39話.束の間の休息②
アキナ「そういえばさっき言ってたことなんだけどさ・・・」
「新しい国の首都ってこの里じゃないの?」
くろむ「ん~、それも考えたんだけどさ
ここはあまり人が出入りしていい場所じゃないと思うんだ」
「でも首都に出入りの制限がかかっている国ってなんか変だろ?」
アキナ「あ・・・ たしかに・・・・」
「くろむはやっぱり色々考えているんだね!」
くろむ「流れでいつのまにかなってたって感じでもあるんだけどさ、
一応リーダーだしね・・・」
「まぁ・・・ じゃあどうするの?の案がまだなくてね・・・」
アキナ「そっか~、迷いの森が領土とすると都市を作る場所が・・・だね」
「まさか森の中に作るわけにもいかないもんね・・・」
くろむ「迷いの森かぁ・・・」
「ん~・・・ あぁ、その案もありなのか・・・」
くろむが一人思案しながら独り言をつぶやいていると、
ゴドラたちへの案内を終えたカインが声をかけてきた。
カイン「くろむ様、丁度良いところに」
「ご案内が終わり、建築の分担の調整の話が
終わったところでした」
くろむ「そうか、ありがとな」
「まだ色々と問題は起こるかもしれないけど、よろしくな」
「いつでも相談してくれていいからな」
カイン「ありがとうございます」
くろむ「ちょっとゴドラに話しがあるんだけど、今どこにいるかわかるか?」
カイン「ゴドラ殿でしたら、多分まだあちらの建屋におられると思います」
「ご案内いたしましょうか?」
くろむ「いや、直接自分でいくからいいよ」
カイン「承知致しました」
「所用がございますので、これで失礼させて頂きます」
くろむ「おう、よろしくな」
教えられた建屋に向かうと、
ゴドラは忙しなくなにか指示を出していた。
くろむ「よっ! 忙しそうなところ悪いな!」
ゴドラ「いえいえ、丁度指示を出し終えたところですよ」
くろむ「俺の都合で、種族丸ごとの引越しをさせて悪かったな」
ゴドラ「くろむ殿に忠誠を誓っているのですから、
お側に住まわせて頂けるのは光栄の限りですよ」
くろむ「まぁ、お世辞半分として聞いとくわ」
「そんなことより、ドワーフで一番鍛治に優れてる奴って誰だ?」
ゴドラ「それは俺になりますね」
「ドワーフ族は代々もっとも優れた鍛治技術を持つものが
族長になる習わしですからね」
くろむ「血族で回してるわけじゃないのか?」
ゴドラ「我らドワーフ族は小規模種族なのです」
「能力重視にしないと、存在意義である技能が薄れていってしまい、
滅ぶことになりかねないのですよ」
くろむ「そういうもんなのか」
ゴドラ「そんな俺に何かご依頼ですか?」
くろむ「最初の鍛冶場ができてからでいいんだけど、
とりあえずアキナの防具とカルロの武器と防具の依頼だな」
ゴドラ「鍛冶場はとりあえず今日中には完成予定なのですが、
どのような物がよろしいでしょうか?」
アキナ「わたしはスピードで翻弄するタイプだから、
動きを邪魔しなくて軽いのがいいな」
「でも急所はしっかりガードする感じが嬉しいな♪」
くろむ「アキナのはそれで頼む!」
「カルロのは武器が片手長剣と片手短槍の二刀?流で
あいつもスピードや手数で押すタイプだから
防具のコンセプトはアキナにものに近いので頼む」
ゴドラ「承知しました、3日ほどお時間をください」
くろむ「わかった、任せる」
「あと同時作業で、他の竜人族の装備一式も頼む」
「具体的にどんなのがいいかは、5竜人たちに聞いてくれ」
「それぞれの部隊に即したものがあるだろうしな」
「ただし、現時点で作れる良品で揃えること」
「すぐには戦争をする気はないけど、準備だけは怠りたくないからな」
ゴドラ「承知しました、ただ材料が不足するものと思われますが・・・」
くろむ「材料は、ゴブリン隊と竜人族を使って集めてくれ」
「ゴブ太とカインには、ゴドラの頼みを聞くように言っておくよ」
ゴドラ「ありがとうございます」
「作業は俺が認める職人たちに総がかりでやらせます」
「ただ1000人分となると1~2週間はほしいですね・・・」
くろむ「ある程度はしょうがない」
「だが、できれば建国宣言には間に合わせたい」
「無理を言ってすまないができる限り頼む」
ゴドラ「くろむ殿に頭を下げられたら、断れませんよ」
「わかりました、一週間を目指して頑張ります」
くろむ「すまないな・・・」
「今度ルインで一番いい酒をいっぱい買ってきて差し入れるよ」
ゴドラ「酒で釣られたら、頑張っちゃうのも我らですよ」
そう言って笑うゴドラに労いをしつつ、建屋をでる。
隠れ里の西部は森林地帯らしく、
特に見て回るものはないとのことなので、ルームに帰ることにした。
くろむ「あんまりデートって感じじゃなくてごめんな・・・」
「これじゃ見回り・・・ だよな」
アキナ「何を言ってるの?」
「十分デートだったし、いっぱいお話もできたし・・・」
「楽しかったよ!!」
くろむ「俺も楽しかったよ、また時間を見つけてデートしような」
「今度はどこかの街でもぶらつきたいね」
アキナ「嬉しいな♪」
「でも、くろむは忙しい身なんだから無理はしないでね?」
くろむ「あぁ、わかったよ」
「でもアキナとのデートのためなら無理はさせてほしいな」
アキナ「もぉ・・・・」
ルーム内のくろむの自室にて、
くろむとアキナは久しぶりに夜遅くまで語り合って過ごした。
くろむは自分が守りたいものを
改めて強く認識し直すことになった1日であった。




