歪んだ愛
書き始めて徐々にPVが増えてきて投稿するのが楽しみになってきました。
まだまだ書くことには慣れていませんが、、、。
本当に読んでくださってありがとうございます。
是非是非感想やブクマなどよろしくお願いします。
それでは本編をどうぞ。
「咲っ!!」
と大きな声で名前を呼ばれ私は振り返った。
一緒に遊んでいた桜も何が起こったんだとこちらを見ている。
私が振り返りその先にはパパが立っていた。
「こんな朝早くに1人で何やってるんだ」
「危ないだろ」
と怒っていた。
当然だ。自分の小さな子供が朝起きたら家にいないのだ。
怒りながらも息を整えている。
その様子からも私を心配して走っていたことが想像出来る。
「ごめんなさい」
自分が悪いという自覚があるので素直に謝るしかなかった。
私が謝ると頭を撫でながらしゃがみこみ目線の高さを合わせた。
「無事でよかった」
「心配させないでくれ」
「それで一緒に遊んでる子はどちら様?」
優しい顔で私を見つめてくれていた。
心配させてしまったことを実感し反省した。
そしてパパは朝早くに同じく1人で一緒に遊んでいた桜のことを気にしてきた。
「さくらちゃんっていうんだよー」
「わたしのしんゆうなんだ」
私は桜のことをパパに説明した。
つい数分前に会ったはずなのに親友になったとは思いもしないだろう。
そして私の説明に合わせて桜はペコリと会釈をしていた。
「そっか、桜ちゃんというのか、咲と仲良くしてくれてありがとう」
「親御さんと一緒来たの?」
桜はフルフルと首を横に振って否定を伝えた。
私と話す時ですらオドオドしていたほどの人見知りだ。
大の見しらぬ大人とは緊張して話せもしないのだろう。
「今日は入学式なんだから家にもどって準備をしなきゃ」
「桜ちゃんも家に帰らないとね」
「送って行くよ。家はどの辺?」
とパパは桜に話しかけていたが桜の人見知りは解けなかったようだ。
また首を横にフルフルと振っていた。
1人で帰れると意味なのだろう。
「気を遣わなくていいんだよ? 危ないから送って行くよ?」
とパパが心配をすると桜はやはり首を振り公園の出口に向かい走っていった。
どうしても一人で帰るようだ。
「ばいばーい、がっこうであおうねー」
私が大きな声で桜に呼びかけると小さく手を振りかるく会釈をして帰っていった。
「桜ちゃんに嫌われちゃったかな?」
パパは苦笑いでボリボリと頭を掻いていた。
桜の拒否が相当キツかったのだろうか。
「ぱぱはおっきくてこわいからねー」
私は無意識に追い打ちをかけた。
パパはかなり凹んでいた。
ただ私は気づいてないので何も気にせずパパの手を取り歩き出した。
「はやくかえってじゅんびしよー」
「走るんじゃない、転んだら痛いぞ」
と私と心配するパパの顔はなぜか元気になっていた。
今思えば娘が手を繋いでくれた、元気なのが嬉しかったのだろうか。
あの頃の私は誰かに愛されていて幸せだっただろう。
私とパパは仲良く手を繋ぎ家路についた。
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~数日後~
「さくらーなにしてるのー?」
「さっきのじゅぎょうのふくしゅうってのをしてるよ」
「さきちゃんもべんきょうしないと……」
「べんきょうはきらいなのー」
「まいにちがたいいくだけでいいのに……」
授業後に私は前の席の桜に話しかけていた。
授業中に話しかけても無視されてしまうのだ。
真面目な性格の桜らしいが私としてはつまらなかった。
だが休み時間には話してくれるので毎回話しかけている。
それを繰り返していくうちに桜も心を開いてくれ敬語を使わず人見知りもなくなった。
会った日に親友になって更に仲良くなったのだから親友以上の関係をなんと呼ぶか私は悩んでいた。
「さきちゃーん、かえりにあそぼー」
「うん、またあとでねー」
この頃の私は社交的で親友の桜以外にも多数な友達ができた。
桜は放課後に塾があるらしく遊べずに他の友達と遊んでいた。
休み時間は親友、放課後は友達と楽しい毎日を送っていた。
授業はほぼ理解せずにノートに落書きしていたので学校に来る楽しみは遊ぶことだった。
「さきちゃんはともだちいっぱいですごいね」
「さくらはあたまがいいし、さくらのほうがすごいよー」
「わたしはべんきょうしかできないから」
「なんでそんなにべんきょうするの?」
桜は顔を曇らせた。
聞いて欲しくない事だったのだろうか。
だがこの頃は子供だ。
人の心情を理解できるほど成長はしていない。
人の踏み入って欲しくない部分まで土足で入り込んでしまっていた。
「おかあさんがね、きびしくて……」
「まいにちべんきょうしなさいって」
「そしてだいがくにいって、ちゃんとしゅうしょくしなさいって」
「だから、わたしはべんきょうしないといけないの」
桜は消え入りそうな声で語ってくれた。
嫌なのだろう。反発したいのだろう。
だが桜の性格では親の言うことを大人しく聞くことしか出来なかったのだろう。
勇気を出して話してくれたのだろう。
だが馬鹿な私は理解すら出来なく頭にハテナを浮かべていた。
すると桜はそれを察したのだろう少し笑い別の話をしてくれた。
「さきちゃんのおとうさんやさしそうでいいな」
「いいでしょー、ぱぱのことだいすきだもん」
「わたしとどっちがすき?」
「うーん、やっぱりぱぱがいちばん!! 」
「さくらはにばんめにだいすきだよ」
「……そっか」
この時私は素直に本心を語った。
この選択が間違っていたのだろうか。
昔の桜は現在の私だ。
誰かに愛されたかったのだろう。
愛に飢えていたのかもしれない。
だから3日後にあんなことが起こったのだ。
この問答の後チャイムがなり先生が扉から入って来てこの日最後の授業が始まった。
そのため、それ以上は何も話さなかった。
前の席の桜は授業内容より先のことを勉強しているのかずっとノートに何かを書いているようだった。
対照的に私はノートに落書きをしていた。
待ちに待ったチャイムが鳴り授業が終わった。
そのまま帰りの会を行い放課後になる。
放課後には授業前に約束をした友達と遊ぶために急いで荷物をまとめ席を立った。
「さくらー、またあしたね」
「ばいばーい」
「さようなら」
桜らしい真面目な別れの挨拶だった。
私は教室ので口に向かって走り出した。
と、その時に桜が呟いた。
「私が咲ちゃんの1番になるね」
遊ぶのが楽しみで急いでいた私にその言葉は届かなかった。
桜は良いのか悪いのかずっと勉強をさせれていたので頭が良かった。
それは大人も欺くほどに。
「いっぱい計画したんだから成功させないと」
「私が一番になるから待っててね」
「早く邪魔者は消えてもらわないと」
先ほどの授業のノートを見ながら桜は呟いた。
その時の表情はとても笑顔だったそうだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
なんか暗い感じになってきましたが次かその次くらいでまた百合展開に戻ると思います。
オチは決まってるのでそれに向かって頑張ります。
また投稿しますのでブク等お願いします。