ポーカー
「ポーカーするにしても、もしかしてあのトランプ使うの?」
あのトランプとは、裏面に細工のあるやつのことだろう。
「あんなの使ったら勝負にならないじゃない。」
「もちろんそのことについては考えている。」
「おっさん、あんたの名前は?」俺は黒服に聞いた。
「立花だ」
「立花さん、今から本郷とポーカーをするんだが少しルールを変更しようと思っている。それに協力してくれ。」
俺が提案したルールはこうだ。立花をカードを配る役にする。カードの配り方も両面とも見えないように手渡しするというものだ。俺が話を終えると本郷は不満そうにこう言った。
「あんたが立花とかいうおっさんとグルの可能性があるじゃない」
「そんなことは絶対にありえない。俺はどちらかに肩入れすることはない。そこは安心してもらって構わない。」
その言葉を聞いた本郷は少し安心したのか、「ならいいわ」とだけ言った。
そしていよいよ本郷との勝負が始まった。カードは慎重に立花が5枚ずつ手渡した。
「オールイン」
俺の言葉に本郷は明らかに動揺していた。オールインとはつまり、俺の所持金300万をすべて賭けるということだ。
「いきなりオールインってあんたまさかイカサマしてるんじゃないの?だって一度でも負けたら
高校生活私の奴隷になるのよ。」
「ビビりすぎだぜ本郷、お前そんな臆病だったか?イカサマなんてできるわけがないだろう。」
「降りるわ」本郷はそう言い俺は下限の10万勝った。
次のラウンドも俺はオールインした。またしても本郷は降りた。次のラウンドも今と同じだった。俺はもうすでに30万獲得している。
「やっぱりおかしいわ。何で3回連続でオールインするのよ、イカサマしてるでしょ」
本郷は柄にもなく取り乱たがすぐに冷静さを取り戻した。
次のラウンド、立花が俺に交換したカード手渡してそれを確認したその時だった。誰かが俺にぶつかり、俺はカードを机に落としてしまった。ぶつかってきたやつというのは佐々木だった。
その後佐々木はこう言った。
「やっぱり僕は本郷さんを裏切れません。すみません」そして佐々木は走って教室を出て行った。
「ほら、私の言う通り。佐々木を使って私に何かしようとしてたんじゃない。それより藪崎カードが裏面みえてるけど。」
本郷に言われて俺は慌てて回収した。
「おい立花さん、この勝負は無効だ。だってそうだろ、俺は今佐々木にぶつかって落としたんだ。」
「何を言っているんだ。お前が見られたのはカードの裏面だろ?表面を見られたわけじゃない。裏面なら見られても問題ないはずだが、もしかしてお前は裏面に仕掛けがあるトランプを使っているのか?そうなると、この勝負を挑んだお前がイカサマをしているとして制裁をくらうことになるぞ。」
立花はわざとらしく言った。恐らく最初からすべて知っている上で今のようなことを言ったのだろう。この男本当に性格の悪い男だ。
「だが、裏面を見せないように配るというルールだろ。」俺は反論した。
「そうだが、裏面を見られたらやり直すというルールもなかったはずだが?」俺は反論するのを諦めた。
「お話は終わったかしら?じゃあそろそろ始めましょうか。安心して、ちなみにあんたの手札の裏面なんて見てないから。」
本郷はいつにもなく、楽しそうだった。
「オールインする」俺はそう言った。
「あんたバカなのね。あんたの手札見てないってのは嘘よ。はっきりと見ちゃったわ。」
「コール」本郷は俺と同じ300万を賭けた。
その後本郷が自身の手札をオープンさせた。その手札は2と3のツーペアだった。
「さっさとあんたもめくりなさいよ。もしかして10のワンペアだったりして。はははは…」
俺は自分の手札をめくった。
「10のスリーカード?………何でえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
「どうした本郷、めちゃめちゃ不細工な顔になってるぞ。」
「330万勝ったし俺はこの辺で勝負を降りるよ。今度はお前が負け犬だな本郷。」
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次回種明かしです。ポーカーばかりになってますが、次からはオリジナルギャンブルを出しますので、よろしくお願いします。