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ハイスクール・ギャンブル  作者: アタリ・ツキ
3/29

トラップ

 本郷と佐々木のポーカー勝負、本郷が佐々木から100万を勝ち取り幕は閉じた。

 佐々木は先程までうずくまっていたが冷静さを取り戻したのか、自分の席に戻った。いや、恐らくあの顔は冷静になったのではなく絶望しているだけだろう。

 だがこの勝負、イカサマにさえ気づけば佐々木にも勝ち目はあった。

 本郷のトランプには仕掛けがあった。数字によって、トランプの裏面の模様が絶妙に違うのだ。

 しかしこんなの最初からイカサマを疑っていたとしても気づきずらい。しかも、この仕掛けに気づいたとしても、どの数字がどの模様だったのかを記憶しなければならない。俺は何度か見ているうちに気づいたが、佐々木に気づけるとは思えない。だが本郷は必勝法と言っていたが大した事のないイカサマだったな。


「黒服さん。イカサマに気づいて証明出来ればどうなるんだっけ?」


 俺は黒服に聞いてみた。本郷は少し不満げな顔をしていた。


「証明出来た場合はイカサマを仕掛けた者の賭け額全てをイカサマを仕掛けられた者に譲られる。」


 ということは、俺が佐々木にこのことを伝えたら佐々木の負け額を取り戻せるわけか。佐々木も気の毒だし少し手を貸してやるか。

 いや待てよ。俺は今、物凄い事を思いついたぞ。


「佐々木、俺が勝負してやるよ。」

 そう、俺が思いついた作戦とはイカサマトランプを使い、佐々木から金を奪い取るという作戦だ。


「本郷、トランプ貸してくれ。俺は今トランプを持っていないからな。」

 本郷は先程よりも不満げな顔をしたが、渋々俺に渡した。


「ポーカーでいいよね?」俺が聞くと佐々木は無表情のまま頷いた。

 本郷がイカサマをしているのではないのかと言ってきたので、トランプは佐々木に配らせることになった。佐々木がトランプを配り終えた。いよいよ俺の初ギャンブルが開始される。

 

 俺は佐々木の手札がわっかているから、焦る必要もない。本郷の時と同じように佐々木が高額レイズした時俺の手札が佐々木のより強ければコールすればいい。少し長引いてしまうがこれが一番正確だ。

 最初の方はやはり大きな賭けにはでないらしい。お互い10万、20万の勝負を繰り返していると、後ろから


「いつまでつまんないことしてるのよ。早く終わらせなさいよ。」という本郷の声が聞こえた。


「お前だって同じようなものだっただろ。ていうか別に見てなくたっていいだろ。」


「何か面白いことが起きるかもしれないでしょ。だからさっさとして」

これだから自己中お嬢様は嫌いだ。何もかも自分の思い通りいかないと気が済まない。こういうやつは無視しておこう。

 そうこうしているうちにトランプを配り終えていた佐々木が勝負にでた。


「200万賭けます」


 来た!これはブラフベット。恐らく本郷との勝負で負けたのを取り戻すための100万と自分への100万で200万にしたのだろう。だが佐々木の手札は9のワンペア。対して俺はスリーカード。いける。


「コール、俺も200万賭ける」

気の毒だが佐々木はこの勝負で200万負け、そして負債額は300万になる。まあ正直俺には関係のないことだが。さっさと終わらせるか

 俺は自分の手札をめくった。


「さあ、佐々木も早く見せろ」

いつももように頷く。そしてトランプをめくる

 これで俺の200万勝ち、そのはずだった。佐々木の手札はロイヤルストレートフラッシュだった。


え??  何が起きているのかわからず、一瞬思考が停止した。ロイヤルストレートフラッシュが出る確率なんてのは約65万分のい1、そんなの出るはずがない。間違いなくイカサマをしている。それさえ見つければ賭け額は俺のものになる。

 佐々木を少しあなっどていたようだ。だがまだ負けていない。ここからが本当の勝負だ。 

読んでいただきありがとうございます。ブックマークや★★★★★もあると、とても嬉しいのでそちらの方も是非お願いします。

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