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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第7章 大国会談と四獣
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勝機

 ここまで戦闘して分かった事は主に2つ。



 1つは、戦闘能力が極めて高いと云う事。これは元々予想していた事ではある。1体1体の戦闘能力が高いのもあるが、それより危惧すべきは奴らのコンビネーションだ。



 勿論、それぞれの実力もかなり高い。1体だけでも、騎士団(ナイツ)総出でやっても殺す事は出来ないだろう。だが、そこにコンビネーションが加わる事によって、更に厄介になる。



 同時攻撃や、囮に陽動。合成魔法も使ってくる可能性がある。一刻も早く1体でも倒さなければ、かなりヤバい。



 単純に4体を相手にするのとは訳が違う。熟練の冒険者パーティーでも、ここまでのコンビネーションは出来ないだろう。



 だが、それ以上に危惧すべきなのが2つ目。奴らの魔法は、俺の『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』の()()()()()()()()()



『白虎』の魔法で『破壊(ディストラクション)の盾に(・シールド)』が破壊されたのもそのためだろう。



 つまり、奴ら相手に『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を絶対の能力とは思ってはいけない、と云う事だ。『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』では、奴らの魔法を破壊する事は出来ない。



 だが、全く通用しないと云う訳でも無い。事実、『青龍』の魔法は『破壊(ディストラクション)の盾(・シールド)』で防ぐ事が出来た。



 つまり『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』の、()()()()()()()()()()魔力を破壊出来る、と云う力は発揮出来ないが、それ以外の事は通用すると云う事だ。



 俺の『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』が無効化される、と云う訳では無い。要は、威力や強度の問題なのだ。



『青龍』の魔法の威力よりも、『破壊(ディストラクション)の盾(・シールド)』の強度の方が上だったから防げた。逆に、『破壊(ディストラクション)の盾に(・シールド)』の強度よりも、『白虎』の魔法の方が上だったから防げなかった。



 それだけの事だ。であれば、まだ勝機は残っている。勝機が残っているならば、いや、残っていなくとも、俺に敗北は無い。



 負けは無い。負けてはならない。俺はもう2度と、()()()()()()()



「…絶対に」



 ーーそう思うなら、変わった方が良いんじゃないか?ーー



 ――――――――――――――――――――――――



 俺はまた、この深層心理の世界に来ていた。



 奴が望めば、俺は強制的にこちらの世界に連れて来られる。本当に鬱陶しい。



「前にも言ったが、約束を守りたいんなら俺に交代しろよ」



 そしてもう1人の俺は、いつもの通りにふざけた感じで話しかけてくる。



「何度同じ事を言わせる気だ?俺がやらなければ何の意味も…」



「けど、今回は違ェだろ?」



「っ!」



「今のお前じゃ、奴らに勝てるかは五分五分。対して俺なら100パー勝てる。負けたら意味ねェんだろ?なら俺と代われ。確実に勝てる」



 確実に痛いところを突いてくる。だが、ここで譲るわけにはいかない。そうすれば、()()()()()()()()()



 それだけは避けなければならない。



「断る」



「…そうかよ。まぁ、精々殺されんなよ。俺も死にたかねェんだ」



 奴がそう言うと、俺は現実世界に戻された。



 ――――――――――――――――――――――――



「…安心しろ。どれだけ勝率が低かろうとも、俺は負けない」



 そう呟くと、俺は『青龍』に向かって駆けた。



「『破壊(ディストラクション)の斬撃(・スラッシュ)』」



 左下からそれを放つ。案の定、奴は尻尾に氷を纏わせ、それで俺の攻撃を受け止めようとする。



 だが、そうする事は予想できた。だから、予め奴の背後に5つの『破壊(ディストラクション)の波動(・バースト)』を展開していた。



 そして、奴が俺の攻撃を受け止めた瞬間にそれを放った。



 完全に奴の死角。それに魔力感知も出来ず、奴の魔法では防ぐ事も出来ず、その短い手足では届かない位置に放った。



 避けようとすれば、その隙に俺に斬られる。逆に避けなければ、5つの『破壊(ディストラクション)の波動(・バースト)』が命中し、力が弱まったところを俺に斬られる。



 魔獣の様に(コア)を持っている訳では無いだろうが、幾ら奴でも身体を両断されれば、少なくともダメージにはなるだろう。



(さぁ、どちらを選ぶ?)



『青龍』は、5つの『破壊(ディストラクション)の波動(・バースト)』を避けなかった。結果全て命中し、『青龍』は奇声を上げた。



「オオオオォォォ!!!」



 そして、力が弱まったその瞬間を見逃さず、尻尾ごと両断しようとする。



 だが、そこに『朱雀』がその超スピードで飛び込んで来た。



「チッ」



 コウヤは回避を選択し、『青龍』から離れる。『朱雀』はコウヤと『青龍』の間を通って行った。



 やはりあのスピードでは、急な方向転換も停止も出来ない様だ。


 

 だが、今度は『白虎』向かってきた。その爪に風を纏わせている。



 恐らく、俺の『破壊(ディストラクション)の斬撃(・スラッシュ)』と似た様な技だろう。今度はただ纏わせているだけだ。



 当然、何もしない訳じゃない。こちらも『破壊(ディストラクション)の斬撃(・スラッシュ)』で受け止める。



 だが、やはり『白虎』の爪を斬り裂く事は出来ない様だ。だから俺は、『白虎』が今の攻撃をしている右腕の関節付近で、威力を抑えた『破壊(ディストラクション)の爆散(・エクスプロージョン)』を発動した。



 これにより、『白虎』の攻撃が軽くなった。それを見逃さず、『白虎』の右腕を打ち上げ、顔面に蹴りを入れる。



『白虎』はコウヤの蹴りで飛ばされたが、当然『朱雀』が強襲してくる。それを見越していたコウヤは、『青龍』の方に向かう。



 だが、コウヤのスピードは『朱雀』より遅い。このままでは、コウヤは『朱雀』に攻撃を受けてしまう。



「【空間直結輪(ゲート)】」



 コウヤは進行方向に『空間直結輪(ゲート)』を発動。『青龍』の頭上に出口を創り、その輪を潜る。



「『破壊(ディストラクション)の蹴り(・キック)』」



魔力(マジック)|破壊《ディストラクション』を纏わせた右足で、『青龍』の頭を地面に向かって蹴り飛ばす。



 当然、それで追撃を抑えるほどコウヤは甘く無い。『青龍』に向かって、全速力で向かう。



 そしてある程度近づくと、『魔滅』を手放して両手の拳を開き、『青龍』へ向かって手をかざす。



「『破壊(ディストラクション)の全(・フル)波動(バースト)』」

まだまだ、戦闘は続きます

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