43.5話 閑話 ~カルロ奮闘記②~
カルロは宿に併設されている酒場で休息をとっていた。
マインに依頼した謁見の手筈が完了するのを待つためだ。
カルロ「謁見前にさすがに酒を飲むわけにはいかないしな・・・」
カルロは酒場のおススメという<ハチミツホットミルク>を飲んでいた。
すると、ふと背後に人の気配を感じ振り返ると、声をかけられた。
狐人族「カルロ様ですか? わたくしはマイン様の配下のスミレと申します」
カルロ「俺がカルロであってるよ、スミレ嬢」
「マインの準備が終わったからのお迎えってことか?」
スミレ「はい、例外的に急遽決まった謁見ですので、
申し訳ありませんが、今から向かっていただくことになります」
「ご準備は問題ありませんでしょうか?」
カルロ「あぁ、問題ない」
「案内を宜しく頼む」
スミレ「わかりました、ご案内致します」
宿をでると、豪華な馬車が止まっていた。
スミレ「どうぞ、こちらにお乗りください」
カルロ「立派すぎて気後れするけどな・・・」
スミレ「王城へ登城するためのものですので、
儀礼的な意味も含めて豪華さが必要になるのですよ」
カルロ「へぇ・・・ この国がそういう形を気にするとは意外だな」
スミレ「力あるものはそれをわかりやすい形で誇示する」
「これも大切なことなのです」
カルロ「上のものへの憧れ、上のものからの威圧」
「そのためにわかりやすい形で・・・ ってところかね」
スミレ「おおよそは、その通りです」
「では、王城へ向かわせて頂きます」
カルロは王城へ向かう馬車の中から王都を眺めていた。
噂通り多種多様な種族が住んではいるが、
見た目からわかるほど屈強そうな者が横柄な態度をとり、
身体的に劣っていそうな者がそれに耐えている姿をちらほらと見かけた。
カルロ「多種多様な種族が一緒に暮らす・・・・」
「ここだけは兄貴の理想を実現はしているが・・・」
「力のみを崇拝すると、こういうことになっちまうわけか・・・」
「・・・ 俺も注意しないとってことかもな・・・・・・・・・」
王都の光景を見ながら、我が身への啓発をし、新たに心に誓っていると、
馬車は王城についた。
スミレ「申し訳ございませんが、ここからは徒歩での登城になります」
「王城では、マイン様がお待ちになっております。」
「そちらまでお連れ致します」
カルロ「わかった、頼む」
王城の中まで入ると、スミレの言った通りマインが待っていた。
マイン「おう、カルロ! やっと来おったか!」
カルロ「待たせちまったみたいだな、謁見の話ありがとな」
マイン「まぁ、それはいいんじゃがな・・・」
「予想通りといえば予想通りなのじゃがな・・・」
「王がお前に興味をもってしまってな」
「謁見の場が、演舞場でってことに・・・ な」
マインは、苦笑しながら言った。
カルロ「演舞場でってことは、挨拶とかもすっとばして<力を示せ>か?」
マイン「有り体に言えば、そういうことじゃ」
「ワシを負かした男であり、いきなり建国宣言した男に心酔する者・・」
「まぁ、興味を持たぬわけはないのじゃがな・・・」
カルロ「ようするに、今のところ高評価ってことじゃねーか」
マイン「高評価というよりは、期待値が高いってところかの」
「その分、今からの演舞はカルロにとって重要なものになるのじゃ」
カルロ「まぁ、要するに勝てばいいだけさ」
「ただ、ルールはちゃんと決めてくれよ?」
「攻撃したら、王への狼藉だ!とかは勘弁だぞ?」
マイン「王から依頼する演舞じゃ、ルール違反でもない限り問題はない」
「ルール自体は王が宣言するじゃろうて」
「ルール内容に不服があれば、その場で言えばよい」
「王をあまり待たせるわけにもいかぬし、早速向かうのじゃ」
カルロ「案内、頼む」
マインに連れられて演舞場につくと、
中央に屈強そうな虎人族の男が立っていた。
マイン「あの方が、我が国の王である<獣王ダイン>様じゃ」
マインより紹介されたカルロは、ダインに近づき頭を下げた。
カルロ「獣王ダイン様、お目にかかれて光栄です」
「また、急なお願いにもかかわらず、
こうして謁見させて頂き、ありがとうございます」
ダイン「そちがカルロか?」
「マインの奴から報告は受けている」
「余が獣王ダイン、マインからの報告を聞いたら
身体が疼いてしまってな」
「このような場所での謁見にしてしまって、すまないな」
カルロ「お会いして頂けているのに、場所の指定など贅沢はいいませんよ」
ダイン「マインより余に話と願いがあるとは聞いているが・・・」
「まずは、<余に力を示せ>!!!」
カルロ「もちろん示させて頂きますが・・・」
「その前にルールをお伺いさせて頂きたい」
ダイン「そうだな、まず相手を殺さないこと」
「面倒だし、それだけでいいかの・・・」
「・・・ おぉ、そうだ」
「そちの力が相当のものであることはわかっている」
「探り合いの駆け引きも楽しくはあるのだが、そちの本気がみたい」
「よって、ルールは・・・・」
「3合以内の勝負とする」
「ようするに初撃より互いに本気でいけということだ」
「殺すなのルールも若干変更を加える」
「<できるだけ殺すな>にする」
「なぁに、余はタフさにも定評がある、殺す気で来ればよい」
「それで仮に余が死んでも罪は問わぬ」
マイン「!!!! 王よ!!!!!」
ダイン「マインよ、お前は余を信じれぬのか?」
マイン「申し訳ございません、仰せの通りに・・・」
ダイン「うむは、このルールで良いか?」
カルロ「俺はそれで問題ありませんよ」
マイン「で、では、この演舞、ワシが審判をやらせてもらうのじゃ」
ダインとカルロは演舞場の中央にて、対峙した。
その瞬間、ダインから強大な闘気が溢れだした。
カルロ「マジで化け物だな・・・」
「これをどうやって突破しろってんだ・・・」
「やるだけやってみるしかないか!」




