37話.ドワーフ族②
ゴドラたちと共にただただ広がる草原にたどり着いたくろむたち。
くろむ「確かに目が覚めた草原にそっくりだ」
「なんか感慨深いものがあるな・・・」
ゴドラ「なんの話だ?」
くろむ「仲間になってもらうまでは話せない話だよ」
「色々と秘密が多い集団でもあるんでな」
ゴドラ「まぁ力の証明をしてくれて、
配下になったあとなら教えて貰えるなら別にいいけどな」
くろむ「配下になったら全部話すさ、秘密は好きじゃないんでね」
「さて・・・」
「実際に見せるけど、ここから向こう10キロほど
魔物以外はなにもいないんだろうな?」
ゴドラ「基本的にはここは誰もおらん草原だ」
「もしものときは、運がなかったってことでいいだろう?」
くろむ「・・・」
「命を運で片付けるのは嫌いだ!!!」
「ギンジ! カルロ!!」
「周囲10キロに魔物以外がいない確認をしてこい」
「時間は5分以内だ」
ギンジ「かしこまりました」
カルロ「人使い荒いなぁ・・・」
そう言い残し二人は飛び出す。
くろむ「ゴドラ殿、少々お待ち下さい」
「あと配下になった後は、命を軽んじる言動は許さないので、
覚えておいてください」
ゴドラ「くろむ殿、いろいろ申し訳ない・・・」
ゴドラはくろむの圧力に怯えつつそう答える。
アキナ「わたしはいかなくてよかったの?」
くろむ「二人でたぶん大丈夫だし、アキナは隣に居てくれよ」
アキナ「わかったよ」
二人が甘ったるい空気を作り始めた頃、ギンジたちが戻ってきた。
くろむ「お前らはえーな!!」
ギンジ「お待たせしました、ここより左半分は問題ありません」
カルロ「ふぅ~、右半分も問題ないぜ」
くろむ「二人ともありがとな」
「では、ゴドラ殿、今からお見せしますよ」
「アキナ、ギンジ、カルロ」
「たぶん数分のはずだけど、その間頼む」
くろむは他のものたちより数歩前にでて、両手を前に突き出した。
尋常じゃない魔力がくろむに集まっていることは
ゴドラにもわかった。
くろむ「地獄大業火釜!!!」
くろむの予想通り、くろむは意識を失い・・・
目が覚めたときは、アキナに膝枕をされていた。
くろむ「アキナ、おはよう」
「ありがとうな」
アキナ「おはよう」
くろむ「ゴドラ殿はどうしてる?」
アキナ「あそこ」
「さっきから口を大きく開けたまま、微動だにしてないよ」
くろむはゆっくりと立ち上がり、ゴドラの元に向かった。
くろむ「ゴドラ殿、お待たせしました」
「これで証明になりましたか?」
ゴドラ「・・・」
「・・・ !!」
「すまん、あまりの威力に固まっておったわ・・・」
そして、ゴドラとそのお供がくろむに向かって跪いた。
ゴドラ「くろむ殿・・・ いや、くろむ様」
「先程までの無礼をお許し願いたい」
「是非とも我らドワーフ族を配下にお入れください」
くろむ「見事なまでに態度が変わったな」
アキナ「まぁあれを見たら、しょうがないよ」
カルロ「俺と戦ったとき、本当は6割も本気だしてなかっただろ・・・」
くろむ「たぶんだしてたよ♪」
カルロ「ちっ・・・ 絶対追いついてやる・・・」
くろむ「ゴドラ、こちらこそお願いする」
「配下の条件として、全員が俺に従属する必要があるが、大丈夫か?」
ゴドラ「問題はないと思います」
「一部反対するものもいるかもしれませんが、説得します」
くろむ「わかった、そこは任せる」
「あーこれはゴドラへのお願いなんだけど、
その敬語やめてくれ」
「さっきみたいな口調のほうが俺も気楽でいい」
ゴドラ「わかりまし・・・ わかった」
くろむ「じゃあ、とりあえず集落に戻ろうか」
「戻ったら、周辺にある集落のも含めて全員集めてくれ」
ゴドラ「わかった、帰ろうか」
くろむは疲労がまだ残っているため、ギンジの上で転がる。
そのまま、ゴドラたちとともに集落に戻っていった。
集落に戻ると大半のドワーフたちはゴドラに従ったが、
20人ほどの若者の集団のみ反対していた。
ゴドラのお手並み拝見と見ていたが、
ゴドラがその集団に対して、ドワーフという種族の未来と矜持を語り始めた。
転生者たちの状況が不明であるが、出会ってしまえば
そのまま破滅へと向かうことは容易に想像できること。
くろむという強者の庇護下にいれば、その脅威を退けることができること。
くろむはドワーフの鍛冶能力を高く評価してくれており、
我々の存在意義である鍛冶能力を生かせること。
それにより見るからに心が揺らいでいる集団に対して・・・
ゴドラは集落のみんなにも聞こえるような声で言った。
「ウダウダ言わずに俺の判断に従って、付いて来い!!!!!」
これにより全員がくろむに従属することを承諾した。
その後はいつもの作業・・・
ドワーフ族総勢300名全てを<従属>させ、一通りの<共有>を実施。
その後は、いつものナビ任せ。
くろむ「ナビ~、わるいけど、いつもの説明任せた~♪」
ナビ 「もうこの役回りなのは諦めて受け入れるわよ・・・」
くろむたちは、
説明の終わったドワーフたちを引き連れて
隠れ里に帰っていった。




