第141話 神託
「──大聖女!?」
「ホント、貴方、何で知らないのよ!」
俺はエメレアに怒られる。
つーか、俺の前の予想あってたじゃん……
大聖女は銀髪って聞いてたから、最初見た時の紫の髪が地毛だと思って、違うって判断したやつだ。
(うーん、恐るべし……魔法……)
──バッ
気づくと、クレハ達3人は立ち上がりノアに頭を下げている。
「知らずとはいえ、大変失礼しました」
3人を代表し、クレハが口を開く。
「あ、いいよいいよ、そういうの。私も畏まられ過ぎるのは好きじゃないんだ。ユキマサ君みたいに、普通に話してくれると嬉しいな♪」
―ステータス―
【名前】 ノア・フォールトューナ
【種族】 人間
【性別】 女
【レベル】100↑
【年齢】 17
すると、ノアは指をスライドした後、それぞれに指を弾くような動作をし、俺を含めた4人に自身の〝ステータス画面〟を見せてくる。
「「「……!!」」」
俺はこないだ見たから、あまり驚かないが……
三人は息を呑むように緊張しながら驚いている。
「それとも、こないだユキマサ君みたいに何か渾名でも付けてみる? 何が良いかな?」
「このバカは大聖女様に何で渾名なんて付けてるのよ!」
またもや俺はエメレアに怒られる。
そう言われてもな……
「ふふ、白娘って呼ばれたよ♪ そんな呼ばれ方は初めてだから新鮮だったな♪ あ、新しく私の事はトューナちゃんとかどうかな? 渾名っぽいでしょ?」
クスクスと笑うノアは何故か、渾名呼びが随分とお気に召したらしい。
「……できれば、大聖女様──もしくは御尊名で呼ばせてほしいのですが」
「うーん、じゃあ、お互いさん付けにしようか! 私は呼び捨てはあんまりしないんだ。深い理由は無いけどね。てことで、私もクレハさんって呼ぶね♪ 後エメレアさんとミリアちゃん♪」
どうやら、ミリアはちゃんらしい。
まあ、そっちのが確かにしっくりくるな。
「わ、分かりました」
「私もです」
「ひゃ、ひゃいっ」
クレハ、エメレア、ミリアは、それぞれ頷きながら、ノアに返事を返す。
「それで、俺に伝えたいことって何だ?」
──ゴス……
エメレアに蹴られた。なんなんだよ?
「貴方、まだ目の前の人物が誰なのか分かってないの!? 一周して、最早天才よ? バカの天才」
最後の一言が余計だ……
何だよ、バカの天才って……
文字だけみるとパッと見、矛盾しかない。
「あはは、ユキマサ君はいつも通り話してくれればいいよ♪ 今更ユキマサ君に敬語使われても変だしね」
と、フォローも入ると、エメレアは「大聖……ノアさんがそれでいいなら……」と、渋々引き下がる。
自己紹介も程々に、次に俺はノアに本題を聞く。
「で、エメレアに遮られたが、用ってなんだ?」
「うん、それなんだけどね、明日はユキマサ君に絶対に、この〝大都市エルクステン〟に居て欲しいんだ」
「別に構わないが、何故だ? 理由は聞いてもいいのか?」
「──アルテナ様の事は知ってるよね?」
「ん? ああ、神様の事だろ? 知ってる」
知ってるも何も、そのアルテナに呼ばれて、
俺は今この世界に居るわけだからな。
「私ね、時々未来の夢を見るの──予知夢ってやつかな? 〝聖教会〟では〝神託〟って呼ばれてるけどね。ユキマサ君の名前を最初に知ったのも、その夢でだよ」
それでか……!? やっと、初対面でノアに、クレハ以外には伝えても公開してもいない筈の、俺の本名を当てられた理由が分かったぞ。
「──ッ……その夢でアルテナに会ったのか?」
「会ったり、会わなかったりかな? ユキマサ君の事の時は、夢で会って聞いたよ♪ 銀髪で優しくて、凄く美人な方だよね」
神託──夢で会ってか……これまた凄い話だな。
「性格はポワポワしてたな? それで何を見たんだ? てか、今回はアルテナには会ったのか?」
そんな質問する俺をエメレアとミリアは唖然と見ている。
クレハだけはじっと黙って話を聞いている。
「今回は会ってないかな。毎回会えるものでも、いくら神託とは言え、全てを思いどおりに分かる訳でもないみたい。今回私が見たのは赤い石と黒い山──」
毎回で無くとも、見れるだけで凄いと思うけどな。
にしても、赤い石と黒い山か……
何とも予言チックな言葉じゃねぇか。
「嫌な予感がするの、だからユキマサ君にも明日はこの都市にいて貰いたいの──私の方でも〝中央連合王国アルカディア〟から〝六魔導士〟を明日に向けて、1人呼んでもらってる、大事無ければいいけど、念の為ね。それに偶然か必然か、明日はあの日だから──」
「あの日?」
含みのある言い方に俺は聞き返す。
「それも伝えなきゃだね、ユキマサ君、この世界で明日はね、66日ごとに訪れる魔王が変わる日だよ──」
★★★★★★作者からのお願い★★★★★★
作品を読んで下さり本当にありがとうございます!
・面白い
・続きが気になる
・異世界が好きだ
などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!
(また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)
★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!
長々と失礼しました!
何卒よろしくお願いします!




