表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイスクール・ギャンブル  作者: アタリ・ツキ
4/29

勝敗

「こんなのイカサマだ。この勝負は無効だ。」

無効になるとは思はないが。とりあえずそう言って佐々木の様子を伺ってみる。


「イカサマは証明できなければイカサマにはならないと最初の説明で言ってました。」


 やはり覚えていやがったか。じゃあ考えるかこのイカサマの正体を。


「藪崎が負けたぞ。なんだよ勝つ雰囲気出しといて結局負けるのかよ。」

うるさい奴らだな。すぐ騒ぎやがって


「俺はまだ負けていない。お前らよく見とけ。俺が勝つ瞬間を」

 そうだ。まだ負けていない。俺は佐々木のイカサマさえ見つければいいんだ。その前に一つ気になることがあったのでそれを黒服に聞いてみた。それは、「勝負が終わってからのイカサマ発覚はどうなるのか」ということだ。その答えは簡単で「イカサマにはならない」だそうだ。つまり本郷が佐々木に仕掛けたイカサマはもう無効になっているということになる。

 ということは俺はこの勝負が終わる前に佐々木のイカサマを見つけなければならない。


 トランプを配っていたのは佐々木だから、隙があれば自分に有利な手札を配ることが出来る。最後の勝負の時俺は後ろ向いて話していた。十中八九その時を狙ったのだろう。


 いや待て、そもそも何であの時のロイヤルストレートフラッシュは、裏面の数字と表面の数字が違うんだ?

 俺が見たのは間違いなく9のワンペアだった。なのに佐々木の手札はロイヤルストレートフラッシュ。

俺は13通りの数字表記を覚えた。俺が間違えたなんてことはありえない。

 となると考えられる可能性はただ一つ、それは、あの五枚だけ、他とは違う特殊カードになっているということだ。

 しかし、よく考えればこのトランプは本郷が持ってきたものだ。どっちにしろ、、、

 その時、俺は気づいてしまった。2つの重大な事実を


 (佐々木と本郷はグルだ)


 そいえば、後ろを向いて話していた相手は本郷だった。しかも、話しかけてきたのは本郷の方からだった。あの時本郷は、俺が佐々木から目を背けるように仕向けたのか

 つまり、最初に行われた佐々木と本郷の試合は俺の様なトランプの仕掛けに気づいた者を騙す為のブラフ。本郷の言っていた必勝法とはこのことだったのだ。

 恐らくこの作戦を考えたのは本郷で、佐々木は「たくさん稼ぎたければ私とグルになって。」とでも言われてこの作戦に乗ったのだろう。

 本郷は最初からトランプの仕掛けに気づいた者だけを騙すつもりでいたのだ。


「はははははははは」

後ろから甲高い笑い声が聞こえてきた。それは言うまでもなく本郷だった。そして俺に歩み寄ってきた。


「このトラップに引っかかるのがまさか薮崎だとは思わなかったよ。」

「これは中途半端に賢いやつが引っかかる罠。あなたいつも自分のこと天才とか思ってるみたいだけど所詮凡人だったみたいね。」

そう俺の耳元で囁いた。俺は何も言い返すことが出来なっかた。


 そして、俺が気づいたもう一つ重大な事実、それは、このイカサマは証明することが出来ない。ということだ。佐々木と本郷がグルだという証拠もなければ、佐々木は本郷に、酷い仕打ちを受けているように見えるためこんなことは誰も信じてもらえないだろう。

 しかも、このことを報告してしまえば、俺がトランプの仕掛けに気づきながらも佐々木とポーカーしていたことになる。それはつまり、俺が佐々木にイカサマを仕掛けていたということを自分から話してしまうということだ。

 イカサマに気づいているにもかかわらず、それを証明することが出来ない。

 俺はまんまと本郷の罠にかかり、なすすべなく負けたのだ。

 

 

読んでいただきありがとうございます。一週間に一話くらいのペースで投稿します。

ブックマークや★★★★★もモチベーションが上がるので是非お願いします。

ご感想も聞いてみたいのでこちらも是非お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ