二〇一九年七月十六日火曜日
『二〇一九年七月十六日火曜日 by:Unified-One.
Subject:Your password will expire soon.
市井野工業高等専門学校総合情報処理センターよりお知らせします。
高専共通システムに登録されているパスワードの有効期限が近づいています。あと十九日です。パスワードを変更してください。
有効期限が切れた場合、ログインが出来なくなります。
パスワードの変更は、市井野高専認証サーバ
https://douyathsy.itiino-ct.ac.jp\iumus/にて行ってください。』
今日からまた学校は始まった。気だるい身体を起こして、飯を食べて、学校に行って、授業を受けて、飯を食べて、授業を受けて、部活に行って、飯を食べて、風呂に入って、洗濯物を洗濯機に突っ込んだら、「もう、二十一時か」と深いため息を吐く四日間が。
加えて明日からテスト週間に入るため、部活や学園祭のセクションからの連絡が絶えなかった。
クラウドに新しい企画書でもアップされていないかと、Wi-Fiを繋げようとしてログイン画面を開く。ブラウザの記憶機能で既に入力されたユーザIDとパスワードを確定するだけだった。
――しかし、『パスワードが有効ではありません』と突き返されてしまうのだった。
それからわざわざログイン画面に戻り、手入力してやるも――、また突き返された。
面倒くさくなって、携帯回線でクラウドを開くと、企画書にメモがついていた。
『学園祭のことで話したいので、今週の放課後は六〇一講義室に集まってください』