表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の戯れ~暇すぎるので転生させてみました~  作者: 日向ぼっこ
1章.サバイバル編
5/104

5話.自由自治国家:マイン



ナビ 「誰か他の人が近くにいるときは黙っておくね」



くろむは、無言でナビに頷いた。

(俺以外に見えないナビと話してるところを誰かに見られたら、

 絶対に不審者にみえるよね・・・)




くろむ「とりあえず、無事でよかった」


   「ここは、洞窟の出口に近いのか?」


アキナ「逃げ回っていたので、正確ではないのですが・・・」


   「たぶん、徒歩10~20分ほどで外に出れると思いますよ」


   「・・・・・」


   「くろむさん!!!」


くろむ「ん?」


アキナ「命を助けて頂いた上、大変失礼なお願いだと思うのですけど、

    よろしかったら街まで護衛していただけませんでしょうか?」


くろむ「こんな可愛い子のお願いを断ることはできないし、

    俺でよければ護衛させていただくよ」


アキナ「か、かわいい・・・?」


くろむ「相当可愛いと俺は思うよ」


(ナビ「じーーーーーーーー」)


アキナ「え・・・・」


   「くろむさんって変わってますね・・・」


くろむ「そうか?」


   「そんなことより敬語と「さん」付けはやめてほしいな

    そういうの苦手なんだ・・・・」


アキナ「わ、わかりま・・・   わかったよ」


   「くろむさ・・・   くろむ、色々ありがとね」


くろむ「他の魔物が襲ってきても面倒だから、そろそろ街までいこうか」


アキナ「は、はい!!」


くろむ「護衛はするけど、道はわからないから案内は任せるね」


アキナ「はい! 案内はまかせて!」




二人は出口に向けて歩き出した。

道中、数回魔物と遭遇はしたものの、くろむが瞬殺を繰り返し、出口を目指す。



そして、二人は色々なことを話した。

 

 ・くろむは記憶喪失であり、この洞窟の最奥で目が覚めたこと。


 ・とりあえず外を目指して洞窟を探索していたこと。


 ・この洞窟は<森の洞窟>と呼ばれていること。


 ・最寄りの街であり目指している街は<自由自治国家:マイン>であること


 ・<森の洞窟>から<自由自治国家:マイン>は徒歩1時間ほどのこと


 ・アキナは鉱石の収集のために<森の洞窟>まできていたこと。


 ・そこでオークの群れに襲われていたところを助けてもらったこと。



(転生者であることとかは、バレたらたぶん面倒だろうし、

 隠しておかないとね)




くろむ「鉱石収集のためにこの洞窟まできたのはわかったけど

    一人でくるのは無謀だったんじゃないのか?」


アキナ「この洞窟の鉱脈は入り口に近いところに固まってるの」


   「入口付近は<うさぎ>や<狼>の魔物しか本来はいないの」


   「だから、さほど危険はないはずだったんだけど・・・」


   「なぜかオークがいたのよ・・・」


   「でも群れでなく、4匹だけだったのは運がよかったよ」




本来、オークは20匹以上の単位の群れでいるものらしい。




ナビ 「くろむがボコボコにしたオークの群れの生き残りが

    外に向けて逃亡してたんじゃ・・・・・」




まさか、そんなことは・・・・

と思いつつも、否定できないくろむ・・・・・



(アキナが襲われたのは俺がちゃんと狩りきらなかったせいか・・・・)



罪悪感を覚え、自分が狩り洩らしたオークだったのかもしれないことを

アキナに伝えた。



アキナ「そ、そんなことは気にしなくていいですよ!」


   「本当にそうなのかもわからないですし・・・・」


   「むしろ、そんな群れを一人で倒せちゃうなんてすごい・・・・」




アキナはそう言いつつ、尊敬のまなざしをくろむに向けた。


謝罪をしたら、尊敬されるとか・・・・

そんな会話をしているうちに、二人は外に到着した。




アキナ「でれたぁ~~!」


くろむ「思ったより時間がかかったな」


アキナ「自覚している以上に逃げ回ってたみたいです・・・」


くろむ「アキナが無事だったんだし、よかったよ」


アキナ「・・・・そうだ!」


   「街についたら、お礼を兼ねてお食事をご馳走させてください!」


   「ご飯の美味しいお店を知ってるんです♪」


くろむ「いいのか?」


アキナ「もちろんですよ!」


くろむ「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ」




くろむは、

手持ちのお金がないこと

洞窟内で銀鉱石を回収したので、それを売り払いたいこと

をアキナに伝えた。




アキナ「街への入門料は、お礼の一部としてわたしに払わせてください。」


   「銀鉱石は<冒険者ギルド>で買い取りしていますよ」


   「わたし、一応冒険者ギルドに所属している冒険者なの」


   「食事のあとにご案内しますね」


くろむ「そこまでしてもらってもいいのか?」


アキナ「命の恩人さんが遠慮なんてしないでください!」


くろむ「ぅ・・・」


   「・・・正直助かることだから、好意に甘えさせてもらうよ」


アキナ「はい!」




二人は<ルイン>に向けて歩き出した。


しばらく歩くと高い壁に囲まれた街と大きな門が見えてきた




アキナ「あれが<自由自治国家:マイン>です。」


   「この大陸内で唯一3大国の領土外の街であり、

    都市そのものが一つの国家になってるのよ」


   「まぁ3大国それぞれから色々と政治的な力が働いてるから

    色々と政治方面は面倒なことが多いらしいけど、

    それでもこの大陸内でもっとも自由で平等な街でもあるわ」


くろむ「へぇ~」




<自由自治国家:マイン>は貴族制議会政治をしているらしい。

貴族は、3大国出身のものが等しい数だけ存在しており、

議長が<自由自治国家:マイン>の国家元首にあたる。


議長は10年の任期で、国民の投票で選ばれ、

その他の議員は貴族の中から選出される。


3大国からそれぞれ3名づつの議員が選出され、

議長を含めた10人の議員で<自治議会>が運営されている。


そんな内情のため<自治議会>は空転することも多く、

議長は頭を悩ませることが多くなるそうだ。




くろむ「聞いてる限りでは、面倒ごとが多そうで、

    自由とは程遠いイメージなんだけど・・・・」


アキナ「この国は自国の軍隊というものを持たない代わりに、

    冒険者ギルドが軍事力を担当してるの」


   「冒険者ギルドは、世界中に展開していて、

    もちろん3大国にも存在するわ」


   「3大国といえども冒険者ギルドにはお世話になっており、

    冒険者ギルドを軽視はできないのよ」


   「<自治議会>のいびつな状況を<冒険者ギルド>の力と影響力で緩和して

    なんとか<国>として機能させているといった感じかしら」


くろむ「ん~、冒険者ギルドに所属して、一定以上の地位を得れれば、

    ここほど<自由>なところはないってことか」


アキナ「まぁ、そんなところね」




そんな話をしながら、<門>に入るための行列の最後尾に並ぶ。




アキナ「くろむは身分証持ってる?」


くろむ「元々はもっていたのだろうけど、目覚めたときにはなかったな」


アキナ「そっかぁ・・・・」


   「本来なら門番さんに身分証を見せて門の中に入るのよ」


   「でも、悪人とか以外なら仮滞在の身分証なら門で発行できるから

    それを発行してもらえるようにわたしが話をしてみるね」



   「ないとはおもうけど・・・・」


   「悪人さんじゃないよね・・・?」


   「身分証発行には<ステータスボード>を見せる必要があって、

    犯罪履歴の情報は隠せないからさ・・・・」


くろむ「犯罪者ではないと思うよ」


   「<ステータスボード>を見る限り、そんなことは書いてないしね」




そういいながら、くろむは自分の<ステータスボード>を

アキナに見せた。


(ステータスの<偽装>をしておいて助かったよ)



アキナ「ん~、たしかに犯罪歴とかはなさそうね♪」


   「でもこのステータスってわたしより少し強いぐらい・・・・」


   「これでよくあの圧倒的な強さに・・・・」


   「あっ! ごめんなさい・・・」


   「ステータスの詮索はマナー違反だったわ・・・」


   「ごめんね・・・・」


くろむ「そこまで気にすることないよ!」


   「俺の場合、きっと記憶喪失前に槍術とかがきっと得意だったんだよ

    体はそれを覚えてるってことじゃないかな」


アキナ「そ、そっかぁ~」


   「そういうこともあるかもね!」




行列はくろむたちの順番になった。




門番 「身分証をみせてくれ」


アキナ「はい、わたしのはこれです」


   「ただ、この人はどうも記憶喪失になっているらしく・・・・」


   「洞窟で助けて頂いた人なので、仮滞在の身分証の発行を

    お願いできませんでしょうか?」


門番 「君はたしかランクCの冒険者だったよね?」


   「その君を助けれる力を持っているなら発行自体は問題ないよ」


   「ただ、決まりだからね<ステータスボード>の確認はさせてもらうよ」


くろむ「それは構いませんよ」




そういうと、くろむは自分の<ステータスボード>を門番に見せた。




門番 「ん~、特に問題のあるものはなさそうなので、身分証を発行しよう」


   「発行は中の宿舎でするから、中についてきてくれ」




くろむは門番に引きつられ宿舎に入っていった。




門番 「はい、これが仮滞在の身分証だ」


   「期限は3日」


   「期限をすぎても滞在していた場合は、

    重罪人となり奴隷落ちすることになるから気をつけてな」


くろむ「はい、わかりました」




くろむは<指輪>を手渡された。

おそらくこれが身分証となるのだろう。




門番 「君の強さなら<冒険者ギルド>に登録するといいよ」


   「冒険者ギルドで発行される冒険証は身分証になるしね」


くろむ「わかりました、色々とありがとうございました」




くろむたちは、門番にお礼をいうと<ルイン>の街中へと向かった。




アキナ「ふぅ~~~~♪」


   「無事かえってこれたわ・・・・」


   「これもくろむのおかげね!!  ほんとありがと!」


くろむ「可愛い子を助けるのは当然だから気にするなよ」


アキナ「か、かわいい・・・・」


   「・・・・ またそうやってからかうんだから・・・・」


くろむ「ほんとのことなんだけどな・・・・」


ナビ 「あんたはほんとに・・・・・」



なぜかナビは呆れた声でそう言ってきた。




アキナ「じゃ、じゃあ! さっそくお礼をするためにご飯にいこ♪」


くろむ「おう、ちょうどお腹もすいてた頃だしな」


アキナ「味は期待してくれていいよ♪」


   「ルインでも指折りの美味しいお店だからさ♪」


くろむ「そんな店って高いんじゃないのか?」


アキナ「そこは大丈夫!」


   「旨くて安い!!! を売りにしているお店なの♪」


   「まぁその結果貴族さまたちには睨まれてるみたいだけど、

    庶民たちには嬉しいお店なのよ♪♪」


くろむ「ほぉ、かなり好感がもてそうなお店だな!」


アキナ「うんうん♪」




出てくる料理に期待しながら、

ふたりはアキナおススメのお店まで歩いていった。


ゴブ太のご飯に比べたらなんでも・・・ と考えていたのは内緒であった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ