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ハイスクール・ギャンブル  作者: アタリ・ツキ
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最初のギャンブル

 昨日の一連の出来事は当然のこながらニュースになっていて、さらに、このギャンブル大会のようなものは全国の中で、ランダムに選ばれた高校で行われているらしい。映画みたいな事が、現実にも起きたようだ。でもまあ俺にとっては最高のことだ。今日から俺の刺激的な日々が始まる。


 教室に入るとクラスのみんなは既にそろっていた。これはいつものことだったが、一つちがうことがあった。それは、全員が自分の椅子に着席していた。やはりみんな緊張しているのだろう。すると後ろの席のやつが話しかけてきた。


「ねえ、薮崎はなんか準備してきた?」


 こいつは確か、「本郷切子」大手旅行会社社長の一人娘だ。中々の美人で女子カーストのトップの女で、性格に少し難があるやつだ。


「いや何も準備してない。今日は様子見だ。そういう本郷はなにか作戦でもあるのか?」


「ええ。とっておきの必勝法があるの。楽しみにしてて。」


 本郷がその言葉を放ったと同時に教室に昨日の黒服が入ってきた。みんなの緊張感がさらに増した気がした。すると昨日の黒服以外にも別の黒服が何人も入ってきた。黒服たちは俺たちの机に何か置いていった。それを見た者たちはさらに顔が強張っていった。すぐに俺のところにも届いた。それは「お金」だった。500万位の札束だ。


「今からこの金を使ってギャンブルをしてもらう。お互いの同意があればどんなギャンブルでも構わない。さあ、ギャンブルを始めよう。」


昨日の黒服がでかい声で言った。


 だが、みんな動こうとしない。この学校の生徒は金持ちの子供たちが多く、500万位何とも思ってないやつ等ばかりだろうが、いざこのお金を使ってギャンブルをするとなるとやはりみんな怖気ずいてしまっていた。十分くらい沈黙が続いた。すると突然後ろの本郷が席を立ちみんなに聞こえるようにこう言った。


「誰か私と勝負しない?」


誰もやろうとする気配がなかったので、俺が名乗り出ようとした時「僕やります。」という声がした。

声の主は佐々木だった。佐々木はいつも教室で一人でいるようなタイプで目立つことが嫌いなイメージだった。そんな佐々木が本郷の勝負を買ったのだ。これは面白い戦いになりそうだった。


「じゃああんたでいいよ。」本郷は特におどろいてはいなかった。

「ポーカーでいい?あたしトランプ持ってきたから」と本郷が聞くと佐々木は軽くうなずいた。

使わない2つの机をくっつけてお互いが向かい合い、勝負が始まった。


「面倒くさいからあんたが五枚配って。」

と本郷がいうとシャッフルをして本郷と自分自身に五枚くばった。

 今から二人がするのは一般的なポーカーようで10万スタートだった。

 本郷は必勝法があるといっていたがトランプも佐々木に配らせたし、一体なにをする気なのだろうか。

 佐々木がカードを二枚捨て二枚引いた。


「いいカードを引いたようね。」


「50万賭けます。」本郷の挑発を気にも留めず佐々木はそう言った。


 本郷のターン、本郷は三枚カードを交換した。


「あーダメだ。降りるよ」

どうやら良い手札にならなかったらしく最初の勝負は佐々木が勝ち10万を獲得した。


 その後も勝負は続いていったが特に大きな出来事もなくなんと二人の手元にあるお金の額が500万ずつにもどってしまった。

 中々決まらない勝負にこれを見ている者たちにも苛立ちが見えてきた。

 そんな中、佐々木が大きな賭けにでた。


「レイズします。」

 そういって佐々木がかけた額は100万だった。100万とは、この教室で行われているギャンブルにおいての最低賭け額だ。佐々木は一刻も早くこのギャンブルを終わらせたいのだろう。


「いいねー面白いねー。その勝負乗った!コールする」本郷も100万を賭けた。


佐々木が五枚のカードをめくった。その手札は「3,3,3,7,8」のスリーカード

 

 本郷は笑っていた。本郷が不気味な笑顔のままカードをめくると「6,6,6,5,5」のフルハウスだった。

 100万円を賭けた勝負は本郷の勝利で終わった。


「最低金額の100万もとったし、もうあたしやめるわ。」

 そういえばルールではお互いのどういが無ければギャンブルは出来ないはずだ。

 本郷はこれ以上稼ぐつもりはないらしい。確かにこれ以上稼げば「次のギャンブル」とやらに参加させられる可能性があるからだろう。俺みたいに刺激を求めているやつばかりじゃないからな。


「頼むもう一勝負してくれ!僕の家は君たちと違ってお金持ちじゃないんだ。」


佐々木は本郷に跪いて懇願していた。俺も佐々木の立場だったらそうなっているだろう。


「何言ってんのよ。あんたは負けたの。敗者の言葉をあたしが聞くとでも思ってるの?」


本郷はさっきの笑みよりも不気味な顔をして佐々木を蹴飛ばした。

そのまま佐々木はうずくまっていた。気の毒に。

 この勝負最初から佐々木に勝ち目は無かった。イカサマに気づかなければ

読んでいただきありがとうございます。是非ブックマークや☆での評価お願いします。

一週間に一話くらいのペースで投稿します。

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