公園
音
音
耳を澄ますと、いろいろな音が聞こえてくる。
その音は 人工的なものはなく
すべて自然の息吹である。
木の揺れる音
そよかぜが触れる音
鳥が鳴き 飛ぶ音
散歩の犬の鳴く音
たまに蠅の羽音
みんな 自然が語っている
森 ここは森
森の中で 背の高い木が私を見下ろす
本を読む私に 話しかけてくる
広場に出ると 子供たちのはしゃぎ声
工事の音
見晴らし台に出ると 家々が立ち並ぶ大きな街
その奥には 大きな山
ここには人工がたくさん見える。
森に入るとまた 自然のつながり
モンシロチョウが 花に止まる
花が本に 降ってくる
本が花を包む
本は私の手に包まれる
これっていろんな連鎖みたい
そう陽の下で 考える
ぽかぽかしている夕方の空
たまに陽は雲に 隠される
そのたびに私は 寒いと凍え
陽が出てくるのを 待っている
本を一章読み終わると 私は散歩を再開する
中学の時に塾の帰りに 閉店業務をしているところで
たまに一緒に話をしていた おじいさんのお店
名前も知らないおじさんと 名前のつかない会話をしていた
そのお店を覗いてみると
工事をしていた
その店は つぶれていた
最後に会ったのは去年の秋
高校の帰りで会ったきり もう会えなくなった
人生いろいろあるけれど
ぽかぽかしてぼーっとしているのが一番幸せ
そして今日も そんなことをするために
わざわざ神社の脇道の 森の隠れ道のような階段を上っていく