邪魔します」
入室するや否や、ロキは「お茶を入れますね」とお茶を煎れに行く
「お前が煎れるのか? フォルタニアはどうした?」
ピクリと一瞬固まるロキ。
ん? 何だ、この反応は?
「その話しは後程……あ、緑茶でいいですか?」
「あ、ああ……」
だが、直ぐにいつもの胡散臭い笑顔に戻ったロキは、一瞬だけ固まった手を動かす。
*
「──それで? 俺に何のようだ?」
ロキの煎れてくれたお茶をすすりながら、俺は本題へと移る。
「あ、はい、それなのですが、ユキマサさん、王国魔導士団に入りませんか?」
「は……? 何だ急に?」
──王国魔導士団。
世界にたった6人しかいない〝中央連合王国アルカディア〟の人類最高峰の戦力。通称、六魔導士。
「どうでしょう?」
「六魔導士にか?」
「はい、もしユキマサさんが入ってくれるなら七魔導士になりますね」
「ミリアが言ってたな? 確か六魔導士は6人の上限で集められた組織では無く、王国魔導士団にふさわしい人物が6人いたから六魔導士だと」
「ええ、そんなふさわしい人が例えば2人しかいなければ二魔導士になりますし、極端な話し、ふさわしい人物が仮に100人いれば百魔導士何てこともあり得ますよ?」
と、ズズっと茶をすすりながら、ロキは胡散臭い笑顔のまま、そう返事を返してくるのだった──。
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