80話.バベルの塔②
くろむ「ん~、2階ってことでいいのか?」
ナビ 「どうなんだろ……」
「森の次は海岸?」
くろむ「この構成考えたやつはどういうセンスしてんだかな……」
ナビ 「変わったセンスをしてはいるだろうね……」
くろむ「そういえばこの世界の海岸にいる魔物って見たことないな」
「どんなのがいるんだ?」
ナビ 「ん~色々いるけど、多いのは大型のヒトデや貝、あとは半魚人系かなぁ」
「あぁ、あそこにいるじゃん」
くろむ「あれは…… でかいヒトデとヤドカリ??」
ナビ 「そうだね~」
「サザエ型のはこの世界の人にとって御馳走らしいよ?」
くろむ「この世界のやつらって普通に魔物食べるよな?」
ナビ 「家畜っていうのを飼育する文化が
カロライン王国の一部地域ぐらいにしかないからね」
「比較的弱い魔物は食料として重宝されているみたいだね」
くろむ「そういうもんかぁ~」
「でもここじゃサザエに出会っても食えないのが残念だな……」
ナビ 「そうだねぇ……」
くろむ「まぁ、絡まれる前にあいつらは処分しとくわ」
くろむはそう言いつつ、氷槍を投擲して、瞬殺させた。
くろむ「んで、これはどこに向かえばいいんだ?」
ナビ 「あっちに薄っすらと建物が見えない?」
ナビが海の向こうに薄っすらと見える海岸に小屋が立っているのが見えた。
くろむ「小屋ってことは向かってみるしかない気はするけど、海は泳げ?」
ナビ 「悪魔大陸まで空間転移で飛んで行った人がそれ言う?」
くろむ「あぁ、薄っすらでも見えるから飛べるわけか」
できるのかどうか半信半疑ではあったが、くろむは空間転移を試してみた。
試してみると成功し、目の前の小屋に入ると
先ほどみたものと同じ魔法陣が存在した。
これの繰り返しなのかよと思いながら、魔法陣に入るくろむ。
その後、山であったり、洞くつであったりと場所は階層ごとに異なっていたが、
内容はほぼほぼ同じであり、現れる敵も雑魚ばかりであった。
おそらく9階と思われる場所の魔法陣を見つけたとき、
くろむはこのくだらない繰り返しに嫌気を覚え始めていた。
10階に到着すると、前方に巨大な魔物が座っている狭い空間に到着した。
その魔物は上半身ウシで、下半身人のいわゆるミノタウルスであった。
くろむ「10階で中ボスみたいな感じでミノタウルスねぇ……」
「これは本当にゲームなんじゃねーのか?」
「ミノくん座ってるけど、近づくと動き出すんかね……」
「動き出す前にここから魔術ぶち込むのは、やっぱなしよね?」
ナビ 「なしじゃないと思うけど…… それやったら性格捻くれてるよね?」
くろむ「ですよねぇ……」
さすがにこの場所からの先制攻撃をすることには躊躇われたくろむは、
ミノタウロスの正面に立ってみることにした。
くろむが歩いてミノタウロスの前に向かい出した時、
急にミノタウロスが座ったまま、手に持った戦斧を投げつけてきた。
くろむ「うぉ!!!!!!!!!!」
「コイツ座ったまま不意打ちしてきやがったぞ!!!」
ナビ 「……」
くろむ「もう遠慮なんてしてやらね!!!」
くろむは文句を言いながら、左右の氷槍を両方とも投擲した。
なげつけた氷槍は、ミノタウロスの右肩と下半身を標的としており、
下半身と右腕を失ったミノタウロスは座ったままの姿勢から
そのまま前のめりに倒れた。
くろむは氷槍を投擲すると同時に右手に氷槍を生成しつつ、
ミノタウロスに飛び掛かっていた。
ミノタウロスが前のめりに倒れると同時にくろむは、
右手の氷槍でミノタウロスの頭部を貫くと、ミノタウロスは消滅した。
くろむ「ホント!!! ここはイカれてやがるし、性格悪すぎるだろ!!!」
ナビ 「反論の余地がないわね……」
くろむ「ここさぁ……」
「カオスが塔自体は造って、中身は創造神が造っただろ、絶対……」
「もうさ、本気でこの塔ぶっ壊したいわ……」
ナビ 「同感だけどさ…… たぶんこの塔って神でも壊せないわよ?」
くろむ「たぶんそうだろうなぁ……」
「なんかそれもムカつくけどな!」
ナビ 「なんかわかるけどさ……」
「しかしこの階層でも瞬殺だったね……」
くろむ「だなぁ、徐々に強くはなってきてるけど、かなりゆっくりとだよな……」
「こんなペースだと何階まであるんだよ…………」
ナビ 「そろそろ急に強くなるかもよ??」
くろむ「むしろそうなってほしいな……」
「もう次すっげー強いのがでてきて、ラストとかにならないかなぁ……」
ナビ 「ここにくるような人ならここまで来たら同じ感想を持つだろうから、
ここを作った人の性格なら絶対そんな助けるようなことは……」
くろむ「……」
「だよなぁ……」
「まぁ、あそこに魔法陣が現れたから入るわ」
ナビ 「そうだね! 次いこ! いこ!!」
気分の落ちたくろむたちは、その気分を誤魔化すように
次の階への魔法陣へと入っていった。




