表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/859

第133話 魔族6



「……それはこっちの台詞だ。何でこんな所にいんだよ、ユキマサ──?」


 驚いた顔でフィップが俺に返事を返して来る。

 そして、頭部が割れ、心臓を貫いたアルケラが……


 ──バリバリ、バーン!!


 魔物を倒した時と同じく、

 全身にゲームのようなラグが走り、消えていく。


「は……!? 魔族も死ぬと消えるのか?」


 俺は予想外の出来事に、フィップの質問そっちのけで、思ったことを口に出してしまう。


「あたりめーだ、何で知らねぇんだよ?」

(つい)でに教えてくれ、これは何だ? 魔力結晶にしては大分小さいみたいだが……」


 呆れ気味のフィップに俺は、アルケラが消えた後に落ちてきた、トランプのダイヤのマークのような菱形(ひしがた)の結晶を手に取り、質問する。


 色は()()で、サイズは小さい。

 親指と人差し指で普通に持てる、5cmぐらいだ。


 魔物が落とす〝魔力結晶〟に似ているが、それとも違うみたいだ。


「〝魔族〟を倒したら残る〝魔力核(まりょくかく)〟だ。ギルドにでも、聖教会にでも持ってきな。魔族を倒した証拠になる」

「なるほどな。つーか〝魔族〟ってのはどれぐらいいるんだ?」


「…………お前、マジで言ってんのか?」


 最早フィップは、俺の知識の無さにドン引きだ。


 チラリと俺の後ろにいるクレハを見ると、うんうんと頷いてくれている。


「正確には残り8人だ──〝7年前の魔王戦争〟で〝魔王ユガリガ軍〟の魔族3人が、魔王ユガリガと一緒に倒されたからな、それで今お前が倒したのが〝魔王イヴリス軍〟の魔族だ」


 ドン引きしつつも、フィップは説明してくれた。


「助かる……」

「あ、後ね〝魔族〟は、各魔王軍に3人ずついるよ」


 ここでクレハの補足が入る、ありがたい。


「それにあたしがアルケラに会った時点で、瀕死だったが、やったのはお前だな?」

「ああ、最後の最後で逃がしちまってな。フィップが足止めしてくれて助かった、礼を言う」


「足止め何て大層な事でもなかったけどな? それとお前──〝イリス皇国〟の連中を見てないか?」


 大鎌を左肩に掛けながら、フィップが真剣な目と口調で聞いてくる。


「イリス皇国? ドレスのお姫様──レヴィニアとイルザになら、ついさっきあったぞ。つーか、最初にアルケラに追われてたのはそいつらだ。今お前は『連中』って言ってたが、俺はその二人しか見てないぞ」


 俺は隠すこと無く、フィップに話す。

 変に警戒する相手じゃないしな。


「なんだと!? バカ、それを早く言え! 王女達はどこだ!? 生きてんだろうな!?」


 声を荒らげ、フィップは俺を見る。


「イルザの方は怪我が酷かったから治療して、その後、イルザはレヴィニアを連れて〝大都市エルクステン〟に向かった──それで俺とクレハはアルケラを追って来たら、お前がアルケラと戦ってて、クレハの〝瞬間移動〟でアルケラの背後に移動して、心臓を(つらぬ)いてトドメを刺したんだよ。これが大まかな経緯だ」


一先(ひとま)ず、王女とイルザは無事みたいだな。それにそこの女は、こないだギルドで、あのエルルカ相手に言い合ってた奴だな?」


 チラリとフィップはクレハを見る。


「あ、えーと、その節はすいません。クレハ・アートハイムと申します。よろしくお願いします」


 少し顔を赤らめながら、クレハが頭を下げる。


「クレハ、覚えとくよ。あたしの事はフィップって呼んでくれ。それとユキマサ、あたしは〝大都市エルクステン〟に戻るぞ? お前達はどうする?」


 クレハと軽く自己紹介を交わし、フィップが俺に問いかけてくる。


「俺達も戻る、元々は俺達は軽い散歩のつもりだったんだがな。どうやら、思った以上に大事(おおごと)になってるみたいだし、ロキにこれも渡したいしな──」


 と、俺はアルケラからドロップ(?)した……というか、残した〝魔力核〟に目を落とす。


「なら、一緒に行くぞ、お嬢も心配するしな」

「お嬢……ああ、アリスか」


「他に誰がいんだよ?」


 こう見えて、アリス、大・大好きのフィップは、こんな会話でもアリスの事になると睨んでくるので「悪かった、悪かった。ほら、行くぞ?」と──俺は適当に話を流し、クレハと、そしてフィップと共に、急ぎ足で〝大都市エルクステン〟へ戻るのだった。

 



 ★★★★★★作者からのお願い★★★★★★


 作品を読んで下さり本当にありがとうございます!


・面白い

・続きが気になる

・異世界が好きだ


 などと少しでも思って下さった方は、画面下の☆☆☆☆☆から評価やブックマークを下さると凄く嬉しいです!

 (また、既に評価、ブックマーク、感想をいただいてる皆様、本当にありがとうございます! 大変、励みになっております!)


 ★5つだと泣いて喜びますが、勿論感じた評価で大丈夫です!


 長々と失礼しました!

 何卒よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ