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夜
《温かな海と船》
邪魔しないで
誰もいないの
友達も恋人も
私さえ
邪魔しないで
静かに猫のなく声が聞こえて
ぱしゃんと水が弾ける
邪魔しないで
邪魔しないで
邪魔しないで
邪魔しないで
《放課後》
帰りたい
一握りの土に
帰りたい
凍えるような北風に
帰りたい
高い高い空に
帰りたい
静かな海に
帰らなければならない
帰りたくもない家に
《瞳》
星たちはたしかに綺麗だけれど
私の心は動かないわ
月はたしかに儚げだけれど
私の心よりは確かだわ
だけれど
夜空を見上げるあなたの目は
ほんの少し
私の心を撫でた
《月》
月が綺麗だね
あなたが言った
私も同じことを思っていたわ
私は言わなかった
《私へ》
おやすみなさい
明日、目が覚めませんように