69話.第三の転生者
レオナ「はぁ……」
「なんかとんでもない話になったわね……」
くろむ「まったくだよ……」
「あいつは毎度ろくなこと言わねーからな……」
「とりあえずは大陸を平定させるしかないってことだな……」
レオナ「それはそれでしないとね!」
「そう言えば聞いてなかったけど……」
「くろむの理想の国って、作りたい国ってどんななの?」
くろむ「ありとあらゆる種族が対等で助け合ったり、手を差し伸べ合ったり
俺としてはそういう当たり前のことが当たり前にできる国」
「そんな国を作りたいと思ってるよ」
レオナ「私もそれができるのが当たり前で理想とは思うけど……」
「この世界って強者が弱者を虐げることをベースに成り立ってるから、
反発は強そうね……」
くろむ「そこなんだよなぁ……」
「だから、俺が圧倒的強者となって、その俺がこの理想を
実践することが大事なんじゃないかなと最近は思ってる」
レオナ「一歩間違えば、絶対的強者の独裁にも見えるから
バランスが難しそうね」
くろむ「そこは周りが注意してくれることを期待したいけど、
初期からの仲間たちは、神聖視してるとこあるから……」
「そういう面でもレオナやサタンたちには期待したいところだね」
レオナ「あんまりふざけてたら、炎魔焦熱地獄をプレゼントしてあげるわよ」
くろむ「あれを撃たれるのは、もうごめんだな」
レオナ「なら、気をつけることね!」
くろむ「肝に銘じるよ」
「とりあえずは、タカシくん? に会いにいくか」
レオナ「まずはそこからでしょうね」
当面の目標を定めたくろむたちは、タカシの元に向かうメンバー+ギンジを
招集した。
くろむはカロライン王国に向かうのは初めてのため、ギンジ用の馬車を使って
向かうことにした。
くろむ「なんかお前に頼むのも久しぶりな気がするな」
ギンジ「主人様はご多忙でしたので、仕方ありません」
「ふたたび、こうして騎獣としてお使いいただけて嬉しいです」
くろむ「俺の忠実ぶりにはいつも感謝してるよ」
「今回はカロライン王国の東の海岸にある要塞が目的地だ」
「詳細な場所はわかるか?」
レオナ「私も一時いた場所だから、大体はわかるわよ」
くろむ「よし、じゃあ案内は任せたぞ!」
「アキナ、ゴドラ、レオナ、ギンジ!」
「せっかくの旅だ、気楽にいこうぜ♪」
アキナ「緊張感ないなぁ……」
ゴドラ「くろむ殿はそのくらいでいいと思いますよ」
「王に余裕がないと国民は不安に思うものですからね」
アキナ「そういうものなのかなぁ……」
くろむ「とりあえず、しゅっぱぁ~つっ♪」
くろむの陽気な声と共に出発したくろむ一行は、
とりあえずルイン東の要塞までは次元扉で向かった。
そこからは、ギンジ馬車でのらりくらりの旅を始めた。
しかし、要塞をでるとそこは一面の砂漠であった。
カロラインの南部地方の大半は砂漠であった。
旅をするにしてもあまりにも何もない砂漠のみの地域にくろむたちは
すぐに旅に飽きてしまった。
ギンジ「主人様、退屈そうですので速度をあげましょうか?」
くろむ「そうだなぁ……」
「レオナが言ってる場所付近まではサクっととばしてくれ」
ギンジ「承知しました」
ギンジが本気の速度で移動を開始して30分、くろむたちは遠目に海を視認し、
その端に巨大な要塞があることを確認した。
くろむは相手を刺激しすぎないようにギンジに速度を落とすことを指示し、
しばらくすると要塞に辿り着いた。
くろむ「到着っと♪」
レオナ「まさかここまでを数時間でこれるとはね……」
アキナ「くろむ基準だとそんなもんだよ♪」
「常識で考えると驚きすぎて疲れちゃうわよ」
レオナ「あははは………… 仲間からもそんな扱いなのね……」
くろむ「……」
アキナ「愛されて頼りにされてるって思いなさいよ♪」
くろむ「はいはい」
「まぁ、タカシくんに会いにいくぞ」
くろむは、要塞の入り口らしき場所に向かった。
そこには巨大な門があり、鍵がかかっていて門は開きそうになかった。
話し合いに来て門を壊すわけにもいかないくろむは、
門前から大声で叫ぶことにした。
くろむ「くろむだ~~!!!」
「俺と話がしたいんだろ? ここを開けてくれ~~~!!!!」
タカシ「遅かったじゃないか、待ちくたびれたよ」
「門は開けるから入っておいで」
巨大な門は大きなを音を立てて開いた。
自動で開く門に驚きつつもくろむは誘われるがままに中へと入っていった。
中に入るとそこは転生者が急造で作ったものとは思えないような光景であった。
映画などで描かれる近未来の都市を彷彿させるような内装であった。
タカシ「どうだい? 驚いた??」
くろむ「あぁ、かなりな」
「まさかこの世界で元の世界より進んだ文明を感じることがあるとは
思ってもみなかったよ」
「これが鍛冶の神より与えられた金属を支配する力の結果か?」
タカシ「なんでそれを……」
「って、レオナじゃん!!!」
「西の大陸に行ったんじゃなかったの??」
レオナ「ひさしぶりね、確かに行ってたわよ」
「ただ、そこでくろむと出会った結果、
仲間になったってところかしらね」
タカシ「ふぅ~ん」
「くろむ、まさか西の大陸に行ったの?」
くろむ「あぁ、手荒い招待状が届いたんでな、遊んできたさ」
「そんなことより俺と話ってなんだ?」
タカシ「あぁ、それなんだがな」
「くろむを転生させた神はカオスって神で当ってるか?」
くろむ「当ってるけど、なぜそれを?」
タカシ「ヘパイストスから聞いたんだよ、あいつはカオス派らしいぞ」
「そうくろむに言えばわかるって言われてな」
くろむ「そういうことか……」
「今、カオスたちが神界でクーデターみたいなものを起こそうとしてる」
「創造神のことが気に入らない連中が創造神を倒そうとな」
「そして、カオスが俺をその神輿に選んだらしいわ」
タカシ「神輿?」
くろむ「俺がこの大陸を平定して、転生者たちと協力関係を気づいたら、
神への試練を受けさせて、俺を半神にするらしい」
「そして、半神となった俺が創造神を倒すという話らしいよ」
「神は神を傷付けれないというルールの盲点がこれらしい」
タカシ「なんかとんでもない話だな」
くろむ「俺もそう思うが、俺の作りたい世界に今の創造神は
邪魔でしかないからな、俺にも利のある話なんだよ」
タカシ「んで、俺にくろむの部下になれと?」
くろむ「いや、対等な協力関係でいい」
「互いに不可侵の約束とできればうちへの技術協力?かな」
「特にこのゴドラがタカシの技術に興味津々だしな」
タカシ「まぁ俺は争いとか基本好きじゃないからな」
「この得た能力と技術を使って楽しく生活したいだけだ」
「ゴドラってやつは……
センスと才能がありそうなら弟子にでもしてやるよ」
ゴドラ「くろむ殿の許可が得れるのであれば、お願いしたいですね」
くろむ「タカシが許可するなら構わないさ」
ゴドラ「ありがとうございます」
タカシ「この話のあとにでも、少し技術を見せてもらって判断するよ」
くろむ「で、どうだ? 俺と協力関係にならないか?」
タカシ「くろむの国の噂は聞いてて興味はあったんだ」
「その申し出を受けるよ」
くろむ「ありがとうな」
こうして、くろむは無事タカシとの会談を終え、
タカシとの協力関係を気づくことに成功した。
また、ゴドラの弟子入りも許可され、これからより一層アイギスの
技術力向上にも期待が持てるようになった。
次はハイエルフとの会談だなと気が重くなるくろむであったが、
タカシの要塞にガイアと繋いだ次元扉を設置し、
いつでも遊びにきてくれと伝え、くろむたちは帰国した。




