23話.襲来の後始末
アキナ「そだ、くろむ~」
くろむ「ん?」
アキナ「なんだかのんびりしちゃってるけどさ、
そろそろダンさんがここに来るんじゃないかな?」
くろむ「!!!!」
「あいつのこと忘れてた・・・」
「さすがにギンジのことを見せるわけにはいかないな・・・」
「ギンジ、悪いけどこの中で待機してくれ」
そういうと、くろむはルームの入り口を作りつつ指で指す。
ギンジ「承知しました、我が主人様」
くろむ「お前は口調堅いのね・・・」
くろむ「あ、そうだ」
「ゴブ太! 聞こえるか?」
ゴブ太「如何なさいましたか? 主様」
くろむ「ギンジっていう奴が仲間になったから、仲良くしてってくれ」
「ギンジはゴブ太の言うことをしっかり聞くように!」
ゴブ太「かしこまりました、主様」
ギンジ「承知しました、我が主人様」
「ゴブ太殿、よろしく」
ゴブ太「こちらこそですぞ」
(あーなんかお前らの話し方面倒だな・・・)
ギンジをルームで待機させた後、
くろむたちはルインに向けて歩き出した。
しばらくすると前方より、ダンとお供の数人が走ってくるのが見えた。
くろむ「おぉ! ダン、はえーじゃんか」
ダン 「お前はなにを呑気に・・・」
「ま、まさか??」
くろむ「多分半分あたり、全滅はさせれてない」
ダン 「ほぉ、とりあえず詳しく聞かせてくれ」
ダンたちは後続部隊の編成中に急に爆音が響いたため、
確認をしに来たとのこと。
くろむは、魔物の大群相手に大立ち回りしていたが、
さすがに多勢に無勢で劣勢であったが、
そんなときに謎の火球が上空より出現して魔物の軍勢を焼き尽くし、
生き残った魔物は逃走したと伝えた。
もちろん、こんな無茶苦茶な説明は本来納得してもらえるわけがないのだが、
<説得眼>の力により無理やり納得させた。
くろむ「生き残りで逃げていない魔物は残ってなさそうだからさ、
警戒は必要だろうけど、もう大丈夫かな」
「後続部隊を編成してもらってたのに、わりぃな」
ダン 「そんなもん使わないで済むのに越したことないわい」
「しかし・・・ 改めてお前はとんでもないやつじゃの」
「街に戻ったらギルドに顔をだすのじゃぞ、
今回の報酬があるのでな」
くろむ「そりゃ、どうも」
ダン 「まぁ、街に帰ったら英雄扱いされることは覚悟しとくのじゃぞ」
くろむ「それは遠慮願いたいけどな・・・」
ダンの大笑いにくろむは苦笑を浮かべつつ、
アキナが無事でよかったと安堵の笑みをアキナに向けた。
それを見たアキナは満面の笑顔を浮かべくろむの腕に抱きつく。
二人はそのままゆっくりとマインまで歩き出した。
ルインに到着後、ダインは後続部隊の冒険者たちに
・すでに脅威は去ったこと。
・くろむたちの奮闘によること。
・後続部隊のみんなには仕事がなくなってすまないこと。
を伝えた。
反応はそれぞれではあるが、
ホントにくろむたちだけで脅威を払えたのか
半信半疑といった表情をしていた。
くろむは絡まれると面倒だけのため、
ダンに奥で待っていると告げてダンの部屋に逃げ込んだ。
しばらくすると、疲れた顔のダンがやってきた。
ダン 「ふぅ~、逃げだしおって・・・」
「主役なしであの場を抑えるのはかなりの手間じゃったぞ」
くろむ「すまん、すまん」
「英雄にされるのも、嘘だろうと疑われるのも面倒なのでな」
「こういうときは、ギルドマスター様にお任せしようかとね♪」
ダン 「こういうときだけ、ギルマス扱いしおって・・・」
「まぁ助かったのは事実だから、後始末ぐらいはがんばるんじゃがの」
くろむ「感謝はしてるさ」
ダン 「どうなんじゃか・・・」
「何はともあれ、緊急クエストは達成ということで、報酬じゃ」
ダンはくろむに金貨100枚の入った袋を手渡そうとした。
くろむ「俺の報酬は半分でいいよ」
「残りは後続部隊に参加したやつらで山分けさせてくれ」
「せっかく集まったのに稼ぐ場所奪っちまったしな」
くろむはニヤニヤしながらそういうと
ダン 「それで面倒ごとを押さえとけっていいたいわけじゃな・・・」
「・・・まったく」
「わかったよ、くろむには半分だけ渡しておく」
くろむ「ありがとよ」
「頼りにしてるよ、ダン」
「あとはよろしく」
くろむとアキナはダンから金貨50枚入りの袋を受け取り、
宿屋に逃げ込んだ。
くろむ「これは想像以上に目立ってしまったな・・・」
アキナ「あんなとんでもないことをすれば当然でしょ!!」
「きっと明日ぐらいからは貴族たちが
いっぱい接触してくると思いますよ」
くろむ「うわぁ・・・」
「心底面倒・・・・・・」
「逃げる妙案ない?」
アキナ「ないと思いますよ?」
ナビ 「ないでしょ、自業自得だし・・・」
妙案も浮かばない上に、疲労も残っているので、
まだ昼前ではあるが、今日は休息日として休むことにした。




