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英雄の帰還   作者: 神谷 蓮
プロローグ
18/26

第15話 リセット

僕は会議場を退室した後、自分に与えられた執務室に来ていた。実際にはここにしか行く場所がないからだ。


『あそこまでして本当に良かったのか?』


僕の過去世である初代国王陛下が聞いてくる。確かに家族までの記憶を消す必要は無かった。本当にこれで良かったのかどうかはわからない。


「良かったかなって死ぬまでわからないよ。陛下に計画を話したら実行する。」


『それをしたら後には戻れないぞ。今後やり直す事も出来ない。』


「わかっているよ。でも君が作った国を守るにはこれしか無い。それにシャルとはまた会える。世界を渡っても会えたのだから。そっちこそ大丈夫?白龍公として生きないとならないだから。」


『ああ。大丈夫だ。』


初代国王陛下と話し終わると扉がノックされた。そして入ってきたのは国王陛下だ。


「待たせたな。それで話とは?」


「今から行う計画についてです。これは陛下に協力してもらわないといけないですから。」


僕の言葉を聞いて陛下がうなづく。


「今回の騒動については余りにも不審点が多すぎます。伯爵が大掛かりのことをしても直ぐに捕まり、七龍公がこれについて把握していない。勇者についても何かがおかしい。なので公爵たちにも自分に関する情報を削除しました。七龍公の中に裏切者がいる可能性があるからです。」


「それは一理あるが、これからどうするのだ。白龍公としての立場は使えない。」


「そうですね。陛下、臣下の中で一番信頼できる者は誰ですか?」


僕の質問に首を傾げながら答えてくれる。


「それは中立派のベルファスト伯爵だな。」


「その方に産まれて直ぐに亡くなった子供がいますね。」


「ああ。確かにいるぞ。それがどうした?」


僕はその答えを聞いて決めた。


「神の力を使い、僕をその子供にするのですよ。僕が産まれたことをリセットする。」


「そんなことが可能なのか?第一シャルのことはどうする!」


僕の言葉を聞いて不審に思い、そして娘の為に怒鳴る。


「大丈夫です。シャルとはまた会えますよ。この国を守る為にこうするしかないので理解してください。」


「レン殿、もう少し自分の幸せについて考えてもいいのだぞ。君だけが犠牲になる必要はない。」


「ありがとうございます。けどこれは勇者として、英雄として生まれた僕の役割です。許されるのなら次の世界でシャルとの婚約を結ばさせてください。ああ、そろそろ時間ですね。」


「ああ。許可しよう。また会えるのを楽しみにしている。」


僕は陛下の言葉を聞いて意識を手放す。これから使うのは神の御業、初代国王に任せよう。


『神谷 蓮、俺の代行としてご苦労だった。その褒美として勇者としての役割から解放する。次産まれし時は何もしがらみもない人生だ。好きに生きよ。ある程度の力はそのままとしておく。それではお別れだ。【転生】【過去逆送】』


そして世界は巻き戻り、伯爵家の三男として僕は産まれた。アレン=ベルファスト、それが今の名前だ。そして後の世で英雄と呼ばれることがになる少年の再誕だった。

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