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第159話 魔王戦争ガリアペスト編14「駕楽」



 ──大都市エルクステン 大砦の門──


「魔族と戦うのは初めてじゃないけど、やっぱり強いね。文字通り桁違いだ」


 つー、と額から血を流し、六魔導士──パンプキック・ジャックが呟く。


 その後ろには肩で息をする──第8騎士隊長システィア、第2騎士隊長リーゼス、拳の拳聖マリア・アートハイムの姿がある。

 この場の主戦力で無傷なのは聖女──ジューリア・クーローだけだ。サポートや周りの魔物の討伐に当たっている第8騎士隊員にも疲労の色が見える。


 対する、魔族は一人。

 駕楽(ガラク)も無傷では無いが、魔族を殺す為に必要な──頭部と心臓部の破壊はどちらも()()()()()()


 だが、パンプキックが加わってからは、それまで余裕を見せていた駕楽(ガラク)が余裕を失ったように見えた──


 *


 ──大都市エルクステン・壁外──


「クソッ、本っ当にキリがねぇな! 何なんだこの魔物の数は!? バーゲンじゃねぇんだぞ!」


 倒しても倒しても、わんさかと出てくる魔物に俺を頭を抱える。

 事の発端は、魔族である奴孔楼(ドクロウ)の〝座標石〟なる物で、街の外の遥か上空へと飛ばされ、その落下最中に発見したバカみたいな数の魔物の大群の中を、俺は今、月夜()を持ち、斬り進んでいる。


 ……のだが、これが斬って、蹴って、射ったりしても全然減らない。少しずつ魔物の大群が街に近づいてるまである。


 〝アイテムストレージ〟を使い、剣と2丁の魔力銃を使い分けて戦う──

 大群の中にいる魔物も様々だ。ワイバーンにミノタウロス、鎧骸骨に蛇熊、それとさっきケルベロスみたいな三首の魔物を倒したら、次の瞬間、その下に潜んでいた、角のある髑髏(ドクロ)から生えた大きな蛇の大群が襲ってきたりもした。


(こんな所で足止め食ってる場合じゃない、だが、この数の魔物の大群を放置ってのもできないしな)

 

 と、そんな時、魔物の大群の中から、一際(ひときわ)でかい()()魔物を見つける。


 ……いや、正確にはコイツは()()だったか?

 

 ()()の首を持つ、そいつはヒュドラだ。


「これが()()()か? 確かにクレハの言っていた通りだな」


 俺は剣を逆手に構え──


 ギュンッ! と、ヒュドラを螺旋状(らせんじょう)に斬り付ける!


(流石に変異種(ヴァルタリス)と比べるとかなり()()な)


 ヒュドラの首を全て切り落とすと──


 ──バリバリバリ、バーン!!


 と、いつもながらゲームの如くラグが走り、ヒュドラが消える。


 さっきからアイテムドロップもしてるが、拾ってる暇は無いな。勿体ない気もするが、今は先を急ごう。


 その後も俺は魔物を倒して行く。


 そこには異世界特有の見たことない魔物や、元いた世界で漫画なんかでよく出てくる魔物も多くいた。


 *


「──やっと、終わったか!」


 俺は魔物を倒しきる。

 100や200じゃない、正確に数えてないが1000近くの魔物がいた。


 次に俺は街に戻ろうとするが……


「てかここ、大砦の門じゃねぇかっ!」


 普通に振り出しじゃねぇか! つーか、飛ばされた場所、振り出しより前じゃん! これがもしすごろくなら『魔族に座標石で飛ばされた。()()()()()()()に戻る!』だぞ? ──なんつー、クソゲーだ!


 ──!?


(んなこと言ってる場合じゃなさそうだな)


 門の中からは激しく戦う音が聞こえる。

 急ぎ門の中に向かう──てか、転がってる魔王城の残骸が邪魔だな。


「て、え? ユキマサ? 何でそんな所から。」


 いち早く俺に気づいたのはパンプキックだ。

 流石は六魔導士だな。


「ユキマサ君!!」

「ユキマサか!?」

「おやまあ」

「こっちは助かったわい」

「あれが噂の……」


 続いて、クレハ、システィアに……えーと、クレハの婆さん? と、リーゼスと修道服の金髪美女がいる。


「あー、簡単に言えば座標石で飛ばされてな。振り出しより前に戻された、悪いな」


 次の瞬間──


 ──ガッ


 俺は足で魔族の攻撃を止める。


「話の最中だが、待ってはくれねぇか。確か〝魔王信仰〟の奴が言ってた話だとお前が駕楽(ガラク)だな?」


 この巨大(カブト)の槍魔族からの返事は無い。


 その魔族の動きが止まった一瞬の出来事だ。


「ナイス、ユキマサ!」


 そう言葉にし、パンプキックが動く。

 その手には()のような物が渦巻いている。


「〝霧桜村雨(キリザクラムラサメ)〟!」


 ザクリと駕楽(ガラク)の心臓部を抉る。


「うぐっ!?」


 駕楽(ガラク)からは呻き声があがる。


 すかさず俺は駕楽(ガラク)の頭部を目掛け──〝アイテムストレージ〟から取り出した月夜()で斬りかかる!


 だが、刹那の瞬間、駕楽(ガラク)のが早かった。

 俺の剣が当たる瞬間、頭部を魔力で守りながら、避ける動作を見せた。


 かすりはしたが、破壊するまではいかない。

 でかい頭の兜にヒビが入りながらも、まだ駕楽(ガラク)は健在だ。


「いえ、終わりです。この瞬間を私は魔力を極限まで貯めて信じて待っておりました!」


 そう言いながら、ドバン! っと、ヒビの入る兜に魔力を纏った戦斧(せんぷ)を叩き込むのは修道服の金髪美女だ。


「バカな……」


 バリバリ、バーン!

 お馴染みのそんな音を立てながら駕楽(ガラク)が消える。


 そして魔族を倒した証である〝魔力核〟をドロップアイテムのように残す。


 ……つーか、毎回ながら、あれだけ苦労する敵なのに、あっけない最後だと思う。


 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!

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