36話.ドワーフ族①
くろむが応接室に顔だした時には、
アキナとゴブ太とギンジとカルロがくろむを待っていた。
ゴブ太「主様、こちらがドワーフの集落を記載した地図になります」
くろむ「おう、ありがとうな」
くろむはゴブ太から受け取った地図を見る。
くろむ「洞窟の西方面のこんなに近いところにドワーフがいたんだな」
「そういえば、こっちの方面は探索したことなかったなぁ・・・」
アキナ「わたしと始めて出会った洞窟の奥側の出口って
こんなところに繋がっていたんだ」
くろむ「正確には繋がってなかったけどな?」
「怪しい壁をぶっ壊したら繋がったけど・・・」
カルロ「洞窟の壁ぶっ壊すとか・・・」
苦笑いするカルロを無視しつつ
くろむ「ま、そろそろいこか」
「あの洞窟にルームの出口あるし、すぐについちゃうけどね」
ギンジ「地図の印の場所までご案内しますので、
どうぞ我にお乗りください」
くろむ「いつもありがとうな」
ギンジに乗り込むくろむとアキナを見ながら、
カルロ「流石に俺は乗れそうにないな」
くろむ「ギンジは俺とアキナの二人乗り専用だからな!」
カルロ「あぁ、邪魔すんなという空気がよく伝わったよ」
アキナ「もぉ・・・」
照れるアキナは可愛いなと思いながら、ニーナに声をかけた。
くろむ「ニーナ~、
ウルフ隊の中で一番体の大きいやつ1匹連れて来てくれないか?」
ニーナ「おそらく、シャドーウルフになると思いますけど、
よろしいでしょうか?」
くろむ「カルロが乗れそうならなんでもいいよ」
ニーナ「承知致しました、今からお連れ致します」
5分ほどで、ニーナはシャドーウルフを連れてきた。
ニーナ「お待たせしました、こちらになります」
くろむ「乗れそうか?」
カルロ「なんとかギリギリ乗れそうだな」
くろむ「ニーナ、ありがとうな」
カルロ「ニーナ嬢ちゃん、ありがとよ」
ニーナ「お役に立てて光栄です」
くろむ「じゃあ、気を取り直していこか」
ニーナ「いってらっしゃいませ」
森の洞窟までルーム経由で出たくろむたちは、
地図に記載されているドワーフの集落まで向かい出した。
くろむ「ちょっと前まではここに住んでたのに、
なんかすごい久しぶりに来た気がするわ」
ナビ 「ここに住んでたころのくろむは、
のんびりで呑気に暮らしてたからね〜」
「ここをでたあとは、なんか忙なかったけどね」
くろむ「たしかになぁ~」
アキナ「ここでの生活に戻りたいときあるの?」
くろむ「それはないなぁ~」
「楽しくはあったけど、不便だったし、何よりアキナがいないしな」
アキナ「わたしもくろむと出会えてよかったよ・・・」
カルロ「兄貴たちは定期的に惚気ないとすまない病気なのか?」
「こりゃ、ナビも大変だったみたいだな」
ナビ 「共感できる人ができて僕は嬉しいよ」
くろむ「面倒だから、妬むなよ」
カルロ「妬むとは違うけど、まぁいいや」
「んで、ここから近いんだっけ?」
くろむ「地図の感じからすると、
あと10分ぐらいじゃないかなと思うんだが・・・」
アキナ「なんか人影?がうっすらとあそこに見えるよ?」
くろむ「お?」
アキナが指を指す方向を見ると、2人組の小さいおっさん?が目に入る。
くろむ「イメージにあるドワーフと一致はしてるけど・・・」
「とりあえず声をかけてみるか」
「すいませーーん、ドワーフの方々ですか?」
ドワーフ「なんじゃ? お主らは・・・」
「儂らは確かにドワーフじゃが・・・」
くろむ「東の洞窟付近から迷いの森までを拠点としているくろむといいます」
「訳あって、ドワーフの族長さんとお話がしたくて探していました」
ドワーフ「ぬ!?」
「ここらは我々の縄張りだぞ!」
(ここは、下手に・・・ 下手に・・・・・・)
くろむ「お気に触ったのならすいません」
「拠点の中心は迷いの森付近であって、
ここらまでが行動範囲内であるという意味です」
ドワーフ「あんな森が拠点じゃと?」
「あんなとこに人が住めるもんか、謀るつもりか?」
くろむ「そのような意図はありませんよ」
「あそこの森の先住民である竜人族と縁がありましたので、
配下契約を結べたというだけですよ」
ドワーフ「竜人族など、お伽話の種族じゃぞ?」
くろむ「彼が竜人族ですよ」
カルロ「おう、俺は竜人族だぞ?」
「丁寧な口調の話し方とか苦手だから、こんな話し方ですまんな」
ドワーフ「うむ・・・」
「我らでは色々と判断しかねるので、
族長に会えないか掛け合って見る」
くろむ「ありがとうございます」
「それは、むしろ願ったり叶ったりですよ」
ドワーフ「とりあえずついてまいれ」
「ただし信用したわけではないので不審な動きはするなよ」
くろむ「当然な警戒ですよ、カルロも大人しくしてろよ」
カルロ「はいよ、兄貴」
ドワーフ二人に連れられて、ドワーフの集落についたくろむたちは、
不審そうな視線にさらされながら集落の中を歩いていた。
アキナ「さすがにギンジたちは置いてきたほうがよかったんじゃない?」
「知らない人たちからしたら、たぶん怖いし不安だよ....」
くろむ「あぁ・・・」
「最近がっつり懐いてるギンジが可愛くてさ・・・」
「それは盲点だったわ・・・」
カルロ「兄貴って意外なとこ抜けてるんだな・・・」
ギンジ「ご迷惑をおかけしてしまい、すいません」
くろむ「俺の判断ミスだし心配するな、なんとかなるさ」
くろむたちは族長の家にたどり着いた。
促されるまま、家の中に入ると、屈強そうなドワーフが座っていた。
ゴドラ「俺を探していたそうだな、俺が族長のゴドラだ」
くろむ「お初にお目にかかります、くろむです」
「こちらは仲間のアキナとカルロ、
そして騎獣のギンジとシャドーウルフです」
ゴドラ「ギンジとやらは見た感じ、銀狼に見えるのだが・・・」
「まさか、くろむ殿がテイムしたのか?」
くろむ「ギンジは銀狼王ですよ」
「ぶっ飛ばした上で従属させています」
「俺の命令なしで暴れたりしませんので、安心してください」
ゴドラ「銀狼王だと・・・!!!?」
「しかもぶっとばしたと言ったか...?」
ギンジ「主人様の言っていることは真実ですよ」
ゴドラ「・・・」
「それほどの強者が下手に出ながらの訪問・・・」
「訪問の理由を聞いても良いか?」
くろむ「もちろん、一通り話を聞いて欲しい」
くろむは状況と望みを話した。
迷いの森から入れる隠れ里に住んでいた竜人族を配下にしたこと。
これを機に迷いの森を中心とした場所を領土として、
近いうちに建国する予定であること。
くろむ、アキナ、カルロは銀狼王を圧倒するほどの強さを持っていて、
竜人族もかなりの強さがあり約1000名ほどいること。
ドワーフの集落がここにあることを最近知って、
建国宣言の前にドワーフを自勢力に加え、装備の拡充を図りたいこと。
そのため、ドワーフ族全てを従属しにきたこと。
その代償として、ドワーフ族の全てを守ることを約束すること。
ゴドラ「言っていることが、
突飛すぎて反応をしかねるところではあるが・・・」
「先の転生者どもの宣戦布告を受けて、
我らも種族の存亡に不安を抱えているのも事実・・・」
「しかし、くろむ殿が我らを守れるほどの
存在であるかどうかの判断がつかぬのも事実・・・」
「何か証明する手立てはあるのか?」
くろむ「逆に何をして見せたら信用してもらえるんだ?」
「こないだルインを襲って来た魔物は俺が一人で排除したけど、
その証明は実際に襲撃に加わっていた
ギンジに聞くぐらいしかできないし・・・」
「あの程度で証明になるのかもあるしな・・・」
ゴドラ「あの襲撃自体は見張りからの報告で知っている」
「確かに、人族のものがとんでもない魔術で追い払ったという
報告を聞いてはいたが・・・」
「まさか・・・ 真実であったのか?」
くろむ「ん~、あの魔術を実際に見せたら信じてくれるか?」
「ただ規模や威力的にここでぶっ放すと
大変なことになりかねないけどな」
ゴドラ「ここより西にいったところに、かなり開けた草原がある」
「そこでどうじゃ?」
ナビ 「たぶん、くろむが目覚めた草原の一部だと思うわよ」
くろむ「ならそこでみせるけど・・・」
「さすがの俺もあの大魔術だけは
発動後しばらく意識を飛ばすことになる」
「そこで不審な行動をとるなよ?」
ゴドラ「何かしようにも、アキナ殿とカルロ殿がおるところで
何かができるとも思わんがな」
くろむ「善は急げっていうし、早速いこか」
くろむたちはゴドラとそのお供3人に連れられて
草原に向かった。




