27話.新拠点事情
洞窟を新拠点として休息をとった翌日は、
生活を安定させるために使うことにした。
・ルーム内にメンバー(エレンとニーナの部屋も含む)用の個室をつくる。
・ルーム内に必要な施設を作ったり、作りなおしたりする。
(リビング、お風呂、キッチンなどなど)
・情報収集と買出しとダンへの報告を兼ねて、
エレンとニーナをルインに行かせる。
くろむ「とりあえずはこんなところかなぁ」
アキナ「エレンたちが帰ってくるまでは待機だね」
「ってかさ、そんなことより・・・」
くろむ「ん??」
アキナ「わたしたちって逃亡者・・・ なんだよね??」
くろむ「あえて言葉にするなら、まぁそうなるな」
アキナ「この<ルーム>内のお部屋や設備って・・・・・・」
「どこの貴族の屋敷!!!? って感じだよ!!?」
くろむ「そうなのか?」
「前も言ったけど、俺がいた異世界では結構これくらい普通だぞ?」
ナビ 「比較する相手がおかしいわよ・・・」
「この世界のお風呂は、貴族や王族などの特権階級のみの贅沢品よ」
「ちなみに貴族のトイレは、日本流に言えば汲み取り式よ」
くろむ「あぁ・・・」
「そうは言ってもさ、やっぱり日本人としては、
お風呂は欲しいじゃん!!!」
「それにさ・・・・」
「<土><火>の混合魔術で陶器の浴槽作れちゃったし、
<水><火>の混合魔術でお湯も好きなだけ作れるし・・・・・」
アキナ「貴族たちの特権的な贅沢を・・・」
「とんでもない魔術で当たり前のように再現・・・」
ナビ 「アキナ、くろむに自重を求めるだけ無駄よ」
「最近のこいつは自重する気ないから・・・」
くろむ「おまえらなぁ・・・」
「これでも自重して・・・」
ナビ 「ふ~ん」
「じゃあ、あのトイレはどういうことかしら?」
くろむ「・・・・・・ ごめんなさい・・・」
くろむが作ったトイレの見た目は、
この世界の(貴族の)標準である汲み取り式である。
しかし、構造が明らかにおかしいことになっていた。
筒状の縦穴に3層の処理層を設置した構造となっている。
第1層:空中に無数の<クリーンウォッシュ>を漂わせた層。
この層を通過することにより、全てのものが無臭かつ無害なものになる。
第2層:<火>の壁を暑さ1メートル設置した層。
ここを通過したものは、蒸発もしくは灰化することになる。
第3層:灰を貯める専用の部屋を<ルーム>の1部屋として生成した層。
ここに全ての灰を貯める場所になり、灰を定期的にゴブ太たちが掃除する。
<クリーンウォッシュ>と<火>の壁の維持には、
当然定期的な魔力供給が必要となるが、
リビングに設置した<魔力玉>で解決している。
<魔力玉>とは、くろむが魔力を圧縮して生成させた魔力の塊であり、
リビングに設置した<魔力玉>を<ルーム>内に分配できるように
<ルーム>全体を改造した。
その<魔力玉>を大量にストックさせ、
ゴブ太たちが定期的に交換することにより、
トイレの構造を現実化させていた。
くろむ「街の外のこの場所で、いかに清潔を保つか・・・」
「そう考えたら、こうなったの!!!」
アキナ「おかげで、非常に快適でありがたいよ?」
「きっと世界でもっとも贅沢なトイレだと思うけどね・・・」
くろむ「自分と仲間の快適さのためには自重はしません!」
ナビ 「ついに開き直ったわね」
アキナ「くろむの優しさでもあるわけだし・・・」
ナビ 「つい最近まで不便さのあるサバイバルこそロマンだ!
と騒いでたけどね、この人・・・」
くろむ「人類は日々進歩するものなのです!」
ナビ 「はいはい」
アキナ「そ、そだ!」
「エレンちゃんたちには何を頼んだの?」
くろむ「あぁ、エレンたちにはね、まずは食料と日用品の買出しだね」
「俺の<ストレージ>に繋げてあるカバンを渡してあるから、
そこにできるだけ大量に買い込むように頼んであるよ」
アキナ「あの銀鉱石をいれてたやつ?」
くろむ「そそ」
アキナ「<マジックバック>としてもたせてるなら、危なくない?」
「かなりの高級品だから襲われたり・・・」
くろむ「一応、護衛役のニーナに<アイスブレード>を持たせてあるよ」
「あれは一週間は溶けない氷で作ってあるし、
斬れ味もそこらの剣の数倍はいいよ」
「でもまぁ、少しステータスあげておくかな」
「万が一、摺られたりしてもあれはストレージだからね」
「俺が許可をだした人以外は、何も出し入れできないさ」
アキナ「なんというか・・・」
「心配するだけ損をするような・・・」
ナビ 「だから、前からそう言ってるじゃん」
「くろむはチートな上に、一応色々気はつかうの」
くろむ「もう褒められたことにしとく・・・」
「で・・・ 他にはダンへの報告だな」
「拠点の場所は伝えないけど、拠点はできたと伝えさせることと、
何か変化とかがあったかの情報をもらうことだな」
アキナ「場所は教えないの?」
くろむ「今はまだな、どこかに情報が洩れても困るしね」
「今後の状況によっては、
ダンとサラカには伝えるかもしれないけどね」
「あと、ゴブ太たちが回収してくれてた各種鉱石の買取を
ダンに頼むように言ってある」
アキナ「とても逃亡生活中とは思えない快適生活を
ほぼ確保したってことだね・・・」
くろむ「エレンが帰ってくるまでは食事に不安はあるけどな」
「一応数日分の作り置きはストレージに入れて置いてもらってる」
くろむ「まぁ、エレンたちが帰ってくるまでは
少しレベルあげでもしつつ、仲間を増やすかな」
アキナ「仲間??」
くろむはエレンたちが帰ってくるまでの数日の間、
ゴブ太の部下として、 ゴブリン 50匹
ギンジの部下として、 ウルフ 20匹、
フォレストウルフ 20匹、
シャドーウルフ 10匹
を従属していた。
ゴブ太をリーダーとするゴブリン部隊には、
今まで通り各種鉱石の収集を指示。
ギンジをリーダーとするウルフ部隊には
拠点の周辺の哨戒をさせ、
出来る限り、殺さないようにしつつ追い払うように指示。
アキナ「仲間ってこういうことね・・・」
くろむ「収入源の確保と拠点の安全確保」
「大事なことだろ?」
アキナ「まぁそうだけど・・・」
アキナが呆れているところに、エレンたちが帰ってきた。




