表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/859

第195話 炊き出し3



「──おい、フィップどうした?」

「ユキマサか、魔王を倒したのはお前らしいな、心から礼を言わせてくれ」


「いいから頭あげろよ? つーか、ロキには何で謝ってんだ?」

「あたし達が魔王戦争が始まったら真っ先に逃げたからさ、理由はあるが、それでも逃げたことに変わりはない」


 そう話すフィップは頭を下げたままだ。


「アリス王女とレヴィニア様はご無事ですか?」


 ロキが聞く。


「無事だ、今は老いぼれ小僧が側にいる」


「なら、いいじゃねぇか、よかったな無事で」

「ユキマサ、お前、本当に呑気だな」


「よく言われる、てか、いい加減頭あげな。ロキも困ってるぜ?」


 そこでようやくフィップは頭をあげる。


 と、その時だ。


「──フィップ! 何処にいるのですか!」

「お嬢様、お待ちくだされ!」

「アリス様!」

「アリスお嬢様!」


 アリスとジャン、それと兵士達がズララっと入ってくる。


「む、ユキマサなのです」

「よう、アリス、豚汁食うか?」


「豚汁? 何なのですそれは? 辛いのですか?」

「いや、辛くは無いな。まあ七味唐辛子とかあれば辛くなるけど、今はないしな?」


「七味唐辛子! 七味唐辛子とはどんな唐辛子なのですか!」


 唐辛子と聞いて目ざとくアリスはキラリと目を輝かせる。


「七味唐辛子は唐辛子をベースに薬味や香辛料を調合した物だよ、そんなに辛くはないぞ?」

「ふむふむ、今度それを持ってくるのです」


「気が向いたらな」

「でも、せっかくなので食べてくのです」


「はいよ、ちょっと待ってな」


 と、俺が豚汁を取りに行こうとすると、


「アリスお嬢様、こちら炊き出しの豚汁とやらでございます。魔王の出現以降何も口にしてらっしゃらない様子でしたので、よければお召し上がりください」


 いつの間にか兵士の一人が豚汁を持ってくる。


 つーか、よく見てみたらコイツ見覚えがあるぞ? 初めてあった時に隊の指揮を取ってて、エルルカの告白の返事を待つって言ってた時に、コンニャクの返事だとか意味の分からないことを言っていた、髭コンニャク指揮官じゃねぇか!


 そんなことを考えていると、


「ユキマサ!!」


 ふわりと長い薄ピンクの髪の良い香りをさせ、レヴィニアが俺に抱きついてくる。


「レヴィニアか、お前も無事みたいでよかった」

「魔王が倒されたと聞いて真っ先に貴方が浮かんだわ」


「それは喜んでいいのか?」

「もちろんよ!」


「また美少女……」


 ジトリと理沙に睨まれる。


「まあ、お前も炊き出し食ってけよ、沢山作ったからよ」

「あなた、料理もできるの?」


「一般的な物だけどな、多少はできるぞ?」

「そうなのね、スゴいわ!」


「レヴィニア様、豚汁をお持ちしました」

「イルザ、ありがとう! アリス、貴方も一緒に食べましょ?」


「一緒にも何も私はお前を待っていたのです」

「ふふ、アリスらしいわね、ありがとう」


 そして二人は仲良く豚汁を食べる。

 アリスに至っては持参した唐辛子をプカプカと浮かべている。


 と、そこにだ。


 ひょこっと顔を出す人物がいる。


「久しぶりだね、アリスちゃん王女様」

「む、だ、大聖女なのです!?」


 今まで気配を消してたノアが急に姿を現したので、目を見開いてアリスは驚いてる。


「わ、私はお前に会った覚えはないのですよ」

「あー、アリスちゃんとはこっちの姿のがいいかな」


 そういうと白かったノアの髪が、魔法少女の変身みたいに紫色に変わっていく。


「し、()()!?」

「うんうん、正解、今は白フードじゃないけどね?」


 その後も炊き出しは続き、すっかり日が落ち、夜になっていた。


 *


「じゃあ、ユキマサ、また明日ね」

「ああ、じゃあまたな、てか宿あるんだな」


「うん、おじーちゃんの家」


「俺も明日はそこに顔出すようになりそうだな」


 久しぶりの婆ちゃんに会うのも楽しみだ。


 と、理沙と糞爺を見送った後。


「私たちも帰ろっか」


 クレハが言う。


「そうだな」


 そう言い、俺とクレハは帰宅を急ぐ。



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ