選択
最終話となります。
開いてくださいありがとうございます。
是非是非ブクマや感想などお願い致します。
それでは本編をどうぞ。
「いやいや、なんで私が !? 」
突拍子もないことを言われて焦る。
それはそうだ。
想像して欲しい急に神になれと言われたら。
は?何を言ってんだこいつと誰もが思うだろう。
だが私の目の前にいるツツジは至って真剣に言っているようだった。
「それは貴女が神になるべき人だからですよ」
「それは買い被りすぎだって …… 」
私は少し人とは違う能力がある普通の女の子である。
そんな小娘に向かって神になるべきとは意図が分からない。
「買い被りなどととんでもない」
「貴女はとても素晴らしいのですから」
ツツジはかなり思い込みが激しいようだ。
私のどこを見たら私のことを素晴らしいと思えるのか私が知りたいくらいだ。
「私は少し記憶力が良くて少しだけ集中力の良いただの普通の女の子ですよ」
「咲様は勘違いをしておられるようですね」
「瞬間映像記憶の方は間違っておりませんが過集中は過集中ではありませんよ」
「どういう意味?」
私は今まで過集中を経験してきた。
今更違うと言われても、はいそうですかと納得はできるはずもない。
過集中は過集中。
それ以外の何物でもなく只普通の人より深く集中できるといったもののはずだ。
「咲様が集中されてると思ったものは集中ではなかったのです」
「ただ集中しただけで、あれ程の疲労を感じるのもおかしいと思いませんか?」
「いや、おかしくないでしょ。集中が切れたら疲れがまとまってきたりするじゃんか」
「ですがギフテッドで深く集中しただけでそこまでのデメリットが付いてきたら意味がありません」
確かにそうだ。
今までこの能力をコントロールするまでどれほど苦労したか。
気づいたら倒れる程の疲労を感じるのだ。
捨てれないだけゴミの方がマシと思ったことが何度あっただろう。
「今更になりますがギフテッドとは神からの恵と言われております」
「その神とは昔の想像上の神で偶像であり虚像です」
「ですが神自体は現在実在しております」
「そしてこの世界にギフテッドを授けている神が存在します」
「その神がわざわざそのようなデメリットをつけると思いますか?」
神といっても人間なのだ、デメリットをつけるだろう。
だがその神はなぜ関係のない他人にギフテッドをさずけているんだ。
その行為自体が自分にとってのデメリットとなり得る可能性があるのに。
ギフテッドを授かった他人がいつか神となり自分に害をもたらす可能性があるのに何故そんなことをするのか私は興味を持った。
理由はそれだけではない。
その神が私にギフテッドを授けたせいで私は不幸になったのだから。
理由を聞かねば納得できない。
「もしデメリットをつけるとすれば、その能力が強力すぎる場合ですよね」
「貴女の能力は過集中等という小さなギフテッドではなく人のギフテッドを奪うギフテッドなのです」
「そのギフテッドを我々は強奪と呼んでいます」
強奪というギフテッド。
なんと響きの悪い言葉なのだろうか。
私が過集中だと思っていた能力がそのようなものだったなんて。
私に強奪という言葉は似合わない。
私は強奪されてきた人間なのだから。
「咲様は今まで数々の苦痛や不幸を受けてきたのでしょう」
「そしてそれを行ってきたのは人間です」
「人間は何かを信じ生きております」
「貴女をイジメてきた人間は自分を信じて自分が正しいと思いイジメを行ったのでしょう」
私は思い出していた。
ツツジのギフテッドのせいで桜が忘れさせてくれた記憶を。
思い出したくなかった記憶を。
そんな私を無視してツツジは語り続ける。
「そしてそんな自分を信じる人間も神を信じています」
「その信じている神はギフテッドを持った人間なのか遥か昔から語られている虚像の神かもしれません」
「少なくともその神はイジメは禁止としていなかったから貴女はイジメられてきた」
「貴女が神になって禁止と明言すれば貴女のように不幸になる方はいません」
「ちなみに桜様が自殺した原因もイジメですよ」
ツツジは私を煽るためにそう言ったのだろう。
その目論見通り私は簡単に決心した。
桜のために神になると。
後先考えず桜のためになら行動できる。
桜が望んでいるかどうか分からないが桜をイジメた人間が許せない。
「ねぇ、私が神になったら復讐できるの?」
「えぇ、神は何をしても許されるのですよ」
「そう、良かった」
「また桜のおかげで生きる目的が持てた」
「私は神になる」
この時私は選択肢を間違えたのだろうか。
ツツジはまるでオモチャを手に入れた子供のような顔を浮かべていた。
「それでは準備が出来ましたら呼びますので少々お待ちください」
「神になるために必要な説明をする者が来るので話を聞いてください」
「咲様には少しだけですが辛い思いをさせてしまいますがその先の幸せのためですので御容赦ください」
ツツジはそう言い踵を返し暗闇の中に消えていった。
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「ゲームクリアおめでとうございます桜様」
「私はこの運営の人間のツツジと申します」
「まさか第2ゲームで1人まで絞られるとは思いもしませんでした」
「ねぇ、そんなことはどうでもいいから咲は無事なの !? 」
「咲様はこちらでお預かりしていますのでお会いできますよ」
「良かったー」
私は咲ちゃんの無事を確認し肩をなでおろした。
咲ちゃんが脱落して私は早くゲームを終わらせることを最優先した。
その選択が最適な気がしたからだ。
どんな手を使ってでもゲームを終わらせた。
他の2人には悪いことをしてしまったと思うが公開はしていない。
「咲様は別室の方で休まれているので案内させていただきます」
「ありがと、早く咲ちゃんに会いたいから急いでね」
「かしこまりました。こちらになります」
ツツジという謎の男に連れられ私は歩いた。
咲ちゃんに会えるのだから嬉しくてしょうがない。
心が踊る。
気をつけないとスキップしてしまいそうな程に。
何やらツツジが話しかけてきているようだが私にはどうでもよく耳に入ってこなかった。
5分程歩かされたのだろうか。
「お待たせしました。こちらの部屋に咲様はいらっしゃいます」
「長かったー、ここまで遠すぎるって」
私は深呼吸をしてからドアノブに手をかける。
やっと咲ちゃんに会えるんだ。
ドキドキしながら扉を開ける。
扉を開けた先に暗闇があった。
「え、咲ちゃんはどこ !? 」
次第に暗闇に目が慣れてきたのか暗闇の部屋の真ん中に咲ちゃんが立っているのに気づいた。
「咲ちゃん !! お待たせ」
「無事でよかったよ」
咲ちゃんは何も語らない。
俯いて何かブツブツ呟いていた。
そしてその右手には拳銃が握られていた。
「え、咲ちゃんなんでそんなもの持ってるの?」
「ごめんね桜」
咲ちゃんは私の目を見つめ私に銃口を向け引き金を引いた。
読んでくださってありがとうございます。
初連載完結します。
他の作品も書いてるのでブクマや感想などお願い致します。
これからもよろしくお願いします。




