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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第7章 大国会談と四獣
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二次災害

(…始まった)



 この場において唯一状況を把握できていたのは、コウヤに全てを知らされていたイリア・サナサードだけだった。



 と言っても、情報として知っていただけで、()()()()()だとは思っていなかった。



 とても信じられるような話では無かったが、コウヤだから信じた。だが、内心信じきれていなかった。そんな事があるはず無いと。



 だが、実際に起きた。この時点で彼の言った事は全て本当だと考えられる。であれば、迷宮(ダンジョン)内から魔獣が溢れ出てくると云う話も本当なのだろう。



 この地震と云うものは、本当に恐ろしいものだ。止める手段は無く、被害は甚大。建物が崩れ、地面が割れる。そして、被害はそれだけでは済まないだろう。私には何が起こるかは予測できないが、それだけは分かる。



 そして、そんなものを長期間止められる『神』と云う存在は、一体どれ程強大な存在なのだろう?そしてそれも、私には分からない。



「っ!!」



 なんて考えている暇は無かった。天井から屋根が落ちてくる。壁が倒れ、地震の揺れで立つ事もままならない。



 その場にいる『大国』のトップの護衛達でさえ、反応出来なかった。そして唯一反応出来たのは、この場で誰よりもこの状況に詳しかったイリアだけ。



 揺れる大地になんとか足の裏を繋ぎ、



「【氷の丸屋根(アイス・ドーム)】」



 氷のドームを、この場の全員を覆うように創り出した。大地の揺れを止める事は出来ないが、降ってくる瓦礫や倒れてくる壁から皆を守る事ぐらいは出来る。



 氷に幾つか皹が入ったが、降って来た瓦礫を全て受けても壊れる事はなかった。



 彼の話によれば、『地震』はそこまで長時間は続かない。それまで耐えられればと考えていた時に、ようやく揺れが収まった。



 それを確認すると、【氷の丸屋根(アイス・ドーム)】を解除して周囲を確認する。頑丈に作られている筈の、この白の領地(ホワイト・フィールド)の建造物ですら、その全てが瓦礫と化している。



 だが、それだけではなかった。瓦礫からは火災が発生し、割れた地面からは、多くの魔獣が咆哮とともに這い出て来ていた。



「五月蝿い…!」



 その咆哮が煩わしく聞こえたので、そのイライラとともに全方向に黒氷を展開し、這い出て来た魔獣を(コア)ごと刺し貫いた。



 辺りが静かになったところで、場の全員に目を向ける。



「皆様、大丈夫でしょうか?」



 そして、一応全員の安否を確認する。



「大丈夫だよ!ありがとう!イーちゃ、イリアさん!」



 思わずイーちゃんと言いそうになってしまったが、急いで訂正するシーナ。満面の笑みで答えた。



「我らも大丈夫だが…これは一体…?」



 辺りを見回し、混乱した様子で答えるヘイズ国王。



「答えてやろうか?」



 上空から聞こえた声に、その場に居た全員が目を向ける。そこには、まるで空中に立っているかの様に佇んでいる『死神』が居た。



 黒いローブを身に纏い、骸骨の仮面を付けた『死神』は、ただそこに佇んでいた。



「『死神』!」



 最も驚いたのは、かつて『死神』と対峙した騎士団(ナイツ)団長ヘルトだった。



「この状況を教えてやる。この大地の揺れ『地震』は、この大陸全土で起こっている。どんな場所でも殆どの建造物が倒壊し、様々な二次災害が発生している。

 そして、迷宮(ダンジョン)内から大量の魔獣が這い出て来ている」



「「な!」」



「そこには、伝説と呼ばれるSSS級(トリプルSクラス)の魔獣や、それを上回る実力を持つSSSS級(クアドラプルSクラス)の魔獣も含まれる」



「「っ!」」



「俺から言える事はこれだけだ」



 それだけ言うと、『死神』は姿を消した。この場に居た誰もが認知できるスピードを超えて。



「…直ちに行動を開始すべきです。『死神』の言う二次災害もそうですが、魔獣からの被害が尋常ではなくなると考えられます。

 それに、丁度今ここに『大国』のトップが揃っているんです。私達全員が力を合わせなければ、この事態の対処は不可能です。

 ヘイズ国王殿も、協力してくれますよね?」



「…ああ。そもそもさっきそう言うつもりだった。そしてこうなった以上、そうせざるを得ない…」



「有難うございます」



 ここに、全ての『大国』による同盟が結ばれる事になった。奇しくも、それは『人魔大戦』勃発の引き金となった『大国会談』と同じ日だった。



 ――――――――――――――――――――――――



「始まったね。これからどうなると思う?」



 地震の惨状と、コウヤの行動を見て、隣にいる者がどう思っているかを確認したくなった裕翔は、そう話しかけた。



「…」



 その者は、ただ『魔力状態(マジックモード)』を発動しているだけで、何も答える事は無かった。



 それを見て裕翔の表情は、()()()()()

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