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第190話 過去編・花蓮ノ子守唄21



 *


「ユキマサ、私と付き合って!」


 突然な言葉だった。


「いいけど、何処にだ?」


「ば、バカ! 男女交際に決まってるじゃない」


 だ、男女交際!?


「告られたのよ……学校で。それで言っちゃったの、ユキマサと付き合ってるって……」

「なるほど、それで俺に彼氏の振りをしろと?」


「うん……」

「別に構わないが、具体的に何すりゃいいんだ?」


「えーと、今度の日曜日に私とデートしよ!」


 *


 そうして向かえた日曜日──


「映画か、定番て言っちゃ定番だが、久しぶりだな? 何見る?」

「デートだから恋愛系がいいかな? ユキマサは?」


「今は特にこれと言って見たい映画は無いから任せるぞ? 恋愛系でも大歓迎だ」

「ホント? じゃあチケット買ってくるね」


「あ、おい、待て」

「何、どうしたの?」


「俺が買う。彼女に映画のチケット買わせるバカが何処にいる」

「そ、そっか/// か、彼女……じゃあ、お願い」


 顔を真っ赤にした理沙は少し下を向き、俺の発言を承諾する。つーか、彼氏のフリにしては最初からガバ過ぎやしないか?


「ほれ、真ん中付近が取れたぞ。ラッキーだったな」

「ありがと」


「何か適当に飲み物とポップコーンでも買うか? こういうのはザ・定番でいいだろ? 飲み物は何がいい?」

「えっと、じゃあ私はメロンソーダがいいかな」


「あいよ、俺もそれにするかな?」


 と、俺はメロンソーダを2つとポップコーンを1つ買い、理沙と映画を見る。


 *


 映画は思いの外、面白かった。


「ありふれた恋愛ものだと思ってたが、面白かったな」

「うん、まさか主人公とヒロインの中身が入れ替わるとはね」


「何か、そういうの流行ってるらしいが、面白けりゃいいか、次は飯にしようぜ?」

「あら、エスコートしてくれるの?」


「エスコートまではかは分からないが、少しはコジャレた店ぐらいには連れてってやるよ」

「何かユキマサ手慣れてる?」


「なわけ、デートなんて振りでも初めてだ」

「ふーん、ならいいけど」


 その後、俺と理沙は近くのパスタ屋に入り、食事を取った。その店はカップルが多くデートスポットとして人気なのだろう。理沙も満足そうだった。


「意外、ユキマサのことだから和食だと思ってた」

「お前な……俺を何だと思ってる?」


「え? 和食バカ?」

「お前は和食に謝れ」


「まあ、デートに和食はあまり聞かないか、……って、ユキマサが頼んだの和風パスタじゃない!」

(ふう)だ風、パスタなのは変わり無い」


「そうだけどさ……」

「さて、話しは変わるが付けられてるな」


 ド素人丸出しだが、映画館、パスタ屋に入店してから3人組が後を付けてきていて、時折こちらを監視するような視線を向けてきている。


「え? 嘘!?」

「お前は今度牧野に警戒心を高めてもらえ、店を出たら接触するぞ、九分九厘お前に告白した奴だろう」


 そうして、店を出ると案の定、その3人組が後を付いてくる。


「──何か用か?」


「「「!?」」」


 男が2人、女が1人の3人組はサッと現れた俺に驚きを見せる。


「ひ、稗月倖真(ひえづきゆきまさ)!!」


 三人組の内の一人の女性が声をあげる。

 他二人も声には出さないが、俺を知ったような態度を取る。


「名のならなくてもよさそうだな?」


「お、お前が花蓮さんの彼氏か!」


 ひょろっとした三人組の一人の男が俺を指差す。


「ああ、今はな」


 短く俺は極力嘘の無いように話す。


「ちょっと、はすりー困ってるでしょ」


 三人組の三編み眼鏡の女が話しに割ってはいる。

 理沙を()()()()と呼び、間にはいる少女はどちらかと言うと理沙の味方のようだ。


「だってよ……花蓮さんコイツのこと好きなのか?」

「……う、うん、好きだよ/// ユキマサのこと、昔から///」


 顔を真っ赤にした理沙が迫真の演技をする。


「と、とにかく私、彼氏いるから! ごめんね! ユキマサ、行こ!」


 慌てるように理沙は俺の手を引っ張り、その場を後にする。


「──おい、理沙、よかったのか? もう少し話さないで?」

「い、いいのよ! あれくらいで……///」


「ったく、まだ続けるか? それなら買い物にでも行こうぜ?」

「うん、行く!」


「よし、決まりだ。行くぞ──」


 *


「──ちょっと買いすぎたか?」


 俺と理沙はデパートで色んなものを買っていた。

 まあ、でも、その大半は孤児院の食品だ。


「何か楽しくて……つい……」

「まあ、つい買っちまうよな?」


「あ、これも買おう、安いよ!」


 と、ベーコンの塊を手に取る理沙。


「つーか、デートなのかこれ? 普通に買い出しだろ?」

「まあ、私は楽しいからいいんだけど……どちらかと言うと、夫婦みたいだし……///」


そんなことを言い、顔を赤らめる理沙。


 てか、夫婦って……

 まあ、彼氏のフリとしては正解なのか?


 その後、念の為と10日間彼氏の振りをし、その1週間後に俺はアルテナに異世界召喚されるのだった──




 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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