19話.PT
ふたりはルインに向かって歩いていた。
アキナ「ルインに戻って報告したら、くろむってBランクになるのよね?」
くろむ「ダンの話だとそういうことになるな」
アキナ「ギルドに登録して1週間程度でBランクって
最速記録な気がするよ・・・」
くろむ「まぁ裏口もいいところだけどな」
アキナ「そうだとしてもすごいことだよ♪」
くろむ「ありがとな」
「ただ、俺のステータスや技能のことは
ダンたちには黙っていてほしい」
「これがバレたら、面倒なことしか起きない気がするからさ」
「・・・まぁダンは薄々気づいてそうだけどな」
アキナ「勿体ない気はするけど、わかったよ!」
「今後どうするとかってなんか予定あるの?」
くろむ「特にはまだ決めてないな」
「とりあえずは生活の基盤を手に入れようぐらいしか・・・」
アキナ「そかそかぁ」
「ねぇ! それならさ!」
「二人でPT結成しちゃおうよ♪」
くろむ「PT??」
アキナ「うん♪」
冒険者ギルドにはPT制度というものがあるらしい。
むしろ、PTを組むことを推奨しているらしい。
どうしても命の危険を伴う仕事が多い関係上、
一人でも多くの人を行動を共にしたほうが生存率があがるということだ。
アキナはどうにもそりの合う人が見つけられずに、
仕方なくソロ活動をしていたらしい。
くろむ「じゃあ、ルインに戻ったらクエスト達成報告とPT結成申請だな」
アキナ「うんうん♪」
くろむ「その後はお金を稼ぎつつ、生活の基盤を整える」
「その後のことは、また後日考えよう」
「だいぶ大雑把な計画だけど、そんな感じでいいか?」
アキナ「もちろん♪」
「これからもよろしくね♪」
そう言って、俺に腕を絡ませてくるアキナを横目にナビは
ナビ 「くろむが大雑把なのはいつもじゃん・・・・」
くろむ「うっさい・・・」
他愛もない会話をしつつ、ルインに到着した。
そのまま、冒険者ギルドに向かい、受付にいるスズを見つけた。
くろむ「スズ、悪いけどダンさん呼んでもらえるかな?」
スズ 「ギルドマスターですか?」
「わかりました」
スズはカウンターの奥に向かい、しばらくするとダンと一緒に戻ってきた。
ダン 「おう、くろむじゃねーか」
「もう終わったとかいうんじゃ・・・」
「まぁ、とりあえず俺の部屋で話そうか」
くろむとアキナはダンと一緒にダンの部屋に向かった。
ダン 「で、終わったのか?」
「そして、なぜアキナと一緒に?」
くろむ「ああ、クエストは終わった」
「アキナはまた襲われているところに遭遇してな・・・・」
「まぁ、色々あって今後はPT組むことになった」
ダン 「おぉ、そうか!」
「アキナはいつまでもソロだったから心配してたんだんじゃ」
アキナ「・・・・・」
くろむ「んで、クエストの達成の確認をお願いしたいんだが?」
ダン 「わるい、わるい・・・」
「この水晶の上に、指輪をかざしてくれ」
そういうと、ダンは机の上に置いてあるボーリングの玉ぐらいのサイズの
水晶玉を指さした。
くろむ「これでいいか?」
ダン 「今確認するか、ちとまってくれ」
「ん〜、オークジェネラル1匹、オーク80匹・・・・」
「かなり増えてやがったんだな・・・・」
くろむ「夢中で数は覚えてないぞ」
ダン 「そういうもんかもな」
「ともかく、これでクエスト達成だ」
「とりあえずこれは達成報酬だ」
ダンはくろむに金貨10枚が入った袋を手渡しつつ、
ダン 「ランクの昇格をさせるから、今度はこっちの板の上に指輪を置いてくれ」
言われるがままに、指輪を板の上に置くと、
ダンが指輪に向けて、マナを練りこみだした。
少しだけ指輪が発行し、光が収まると
ダン 「ランクアップ完了じゃ」
「ほれ」
ダンに指輪を手渡され、それを指に戻した。
ダン 「改めて、ランクB昇格おめでとう、くろむ」
くろむ「実感はないが、ありがとう」
ダン 「それでこのままPT結成の申請はするか?」
くろむ「そうだな、頼む」
ダン 「まず、チーム名を決めてくれ」
くろむ「そんなものいるのか?」
ダン 「お前みたいに将来有望なやつは特にな」
「ランクA以上になったら、
ギルドや国からの指名クエストがでることもある」
「そのときにPT名がないと色々と面倒でな・・・」
くろむ「そういう仕組っていうなら仕方ないな」
「でもアキナ、名前どうする?」
アキナ「・・・・ 黒猫」
くろむ「は?」
アキナ「黒猫」
くろむ「チーム名を黒猫にしたいってことか?」
アキナ「うん・・・ 特にわけがあるわけじゃないんだけど・・・」
「ダメ・・・?」
くろむ「アキナにお願いされたら、断れないな・・・」
「ダン、PT名は<黒猫>で頼む」
ナビ 「・・・・・・」
ダン 「なら、二人とも指輪をさっきの板の上においてくれ」
先ほどと同じように、ダンが指輪に向けて、マナを練りこみだした。
その後、さっきよりは少し長めに発光した。
ダン 「ほれ、PT結成完了じゃ」
「PT<黒猫>よ、これからの活躍に期待しておるぞ」
くろむ「ま、ぼちぼちやるさ」
「とりあえずありがとな」
そういうと、くろむたちはダンの部屋を後にした。
くろむ「今日は宿にもどって、そのあと明日以降のことを話そう」
アキナ「はい♪」
すごく上機嫌なアキナと共に<安楽亭>に向かう。
このときのくろむは、宿で起きることを想像もしていなかった・・・・




