63話.アスモデウス
アスモデウス「2番手はわたしが行かせてもらいますね」
悪魔たちの2番手として登場したアスモデウスは、
レヴィアタンとは全く異なる容姿をもっていた。
4枚の漆黒の翼をもつ美女であり、そして手には二又の大きな槍を持っていた。
くろむは、美女を攻撃するのは嫌だなぁと感じつつ、
同じ槍使いとして共感を覚えていた。
くろむ「こんなところで俺と同じ槍使いに会えるとは思わなかったよ」
アスモデウス「あなたも槍を得意としてるのね、
ならば槍同士で競うのはいかが?」
くろむ「それいいね!」
「楽しそうだし、それでいこう♪」
くろむがそう言うと、両者槍を構えて対峙した。
同じ槍使いではあったが、くろむは両手に1本づつ片手用の氷槍を持ち、
アスモデウスは、大きな両手用の二又の槍を構えていた。
先手をとったのはくろむであった。
右手の氷槍にて、顔・左肩・左肘を狙った高速の3連の突きを放った。
対するアスモデウスは、顔を狙った突きを柄の部分で受け止め、
残りの2連の突きを身体を左方向に捻ることで躱す。
アスモデウスは、躱した際に得た遠心力をそのまま使って
横なぎを放った。
3連突きを放つことで前のめりになっていたくろむの左側から放たれた
アスモデウスの横なぎをくろむは回避不可と判断した。
左手の氷槍の切っ先にて、アスモデウスの両手槍を一瞬受け止め、
次の瞬間上空に流した。
流されたことにより、アスモデウスの横なぎはくろむの頭上を
通過することになり、一瞬ではあったがくろむに背を見せることになった。
くろむは、その隙を逃すことなく、右手の氷槍で背中を目掛けて
5連続の高速の突きを繰り出す。
体勢的に躱すことのできないアスモデウスは、
4枚の漆黒の翼を重ねることにより分厚い壁を生成し、
それで受け止めようと試みた。
狙い通りくろむの突きを翼で作った壁に突き刺させることで
絡めとることに成功した。
狙い通りの展開にアスモデウスは、口元を緩ませたが、
次の瞬間、驚愕の表情へと変わることになる。
くろむは、翼の壁に突き刺さった氷槍に魔力を注ぎ込むことにより、
アスモデウスの翼の壁を氷づけにしたのであった。
予想外の事態にアスモデウスは、一瞬ではあったが動きが止まった。
その一瞬の隙をつくように、くろむは左手の氷槍で
アスモデウスの足を横なぎした。
それにより両足の腱を切断されたアスモデウスは、両膝をついて倒れた。
くろむは右手に氷槍を再生成させ、アスモデウスの首すじに
穂先を触れさせた。
くろむ「チェックメイト」
「これで降参してくれると、殺さずに済んでありがたいんだけどな?」
アスモデウス「ま、まだ負けたわけじゃない!!!!」
アスモデウスは、全身より魔力を放出し、くろむを吹き飛ばそうとした。
しかし、アスモデウスから放たれた膨大な魔力の波は
くろむの強奪眼に全て吸収されていった。
アスモデウスは「なっ……」
「あなたは何者なのだ……」
くろむ「そこにいるレオナと同じ転生者だよ、ただの人間さ」
アスモデウス「転生者を人間と呼ぶのは無理があるよ、忌々しい……」
レオナ「……」
くろむ「存在も能力もふざけた存在であることは認めるよ」
「でも俺は色々な種族で仲良く楽しくやっていきたいだけなんだよ」
アスモデウス「変な奴だな……」
くろむ「でさ、まだやるのか?」
「槍の勝負っていう縛りがあったから、まだ死んでないけどさ
さっきみたいになんでもアリなら死んでもらうことになるぞ?」
アスモデウスは「……」
「槍の力で負け……」
「なんでもありにしたところで勝機のかけらすら
見えそうにないわね……」
「いいわ、負けを認めるわよ」
くろむ「ありがとうな、約束通りとりあえず従属させてもらうぞ」
くろむは、アスモデウスを従属眼でみた。
アスモデウスは即座に従属を受け入れ、くろむの配下となった。
くろむ「受け入れてくれてありがとな、まずは回復だな」
「ヒーリングウォーター」
くろむの治癒魔術によりアスモデウスの凍り付いた翼や
断裂していた両足の腱が回復した。
くろむ「とりあえず治療はこんなもんでいいだろ」
アスモデウス「なんて威力の治癒魔術…… こんな一瞬で…………」
くろむ「そんなことはどうでもいいよ、あとはお前の名前だな」
「アスモデウスとか長すぎて呼びにくい……」
「ん~…… アモン」
「今からお前の名前は<アモン>だ!」
くろむがそう宣言した瞬間、くろむから膨大な魔力がアモンに注ぎ込まれた。
アモン「はぁ!!!????」
「7大悪魔である私に名づけとか、死にたいの!????」
「って、なんで気すら失ってないのよ!??????」
くろむ「まぁ俺って魔力バカだからさ、最近魔力が尽きるとかないの」
アモン「はぁ……」
くろむ「何はともあれ、これでアモンもさらに強くなったし、問題ないだろ?」
アモン「強くなっても、ちっとも追いつけた気がしないわ……」
くろむ「本来なら従属したらお決まりの説明タイムなんだが……」
「今回は全員の従属が終わってからな」
アモン「何の説明があるのかすらわからないし、それでいいわよ」
「全部終わったら、説明とやらよろしくね」
くろむ「あぁ、あとでな」
「ということで、サタン」
「次はどいつだ?」
「今のを見て棄権するやつとかいると楽でいいんだけどな?」
サタン「お前が強いのはよくわかったが、戦いもせずに降参などせぬよ」
くろむ「そういうとは思ってたよ……」
「んじゃ、次のやつどうぞ」
くろむの言葉に反応した者が舞台に向かって歩き出した。




