28話.騒乱の気配
エレン「ただ今、戻りました」
ニーナ「遅くなってしまい、申し訳ありません」
くろむ「二人ともおかえり」
「無事そうでなによりだよ」
ニーナ「ありがとうございます」
「詳細なご報告をしたいところなのですが、
ダン様より至急くろむ様にお渡ししてほしいと書状を
承っております。」
くろむ「ダンから至急の書状?」
くろむはニーナから書状を受け取ると中身を確認した。
・<カロライン王国>の首都が陥落し、
実行犯から3大国の国家元首とギルドマスターに対して
宣戦布告?の書状が届いたこと。
・実行犯の主張は次の通り。
1.自分たちは神によりこの世界に転生された異世界人である。
2.自分たちは5人組であり、
5人で<カロライン王国>の首都を陥落した。
3.首都を陥落させたのは、自分たちの強さを喧伝するため。
4.今後5人はそれぞれ世界に散らばって好きなようにやる。
5.その際、邪魔になったり、敵対したものは容赦なく潰す。
くろむ「はぁ・・・・・・」
「ナビ、こいつらってさ・・・」
ナビ 「多分だけど、くろむの同類だと思うよ」
「カオス様以外の神様により転生した奴らだと思う」
くろむ「同類っていう括り方には反論したいところではあるが、
やっぱりそうか・・・・・・」
「カオスの話を聞いたときに、
同じ境遇のやつはいっぱいいるんだろうなとは思っていたが・・・」
「これはちとマズイ気がするな・・・」
「エレン、ニーナ!」
「ステータスを分けてあるから自衛には問題ない程度には
なっていると思うけど、警戒は怠るなよ」
「エレンは当面の間、ここの家事全般を頼む」
エレン「はい!」
ニーナ「はい!」
くろむ「アキナ、悪いけど二人から他の報告を聞いておいてくれ」
アキナ「りょ~かい!」
くろむ「んで、ナビ」
ナビ 「ん?」
くろむ「悪いが頼みがある」
「カオスと話がしたい」
「眷属のお前ならコンタクトを取れないか?」
ナビ 「一応声をかけること自体はできるわよ」
「ただお返事があるかどうかはカオス様次第よ」
くろむ「あいつはこの世界を俺を傍観し続けると言ってた」
「おそらく今も観ているだろうから、今なら・・・」
くろむがなにか言いかけたところで
くろむは光に包まれて消えた。
くろむは眩しさのあまり閉じていた目を開けると、
見覚えのある真っ白な空間にいることがわかった。
くろむ「カオス・・・ なのか?」
カオス「ひさしぶりだね♪」
くろむ「お前の陽気さは変わらずなんだな」
「とりあえずナビには俺をここに連れてきたことを伝えてくれよ?
あっちが混乱しそうだし・・・」
カオス「それは大丈夫だよ、連れてくるときに伝えたからね」
「で、僕と話をしたいみたいだったから連れてきたけど、
何を聞きたいんだい?」
くろむ「<カロライン王国>の首都を落としたという転生者5人についてだ」
「そいつらは俺と同じくどっかの神が転生させた
やつらってことでいいのか?」
カオス「直球な質問だね、答えはYESだよ♪」
「ただ君よりたぶん2~3年先輩である可能性はあるけどね~」
くろむ「どういうことだ?」
カオス「僕はね、このゲームの開始直後に参加したわけじゃないんだ」
「3年たってから君を転生したんだ」
「だから最長で3年先輩の転生者くんは
存在しててもおかしくないってこと♪♪」
「最近のくろむは観てて結構楽しいから、
少し情報提供でもしてあげたいけど・・・・・・」
「自分以外が転生させた転生者の情報は見れないし、
誰が転生させたかも見れないようになってるからなぁ・・・」
「ただ、転生者たちは、まず間違いなく異常なほどの強さを持ってる」
くろむ「全員チート持ちだろうから、当然そうだろうな」
カオス「くろむがこの先どうしていきたいのかわからないけど、
何をどうするにしても自衛手段は必須だろうね」
「自分だけでなく、自分が守りたいものまで含めたものを
守り抜くだけの力/勢力を手にするのが急務なのかもね♪」
くろむ「言いたいことはわかるが・・・」
「なにの当てもない現状で、すぐにってのは無茶じゃないか?」
カオス「そうだなぁ~」
「じゃあ、その情報を君への情報提供ってことにしよう♪」
くろむ「どんな情報だ?」
カオス「この世界には創造神が完全にお遊びで作った
ネタ種族が存在している」
「ネタといっても設定がネタであるだけで、
強さは世界有数の種族だよ♪」
くろむ「どんな設定だよ...」
カオス「自分の主人となる者が現れるまで、隠れ里に籠ること」
「主人ができるまで里の外に出ることはできず、
主人を探しにいくことはできない、
そういう呪いを魂に埋め込まれている」
「しかも隠れ里自体が超高度な魔術により秘匿されているから、
相当の魔力持ちでないと里の発見すらできない」
「運良く発見できても<門番>をしているやつを
倒さないと里に入ることすらできない」
「里での試練を乗り越えた者を主人として、
種族全体の命も含めた全てを主人に捧げる」
くろむ「なんだよ、それ・・・」
カオス「だからいっただろ?」
「創造神のおふざけで作った種族だって」
くろむ「その種族が不憫でならねーよ・・・」
カオス「なら、君が解放してあげなきゃね♪」
くろむ「まぁ、さっきの話聞く限り、その隠れ里見つけれるのか?」
カオス「普通では、絶対に無理」
「この世界で超人と呼ばれているクラスでも
相当運が良くなきゃ無理だろうね♪」
「でも、これは創造神からの優しさでもあるのよ」
くろむ「どこがだよ・・・」
カオス「最低でもその程度の強さがなければ、門番に瞬殺されるからだよ♪」
くろむ「・・・」
カオス「隠れ里のおおよその場所はわかってるから教えるよ」
「あとは君の知恵と強さで彼らの主人を目指してよ♪」
くろむ「ますますおまえの手のひらの上でって感じがするけど、
まぁ頼ったの俺だしな・・・」
「踊っておいてやるよ」
カオス「♪」
「んじゃ、そろそろ戻すね、ナビたちに悪いしさ」
くろむ「最後にその種族の名前教えてくれ」
カオス「<竜人族>」
「じゃ、ナビたちによろしくね~♪」
くろむは意識が薄れていき、気がつくとルーム内のリビングにいた。
アキナ「くろむ!!!」
エレン「ご主人様!」
ニーナ「ご主人様!」
3人が飛び込んでくるので、優しく受け止めると
ナビ「カオス様もかなり破天荒よね・・・」
くろむ「みんな、ただいま」
「心配かけてごめんな」
「聞きたいことと今後の指針になる情報をもらってきたよ」
「エレン、みんなに飲み物出してくれ」
エレン持ってきた飲み物を飲みながら、リビングで着席した。
くろむ「さて、どこから話すべきか・・・」
くろむはカオスから聞いた話を元に今後の方針を話し始める。
・転生者たちは、やはり神々が転生させた者たちで
最長でくろむより3年早く転生している可能性があること。
・彼らは人外の強さを持っており、
なにを目的としているか不明であるため、
くろむたちとしても自衛の勢力を作る必要があること。
・自衛の勢力作りのために、<竜人族>の主人になって配下にすること。
・竜人族は隠れ里に住んでおり、おそらくくろむにしか発見できないこと。
・竜人族に会いにいくというのは、とても危険を伴うこと。
くろむ「だからといって、会いに行かないという選択肢はない」
「だから、行くメンバーと残るメンバーを分けることにする」
「俺、アキナ、ナビ、ギンジ」
「これが行くメンバーだ」
「残りは拠点の管理運営を頼む」
「だけど拠点としての機能はほぼルーム内にあるから、
この洞窟そのものは命をかけてまでは守る必要はない」
「危ない時は、ルーム内に避難して俺に念話をいれろ」
「あとギンジが出掛けることになるから、
ウルフ隊の指揮権をニーナに渡す」
「各自、今日一日で準備を整えて、明日朝一で出発する!」
みんなは勢いよく返事をし、各自準備に取り掛かった。




