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初恋くん

作者: 芥屋 葵


初恋は小学1年生。

相手は同級生の男の子で家も近所だった。


小学校の6年間はバレンタインチョコを渡し続けたというエピソード付きの相手

初のバレンタインデー文化は溶かして固めてデコレーションしただけのいかにも初めて作りましたというようなものを贈った。

初のホワイトデー文化は既製品のマシュマロを初恋くんが恥ずかしがるもんで、母親に手を引かれて家まで来たのを鮮明に覚えている。ラッピングにはきっと母親の文字であろう丸くて可愛らしい字で初恋くんと私の名前、簡単なメッセージが添えられていた。


そういえばこの日はマシュマロ喰わず嫌いが1日で克服された日にもなった。


初恋くんは優しい子だった、小学生らしい生意気さも残るがそれでも他に無い優しさと繊細さを持っていた子だった、あとは好みは別れるが8割方可愛い顔と定評のある子でそういう所すべてに惹かれた私も生意気なガキだったなと思う。


男女というものが一緒に歩いていれば、例え同じ方向であっても

“ヒューヒュー!熱いねー!”と言われるのが関の山

それもあってか、冷やかされないように集団で帰るときは最初はバラバラで歩き、一度も話さない。

やがてみんなが分岐していって2人になると初恋くんはそっと後ろを振り返り私をみる


「帰るよ」

と視線と、時々声をくれる。


振り返るのは学校のすぐ近くだったり、もうすぐ家だったりと距離はバラバラだったが、決まって帰り道に2人になったタイミングで後ろを振り返るのだ。

それを合図にパタパタと走り寄るのが私で、駆け寄ってきたらそっと車道側にいく初恋くんは今思えば出来上がった紳士像だ。その時間の思い出が20年程経っても忘れられない。


一緒に帰れるという嬉しさにいつも私ばかりがつい多弁になっていた記憶も残っている


初恋くんは私のこと、6年間のどこかで少しでも好きになったことがあったのだろうか

聞きたい事の一つだけど、怖いのでイメージは桜カラーなフィルターをかけて脳内保存としておこう。


小・中学の9年間だけ一緒であとのことは共通の思い出はない。


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