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見えない未来

皆様開いてくださいありがとうございます。

オチは決まってるのですがどのくらいの長さにしようか悩んでいる今日この頃です。

是非是非ブクマや感想などお願い致します。

「咲ちゃんは全てを失ってなんかないよ」


「だって私がいるじゃん?」


そう言って私に寄り添ってきた。

私はずっと裏切られたと思っていたが桜は私の横にいてくれている。

私が全てを失った原因が私の横にいる桜だとしても私は桜と一緒にいるしかない。

私は桜が嫌いだ。

嫌いだが一緒にいてくれる人が現れたのに、また独りになることを選択できない。

私はなんて弱い人間なんだ。

そんなことを考えているのが表情に出ていたのだろうか桜が続けて言った。


「過去のことは全て忘れようよ」


「リセットしちゃえばいいんだよ」


「そして私と一緒に生きていこ?」


桜は私に対して敢えて忘れろと言う。

忘れることなど出来ないのに。


「辛いことなんて記憶から無くせばいいんだよ」


「私のギフテッドはそのために咲ちゃんのためにあるんだから」


「ほら、私の目を見て」


桜は私に提案する。

桜の命令を聞けば受け入れて元々なかったことに出来る。

その甘い言葉に私の心は揺らぐ。

もう辛いことを思い出さなくていいんだから。

私は桜の提案に乗り目を合わせる。

何も言わず、何も答えず、無言で見つめ合う。

私は口に出すほどの勇気は持っていなかった。

それを桜は肯定と受け取ったのだろう。


「ありがとう、咲ちゃん」


「全てを忘れて私と一緒に生きなさい」


その言葉が私の脳を埋めつくした。

自殺を選んだ人間達が生きるという言葉を敢えて使った。

そして小学生の頃から桜はここまで計画していたのだろうか長年の夢が叶ったような嬉しそうな顔をしていた。

私もこれで楽になれる。

桜と出会えてよかった。

私は桜と一緒に生きていく、そう刻み込まれた。


「咲ちゃん大好きだよ」


「うん、私も大好きだよ」


そのやり取りで私は救われた。

救われたと思っていたかった。

やっと全てから逃げることが出来たのだから。

これからは桜の事だけを見ればいいのだから。

だがこの世はそんなに甘くないということを私は知っていたはずなのに。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私と桜はその後、2人たりとも未遂に終わった二度寝をお互いしていた。

桜は私に命令をし私は桜を信じて過集中を使い目を見た。

2人たりともギフテッドを使い疲れていたのか改めて眠りについた。

その様子は仲のいい恋人のようだった。


気持ちよく寝ていると視線を感じ目が覚める。

その原因は想像した通り桜だった。


「あれ?起きちゃったの?」


「誰かさんが睡眠の邪魔をしたからだよ」


「熱い視線は私の気持ちの表れだからしょーがないよね」


この好意を私は嬉しく思った。

何故だろう顔が緩んでしまう。

それを見て桜はニヤニヤしていた。


「咲ちゃんニヤニヤしすぎ」


「桜だってニヤニヤしてるじゃん」


「え?ホントに !? 幸せだからね」


「私も幸せだよ。人を好きになるって」


「きゃー、告白されちゃった」


「さっきから自分が告白してきたじゃんか」


私は本当に幸せだった。

一緒にいてくれて、全てを受け止めてくれるであろう桜が隣にいるのだ。

こんな幸せがあるのだろうか。

傍から見れば馬鹿みたいなやり取りでさえずっとしていたいと思っていた。


「そういえば、いつまでちゃん付けなの?」


「いやー、昔の癖が抜けなくてね」


「そんな派手な見た目になってるのに?」


「こ、これは咲ちゃんの魅力に負けないように頑張ったんだよ」


「私は普通の女の子だよ…… 」


「私から見た咲ちゃんはカッコいいんだよ」


「ふふ、ありがとう」


「でも派手すぎて最初わからなかったよ」


昔の桜は勉強のし過ぎか眼鏡をかけて三つ編みをしていた典型的な真面目な女の子といった感じだった。

それが今は髪を金髪にしコンタクトをつけてメイクをビシッとキメている。

今の私では絶対に関わらない人間であろう。


「私も見た目に気を遣わないとな……」


「咲ちゃんはありのままでいいんだよ」


と言ってくれるが手入れをしていないボサボサの髪の毛、スキンケアのみで化粧もしていない顔面では桜の隣にいるのが恥ずかしい。

それでもこんな私を桜は認めてくれる。

だからこそ思った。


「ちゃん付けはやめて呼び捨てにしない?」


「私達対等でいたいんだ」


「うん、分かった」


「改めてよろしくね 咲」


私達は対等な関係になった。

桜は嬉しかったのか目に涙を浮かべている。

とても喜怒哀楽が分かりやすい。

昔は隠していたのだろう桜の本当の姿を知れたことが嬉しく思った。


それから私達は話し続けた。

お互いの好みや、桜が転校した学校でどのように過ごしてきたのか。

お互いを深く知ることで中が深まったような感じがした。

そして気づいたら時計は夜を指していた。

楽しい時間はあっという間に過ぎることを久しぶりに思い出した。


「そういえば運営から何も放送なかったね」


「あ、伝え忘れてた。 咲が第1ゲームで眠りについた後に犠牲者がどこかに連行されてゲームは終了したの」


「そして明日は1日ゆっくり休むようにって言ってたよ」


「そっか、私はあの人を犠牲にしたんだった」


私は名前も知らない元優しそうな男性を思い出していた。

今頃どのような仕打ちを受けているのか分からないが地獄より辛いと運営は言っていた。

少し申し訳ない気持ちでいると。


「そうそう、多分で確信はないんだけど集められた人物の共通点が分かったよ」


「確か全員自殺したんでしょ?」


「うん、それもあるんだけど他のメンバーもギフテッドだと思うんだよね」


盲点だった。

私は桜以外のギフテッドはいないと思い込んでいた。

でもそんなはずはない。

だって身近に他のギフテッドが居たんだ日本だけでも他に何人も居るはず。


「でも、なんでそんなことを……? 」


「分からない。運営が何者で何を目的としているのか」


謎ばかりだ。

集められたギフテッド、そのギフテッドは自殺を行っている。

そしてそれを集めた運営。

果たしてこの先分かるのだろうか。

私達は何をさせられるのだろうか。

やはり私は考え込んでしまう癖があるようだ。

1人の世界に入り込んでいる私に拗ねたのか桜は不貞寝をしていた。

私はその不貞寝自体に気づかずにいたら桜はそのまま寝てしまったようだ。


「あ、桜寝ちゃったんだ」


「分からないこと考えても仕方が無いよね」


「取り敢えず明日に備えて私も寝ないと」


「おやすみ、桜」


チュッと桜の頬にキスをして私は眠りについた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うーん、よく寝たー」


「おはよう、桜」


と大きく伸びをして私は目覚めた。

隣にいるはずの桜に挨拶をしたが桜は私の隣から消えていた。

私は酷く焦った。

やっと掴んだ自分の幸せを逃したくない。

どこに行ったか探そうと飛び起きると。


「ぷぷぷっ、君はお寝坊さんなんだねー」


「もう第2ゲームは始まっているよ?」


「他の3人は既にゲームをしているというのに」


と運営の声が聞こえた。

既にゲームは始まっている?

何故私は起こされなかったのだ。


「皆が皆君の保護者じゃないんだ」


「甘えすぎは罪だよ、ぷぷぷっ」


「早く扉を出て愛しの桜ちゃんの所に向かった方がいいんじゃない?」


「ルールとかは愛しの桜ちゃんに聞いてね」


私は運営の煽りは無視してすぐに扉を開き桜の元へ向かった。

すると広い空間の真ん中に椅子が四脚あり他の参加者二名と桜が座っていた。

なにやら三人で話をしているようだった。


「何でこんなことをしないといけないんだ」


「誰がなんの目的で行っているんでしょうかね」


「寝たいから私横になっていい?」


「いいから取り敢えずは話し合いに参加してよ」


三人は私に気づいていないようで話を続けていた。

何に対して話しているのか見当もつかない。


「四人残ってるけど最後の一人になるまでゲームを行うのかな?」


「なんの目的で?」


「デスゲームってやつだよなコレは」


「話し合いだけじゃ埒が明かないな」


「何も知らないですからね」


私は桜が無事なのを見て安心した。

そうだ、私が起きたことを伝えないと。

そしてルールを聞いてゲームに参加せねば。


「桜っ !! 」


そう言い放ったその時だった。


「ぷぷぷっ、はーい藤枝 咲失格です」


私はその意味が分からなかった。

桜の方を見ても何も言えない様子でこちらは見ていた。

私は有無を言わさず連行されて行った。


「ぷぷぷっ、気にせずに第2ゲームのしりとりde会話を続けてね」


私は第2ゲームで脱落した。



読んでくださってありがとうございます。

ブクマや感想などお願い致します。

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