83話.バベルの塔⑤
ドカン!!!!!!!!!
くろむが何度目かの空間転移の着地を行ったときに、その足場が急に爆発した。
くろむ「!!!!!」
「大歓迎だな! そこまで余裕がねーのか?」
―――「この程度の歓迎もなしじゃ、英雄殿に失礼じゃろ?」
くろむ「創造神の分身体じゃなかったのか?」
「その感じだとご本人様のように思えるけどな」
―――「この身体自体はクイナの言う通り分身体じゃよ」
「じゃが、多少のコントロールぐらいはできる」
「とりあえずご挨拶ぐらいはとな」
くろむ「これはこれは創造神様ともあろうお方が……」
「なんて思うわけはないけどな!!」
「とりあえず創造神の分身体とか呼ぶのメンドイから、
クイナに倣って、クーと呼ばせてもらうわ」
クー 「失礼な奴じゃが、今更じゃな」
「好きな呼び方をするがいい」
くろむ「んで、わざわざ話しかけてきたのはなんでだ?」
「そろそろなんらかの形で干渉はしてくるとは思ってたけどさ」
クー 「予想通りに動いたってことは不愉快じゃが、
お前の存在そのものが気にいらないからな」
「少し虐めてみようかと思ってな」
くろむ「クイナが言うには、本体様より圧倒的に弱いらしいじゃねーか?」
「そんなもんでおれを虐めれるのか?」
クー 「このままでは、悪魔王や魔王より少し強い程度だからな、
お前よりは弱いと思う」
くろむ「だめじゃねーか!!!」
「ただでさえお前の魔力くせーんだよ、弱いんなら瞬殺して終わるぞ?」
クー 「大言壮語なやつじゃな!」
クーは自身の前に10個の魔法陣を出現させた。
魔法陣はそれぞれ発光し、光を放つ何かがそれぞれの魔法陣より出現した。
くろむ「自分だけじゃ手に負えないからお仲間を集めたってとこか?」
「見たとこ、お前とそう大差ないやつらばかりのようだが?」
クー 「正確な分析じゃな、確かにそれぞれの個体はお前に及ばない」
「分身体ゆえ戦闘能力自体はかなり劣化ものになっているが、
我の能力の一部は分身体でも利用可能じゃ」
クーはそういうと、魔法陣にて召喚された光の塊を自身の魔力で包み込んだ。
すると、10個の塊であったそれらを融合し始めた。
10個の塊は反発し合いながらも混ざり合い、
やがて光はどす黒い光に変化を始め、死臭も漂い始めた。
くろむ「てめぇ、何してやがんだよ!!!!」
クー 「面白いことじゃよ、もう少しそのまま待っておれ」
「お主の退屈を埋めてやるよ」
くろむ「ほぉ、確かに雑魚ばっかりの繰り返しで飽き飽きはしてたけどな」
「ただ、お前の思惑通り進むのは、ごめんだね!!!!」
くろむは、どす黒い塊になっていたそれに向けて大量のアイスピックを放った。
大量のアイスピックを受けて四散するものと思われたその塊は、
なんとアイスピックを全て飲み込んだ。
くろむ「なっ!!」
クー 「魔力提供ありがとうな、おかげで融合が早く終わりそうじゃよ」
「ほれ、仕上げじゃ!!」
クーがどす黒い塊に大量の魔力を注入すると、
どす黒かった塊は漆黒の卵のようなものへと変貌をしていた。
そして、その卵にひびが入ると同時に死臭漂う真っ黒い魔力が一気に放出され、
漆黒の煙を纏った大きな竜が目の前に現れた。
クー 「この塔に住んでいる上位の生き物を10体混ぜ込んだ邪竜の誕生じゃ」
「そして、さらにこの竜を我が吸収する!!」
クーがそう言うと、誕生したての邪竜はクーに吸い込まれていき、
クーの姿が変形を始めた。
くろむ「嫌な予感しかしないし、胸糞悪い臭いが増してやがる……」
ゲオルク「待たせて悪かったな、我こそは邪神龍ゲオルクなり!!」
クーは、巨大な龍の姿に変わり、邪神龍ゲオルクと名乗った。
四足歩行しながら、大きな漆黒の翼を広げて威圧を始めた。
くろむ「ドラゴンスレイヤーの名前を名乗る邪龍とか、
相変わらずイカれたセンスしてやがるな!」
ゲオルク「このセンスがわからぬとは、卑しいやつじゃな」
くろむ「そこまでの悪臭をまき散らしているやつのセンスなんか
理解もしたくねーよ!!!」
ゲオルク「まぁその理解もできない存在である我がここでお前を殺すのだがな」
くろむ「たしかに異常なまでの強さなのだけは否定しないよ」
「それでも勝つのは俺だけどな!!」
くろむは先制攻撃として<雷>魔術を選択した。
今までの行動をほぼ全て観察されていることを前提とし、
ほとんど使ったことのない雷魔術であれば少しは意表をつけるのかもと
考えたからであった。
くろむの身体から極太の雷が放射され、
ゲオルクの左右から巨大な雷の網を覆いかけた。
雷の網に捕らわれたゲオルクは、雷の網を身体からそのまま吸収を始め、
くろむの身体から放たれた極太の雷はゲオルクが大きな口をあけて飲み込んだ。
くろむ「大したダメージは通らないとは思っていたけどさ」
「まさか全部吸収してノーダメージとは思わなかったわ……」
ナビ 「さすがにこれはマズイんじゃない!!????」
ゲオルク「ぐはははは、この程度なのか?」
「この程度では傷一つ付けられぬぞ!!」
漆黒の翼をはためかせ、上空に飛び立ったゲオルクは、
上空より大きな口を開き、漆黒のブレスをくろむ目掛けて放った。
タイミング的には避けることも可能であったが、
くろむはあえて防御することを選択した。
空間断裂を使い、自身を中心とした半径5メートルの次元の壁を生成し、
漆黒のブレスを迎撃することにした。
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