6話.冒険者ギルド
アキナに連れられてやってきた店は・・・
見た感じはいかにもゲームによくある酒場といった感じだった。
ルーナ「いらっしゃ~い♪」
「あら、アキナじゃない!」
「ん? 隣の彼は・・・・」
「ついにアキナも男性に興味をもったのね! おねーさん嬉しいわ♪」
アキナ「ち、ちがいます!!!」
「か、彼はくろむさんといって、わたしの命の恩人なんです」
ルーナ「へぇ~、そういうことにしといてあげるわ♪」
アキナ「もぉ・・・」
ルーナ「はじめまして、くろむくん♪」
「うちは、このお店の看板娘をしているルーナよ♪」
「よろしくね♪♪」
くろむ「よ、よろしくお願いします」
(この人自分で看板娘っていったよ・・・)
(確かに可愛いとは思うけど・・・)
アキナ「今日はくろむさんにお礼としてご馳走するので、
おススメをじゃんじゃん持ってきてください」
ルーナ「それはいいけど・・・」
「じゃんじゃん持ってきて、お金大丈夫?」
アキナ「ぅ・・・・」
「ほどほどでお願いします・・・」
ルーナ「は~い、あっちのテーブルがあいてるから座って待ってて♪」
ルーナに言われた席で座って料理がでてくるのを待っている。
(可愛い子と二人で酒場・・・)
(テンプレとしてはここで絡まれるのかね・・・?)
そんな物騒?なことを考えていたが、実際にはそんなことは起こらず、
テーブルの上には美味しそうな料理が並んだ。
エビチリっぽいもの、チンジャオロースっぽいもの、
チャーハンっぽいもの、春巻きっぽいもの・・・・・・
(中華だらけだな・・・)
(好きだからいいけどさ)
そんなことを思いつつ、春巻きっぽいものから食べてみた。
アキナ「ど、どうですか?」
「お口にあうといいんだけど・・・・」
くろむ「・・・・・・・」
アキナ「・・・・・・」
くろむ「・・・・ うまい!!!!」
春巻きっぽいものはすごく美味しかった。
日本で食べていたものよりも美味しいんじゃないかな・・・・
お腹を空かし、美味しいものにも飢えていたくろむは
ものすごい勢いでテーブルの上の料理を平らげていった。
くろむ「ふぅ~・・・・」
「すげー旨かった!」
「あ、ごめん・・・ ほとんど一人で食べちゃったよね・・・」
アキナ「それは気にしなくていいですよ!」
「くろむへのお礼なんだからさ」
「それよりもお口にあったみたいでほっとしたよ」
くろむ「うん、すっごい美味しかった」
「ホントにありがとな」
アキナ「どういたしまして♪」
正直、日本で食べていた料理よりこのお店の料理は美味い。
これは「アタリ」の異世界にこれたってやつかもしれない。
アキナ「それにガッツリご飯を食べる男性は素敵です・・・・(ボソ)」
くろむ「ん? なんか言ったか?」
アキナ「!!!」
「い、いえ! 何もいってませんよ!!」
「それより少し休憩したら、<冒険者ギルド>にいきましょう」
「ギルドへの登録と銀鉱石の売却をしないとですしね」
くろむ「そうだな、悪いけどもう少し案内をよろしく」
アキナ「はい♪」
なんだか期限のいいアキナと談笑しながら少し休憩をし、
ふたりで冒険者ギルドへ向かった。
アキナ「今は昼間なので、きっとギルドはすいていると思いますよ」
くろむ「そういうものなのか?」
アキナ「はい」
「朝にクエストを受けて、昼に消化、夜に報告という人が
多いですからね」
くろむ「なるほどね」
ついでにお金について、冒険者についてをアキナから教えてもらった。
・お金の種類は<銅貨><銀貨><金貨><大金貨><白金貨>の
5種類であり、
100銅貨 = 1銀貨
100銀貨 = 1金貨
100金貨 = 1大金貨
100大金貨 = 1白金貨 であること。
・ギルドのランクは<SSS>~<F>が存在し、
入会時は<F>からスタートすること。
・<C>ランクまではクエストのクリア実績のみでアップ可能であること。
・<B>ランク以上にはクリア実績にプラスして、
それぞれのランクに見合った試験を合格する必要があること。
・一般的に<B>ランクから一流とみなされるらしい。
・<SSS>ランクの冒険者は「戦略級の戦力」とされ、
現在3大国に一人づつ存在していること。
(マインには<S>までしかいないらしい)
・クエストは同ランクのもの、
もしくは前後1ランク違いのものを受注できること
だいたい、よくある異世界ものの話と同じような内容であった。
くろむ「だいたいのことはわかったよ、ありがとな」
アキナ「いえいえ」
「それにきっと記憶を失う前のくろむなら知ってたことだと思うよ」
くろむ「そうかもしれないけど、今の俺にはありがたいことだよ」
アキナ「お役にたてたならうれしいです♪」
そんな会話をしているうちに、<冒険者ギルド>に着いたので、
機嫌がよさそうなアキナと共に冒険者ギルドに入ることにした。