93話.頂上決戦③
創造神「く……」
次元の障壁を通過されるとは夢にも思っていなかった創造神は、
その状況に対応できずに左手を付け根より消滅させた。
その状況に困惑し混乱する創造神に対して、
くろむは遠慮することなく残りの球状の原子分解光線を放ち続けた。
創造神「うぐ……」
「どういうことじゃ……」
全身に無数の穴をあけ、蠢いている創造神に対してくろむは
攻撃の手を緩めなかった。
くろむ「回復する暇なんてあたえねーよ!!!!」
くろむは、ゲオルクゾンビに放ったものと同じ千を超える巨大な剣を生成し、
それを全て同時に放った。
それらの剣が着弾しだす前に追加で先ほどの球状の原子分解光線を
1000個生成し放った。
放たれた無数の次元斬による大剣と球状の原子分解光線の大半は、
創造神が生成した次元の障壁により阻まれたが、
先ほど同様に1割程度の攻撃は創造神に直撃した。
身体中にあいた穴を増やしながら、
無数に身体を刻まれる創造神を横目に見ながら、
くろむは超巨大な球状の原子分解光線を作り始めた。
しばらくすると、先ほど放った無数の次元斬による大剣と
球状の原子分解光線の嵐が治まり、
そのタイミングで超巨大な球状の原子分解光線を放った。
くろむ「このまま消えろ」
くろむから放たれた超巨大な球状の原子分解光線は、
創造神が作り出した次元の障壁に阻まれることなく、創造神の全てを飲み込んだ。
ナビ 「…… 勝ったの??」
くろむ「どうなんだろうな?」
「ただ、触れたもの全てを分解消滅させる原子分解光線で
あれだけバラバラにしたうえに全てを消滅させたんだ、さすがに……」
カオス「そこがくろむの甘いところだね……」
くろむ「は!??」
くろむの隣に急に現れたカオスはくろむに呆れながら、ナビに命令をした。
カオス「ナビ、さっきまで創造神が居た場所に
<全次元幽閉牢>を使うんだ!!」
ナビ 「え? え??? 何それ……」
「それにそこには何もいないし……」
カオスの命令にナビは戸惑ってしまい、すぐに行動に移すことができなかった。
そこでカオスはナビの体内に充満する自身の魔力を操作し、
ナビの身体を使って<全次元幽閉牢>を何もいない空間に放った。
創造神「ぐあぁぁぁぁ……」
「か、カオスめ……」
くろむ「なんであいつの声がきこえるんだよ!!!!」
カオス「神とは消滅した程度では死んだりはしないんだよ」
「神とは必ず複数の次元に同時に存在している」
「でもそこに欠点もあるんだ」
くろむ「はぁ……」
カオス「複数の次元には存在できるが……
全ての次元で次元内での座標は同一でしかいられない」
ナビ 「カオス様…… 言っている意味がわかりません」
カオス「神は次元A、次元B、次元Cに同時に存在できるけど、
1つの次元内での位置を示す座標、例えばA-1みたいなものは
次元A、次元B、次元C全てでA-1でなければならない」
「みたいなことだよ」
ナビ 「わかったような、わからないような……」
カオス「まぁ、この次元でそこにいた創造神は、
ここ以外の次元でもそこにいるってことだよ」
ナビ 「……」
くろむ「んで、さっきナビに使わせた術はなんなんだ?」
カオス「あれはね、指定した座標の空間を全次元において、
僕の支配する専用空間内に幽閉する空間術だよ♪」
「この術だけは僕以外の神にも使えない、
空間を司る僕のみの力なんだよ♪」
創造神「まさかこのタイミングでそれを使ってくるとはな……」
カオス「この術の幽閉にまだ抵抗しているとはさすがですね……」
「でも命中したこの術は例え創造神であっても突破は不可能ですよ」
「昔……」
「あなたが僕を騙し、言いくるめることで僕の師匠であり、
前空間神にこれを使わせたあなたならわかっていますよね?」
「この術は創造神であり、前空間神であった僕の師匠でも
突破できなかったものです」
創造神「懐かしい話だな……」
「神ともあろうものが、
あんな数千年も前の話を根に持っていたとはな……」
その言葉を最後に創造神の声は聞こえなくなった。




