桜の思惑
創作が楽しいと書き続けていますが、
もっと人に見て頂きたいです。
どんどん面白くなる予定などでブクマなどお願い致します。
それでは本編をどうぞ
「あの、お話があるんですが」
「あれ?咲の親友の子だね」
「はい、咲さんにはとてもお世話になっております」
桜は咲の父親の所にいた。
早朝に前回と同じ公園に。
前回会った時とは違い目を伏せておらず咲の父親の目を見つめていた。
「それでどうかしたのかな?」
「私の名前は浜岡 桜と言います」
「私の母親は浜岡 蘭といい旧姓は相良と言いますが知っている名前ですよね? 」
「待ってくれ、それって…… 」
「はい、私が聞いたところ貴方の前妻ということを」
「それは蘭本人に聞いたのか?」
「そうですね、それで聞いた理由も伝えたらある事を言ってらっしゃったんです」
桜は淡々と話していく。
まるで自分のペースに相手を乗せるように。
咲の父親は理解が追いつかないようで焦っている様子だった。
それを気にせず桜は続けて話す。
「母は貴方のことをとても恨んでいるようでした」
「裁判で親権を獲得できたんだ。俺は何も悪いことはしていない」
「そうなのでしょうがご存知かと思いますが母は思い込みが激しく…… 」
「咲ちゃんを狙っているようで…… 」
「なんだって!? 早く警察に」
桜は嘘をついた。
母が思い込みが激しいのは本当だが狙っていることは嘘であった。
だが離婚したと言うことは一度以上疑うようなことがあったのだろう。
一度疑ったことのある人間は疑い続ける。
「ですが、警察は何か起こってからではないと動かないと聞きました」
「ここは貴方が咲ちゃんを守るために先手を打つべきだと思います」
「目には目を歯には歯をですので、これを使い」
桜はランドセルの中から包丁を取りだした。
桜は目的であった内容を話し始めた。
咲の父親に元妻であり咲の母親でもあり、さらに桜の母親でもある女性を襲わせようとしたのである。
「待ってくれ。 俺には咲を守らないといけないんだ」
「犯罪に手を染める気はないぞ」
勿論常識があり大人である咲の父親はその提案を拒否する。
だが現在、咲の父親は桜と目を合わせてしまっている。
この行為自体が咲の父親の間違いであった。
桜も自分のギフテッドには気づいていなかったのだが無意識に目を見つめていた。
本能だったなのだろうか。
そうでなかったとしてもギフテッドの発動条件は満たしている。
「それでは咲ちゃんを守れません」
「咲ちゃんを守るには暴力も必要なんです」
「正当防衛だから気にしなくていいんですよ」
「咲ちゃんのために武器を手に取り戦ってください」
「咲ちゃんのために」
この発言により桜のギフテッドは発動した。
咲の父親は桜が持っていた包丁を手に取り決心をした。
「咲のために、咲のために、咲のために」
「俺はやるぞ。 蘭を放っては置けない」
「はい、咲ちゃんのために頑張って下さい」
「自宅の住所と母が帰宅する時間はこちらのメモに書いてあります」
桜が自分のノートの切れ端に書いたメモを咲の父親は受け取った。
母親が帰宅する時間は17:30と書いておいた。
そして咲の父親は包丁を自分の鞄にしまい公園の出口に向かった。
公園からで歩く速度をあげ公園で桜に教えて貰った自宅の住所に向かった。
桜はそれを見届け呟いた。
「もう少しだからね咲ちゃん。 もう少しで私が一番になるから」
そうして桜はある所に向かった。
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「ばいばーい、またあしたねー」
私は友達と遊んでいたが時間になったので1人で家路についていた。
小石を蹴りながら歩いていると前方に見覚えのある人物を見つける。
「待ってたよ。咲ちゃん」
「あ、さくらだー」
「どうしてここにいるの?」
咲は日が沈みかけ本来なら塾にいるはずのこの時間に私の前に現れた。
夕日による逆光で桜の表情が見えないが笑っているように思えた。
「さっき咲ちゃんのお父さんに会ってね。私の家に来るらしいから咲ちゃんも一緒にって」
「それで私が迎えに来たの」
「え、さくらのいえであそべるのー?」
「たのしみーはやくいこー」
「そうだね、もう時間だし早く帰らないとね」
時刻は17:15分を示していた。
2人は歩きながら楽しそうに話していた。
「さくらのおうちたのしみだなー」
「普通の家だよ。お家に着いたら一緒に宿題でもする?」
「えー、しゅくだいたのしくないもん」
「咲ちゃんは勉強嫌いだよね。 なのにテストの点だけはいいのズルいな」
咲に怪しまれずに連れていくために無難な会話を続けていたが常々気になっていた点を聞いてみた。
桜は普段から勉強していたからテストの点がいいのは納得だが意外にも咲もテストの点が良かったのだ。
授業もろくに聞かずに塾なども行かずに宿題もしていないのにだ。
「わたしはねーいちどみたらずっとおぼえてられるんだー」
「そしてつかれちゃうけどがーってしゅうちゅうもできるの」
「だから、きょうかしょでみたないようをまたしてもつまらないのー」
「あ、でもこれはぱぱにひみつだよっていわれてたんだ」
咲の謎が解けた。
咲はこの頃からギフテッドを使いこなしていたのだ。
だが異能なので父親には他人に言うことは止められていたが咲は親友に伝えてしまった。
「そっか、じゃあ2人だけの秘密だね」
「うんっ!! 」
「ちゃんと2人だけだからね」
桜はそう言うと先の前を歩き始めた。
そして公衆電話を見つけ歩みを止めた。
「ごめんね、お家に電話してくるね」
「うん、わかったよー」
と言い公衆電話の中に入った。
咲には背を向けている。
背を向けているのでナンバーボタンは咲からは見えないようになっている。
そして桜は咲にバレないよう110を選択し電話をかけた。
「あのっ、お母さんがお家で知らない人に襲われてます」
「住所を伝えるので早く来てください」
桜は住所を伝え受話器を置いた。
そして公衆電話を出て咲のもとに早歩きで向かった。
「さぁ、行こっか」
そう言って桜は咲の手を繋ぎ一緒に歩いていった。
過去編が少し長くなってすみません。
次で過去編終わります。
早く平和な展開が書きたいと想っている今日このごろです。
是非是非ブクマなどお願い致します。